懐かしい食器との再会

名古屋に来て熱田神宮に詣でたあと駅近くにあるノリタケの森へと行くことにした。筆者の女房がデパ地下食品売り場以外に興味があるのは鍋釜食器の類で、神社でさんざん歩かされて不満をため込んでいるのでガス抜きさせることにしたのだ。

女房はノリタケと言うブランドについては全く知らなかったのだが、500円払って入った食器ミュージアムを歩いているうちに日本製食器のレベルの高さにすっかり感心した様子で、アジアで最も工業レベルが進んだ食器作りの町は中国では無く瀬戸モノと呼ばれた名古屋近辺なんだよ・・と説明すると「なるほど!」と納得していた。

さて4階にある欧米向け輸出食器を眺めていると女房が「アーッ!」と叫んだ。なんだよ大声で?と振り向くと女房はショーケースの中を指さして「あの食器がウチにあったの!」と盛んに言っている。その指さす方向には(すでに過去の遺物と化した)楕円形の蓋付きスープ入れが置いてあったのだ。





あのスープ入れに(亡くなった)お母さんがお金を隠したりアタシの小遣いを入れていてくれたのよ!と説明する。リサール州のド田舎の村にフルコース用の食器セットの一部だと?どうせ似たようなモノがあったと言う意味だろう・・と思っていると、「デザインも色もあれと全く同じものなのよ!」と女房が言い出した。

女房が10歳の時に母親は無くなっているが、小さかった女房にこの食器は自分の母親(女房にとっては祖母)が嫁入り道具として持たせてくれたのだ!と説明したというのである。となると時期的には1960年代終わり頃で、洋食器セットが作られた(発売され始めた)時期とは20年くらいの時間の開きがあるのだが、筆者はひょっとして・・と思った。

というのは女房の母親はパンパンガ州サンタアナの比較的裕福な家庭に生まれていたことと、祖父母に当たる人間はアンへレス市のクラーク米空軍基地のお偉方たちと非常に近しい関係にあると聞いていたからである。だから1940年か50年代に日本土産として米軍関係者から買った(あるいは貰った)可能性もあるのだ。





娘夫婦と子供たちの食卓を豊かにするために贈られたのに、生憎と嫁いだ先がリサール州の単なる工員だったため使用目的を失った洋食器セット。しかし亡くなった義母はパンパンガ州の豊かな生活を思い出すため蓋付スープ入れを手元に置いていたのだろうか?もうなくなって30年以上も経過しているから真意は判らない。

「あのスープ入れの中にあるコインを持って近所のサリサリにお菓子を買いに行って・・」と子供時代の話をし続ける女房。そしてよっぽど懐かしいのかいつまでもその食器セットを見続けている。それで帰りにあれと同じスープ入れを買おうとノリタケショップに行ったのが、あのデザインどころかもうあのタイプの食器は作っておりませんで・・と申し訳なさそうに店員は言った。

全ては過去の遺物か・・。しかし女房はあの食器と再会できたことがよほど嬉しかったのかミュージアムを出ると「あのスープ入れと再会したのよ!」と2つ年下の義弟に電話をかけていた(残念ながら館内は撮影禁止である)。30年ぶりのタイムトンネル、ここ名古屋のノリタケミュージアムは何だか心温まる場所だった。何となく食器が好きになって来た、






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奥様と中部地方に行かれたのですね。
一時期いたので懐かしいです。
ひつまぶしを食されてはいかがでしょうか。
ノリタケの器はもしかしてe-bayに出てないかな。
探したらあるかも。
私はNZで尾張の三郷陶器の食器セットを買いましたよ。
1960年代のNZの新聞に包まれていました。
日本に持って帰ってきたら、e-bayになかなか良い値段で出ていました。
海外向けの図柄らしく、日本ではまだオークションでも見たことがない品です。

毎日楽しみにブログを読んでいます。
お二人で良い休日を過ごされますように。

 

先ほどヤフーオークションで
オールドノリタケ スープポットで検索してみました。
同じものは無いようでしたが、ウォッチしていたらいつかは見つかるかもしれません。
あと見つかりそうなところは米軍基地のある街の古道具屋か軍のバザーかな。

 

昔のフィリピンは、日本より豊かだったとうことでしょうね。

 

昔は、中流階級も現在より優雅だったのでしょうね。というか、日本の地位が低かった。

30年前、マニラのSMでNORITAKEが高級ブランドとして、販売されていたのを思い出します。

でも、以前から、高級食器は、フランスのボーンチャイナばかり。割れないから良いですよね(笑)

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