大昔のキャリアウーマンたち

2016/07/12 11:42:54 | 日記 | コメント:1件

エスター叔母の誕生会に参加するのは今回で三回目だが、毎回この会に顔を出すメンバーは筆者ら親戚グループとご近所さん、そしてエスター叔母の昔の同僚たちである。

今から50年前、エスター叔母はパンパンガ州サンタアナの学校を卒業した後に一人でマニラに出てきて、そこでアメリカ資本の菓子会社の女工として働き始めたのだが、なんとその時の同僚たちとの付き合いは今でもずっと続いているのである。

「あらっ!あんた段々とお母さんに似て来たわねえ!」と声をかけられる筆者の女房。実は亡くなった女房の母親は妹エスターの誘いで菓子工場の食堂で働くようになり、その昔はこの婆さんたちと一緒に映画やピクニックに出かけていたらしい。

「この日本人がシエナの旦那だよ」と筆者を紹介するエスター叔母。どうせ英語なんぞ判らんだろうと適当に愛想を振りまいていたら、なんとこの婆さんたちは予想外に英語が流暢で、フィリピンの気候とか食い物が合うか?なんてどうでもよいな質問でもなんだか随分と的を得た受け答えをするのだ。





この婆さんたち頭いいな・・。ボケ老人どころか今でも脳みそは相当闊達だぞ・・。そう思った筆者は一番多弁な婆さんに「皆さん学校では大変優秀だったんでしょうな」と聞いたところ、「当たり前でしょ。50年前にアメリカ系の企業に勤めるってことは大変名誉な事だったんだから」と鼻高々に返事をしてきやがった。

富裕な商人や政府高官の子供たちは別として、ごくごく普通の家庭に生まれたフィリピン人にとって例え女工といえども福利厚生がしっかりしている外資系企業に職を得ることは垂涎の的であり、当然ながら本来国立大学で試験管を振るくらいのアタマの持ち主がドシドシ入って来たと言うのだ。

同じ工場と言ってもフィリピン資本のちっこい工場とはわけが違うんだよ!。その工場で女工から主任と昇格し、最後にはオフィス勤めになるってことは並大抵の事じゃないの!と言って婆さんは力説するが、ここで筆者は致命的な失敗をしてしまったのだ。

オレも日本のメーカーに勤めてまして、それは○○○○って名前なんですけど、自分も学校を卒業して入社してからしばらくは工場実習という名目で生産現場にいたことがあるんですよ・・と言ってしまったのである。





突然トータルアウトプットとかMIL規格(アメリカ陸軍を源とする世界的な工業品質規格)なんて事を話始める続ける婆さんたち。それがまた微に入り細に入りな上に長いこと長いこと・・。その昔MOT(技術経営論)に洗脳された生産技術屋と過ごした不毛の3時間を思う起させるような状態になってしまったのだ。

後で聞いたがエスター叔母さんとこの同僚の婆さんたちは菓子工場の中でも抜群に優秀なために女工から生産管理や品質保証部門のスタッフに抜擢され、その後菓子工場を辞めた後もアメリカ系の電子電機企業なんかで働いた強者ばかりなのだそうだ。

○○○○という日本メーカーにいた技術者が目の前にいる・・。この人物と話が出来るのはアタシしかない・・。あるいは数十年ぶりに話が合う人間が現れた・・。おそらく婆さんたちの脳内では以上の様な面妖な化学反応を起こしたらしい。

粗悪なジンと大昔のキャリアウーマンと難しい話にすっかりゲンナリ氏は筆者は頃合いを見計らって誕生パーティーから抜け出す事にしたのだが、来年エスター叔母の誕生日にの際にはこの婆さんたちが確実に生きているだろうから、婆さんたちを喜ばすためには今までバカにしてたMOTでも再勉強しとくかな・・。






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コメント

2016/07/13(水) 10:16:06 | URL | starchild #/9hBKkrU
50の手習い、ギャハハ。
私なんか、60の再起業と子育てやってます。応援して下さいね。

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