これぞ天罰

香港人はバクチ好きで競馬やカジノにうつつを抜かす輩が多いのはつとに知られているが、最も多くの人を引き付けるのは当然ながら株式投資で、これは老若男女問わず香港人のほぼ80%くらいの人が金を突っ込んでいると断言できる。例えば筆者のいた会社でも二十歳そこそこのネーちゃんが1年分の給料を株式で回しているなんてごくごく当たり前だったのだ。

しかし昨今の中国株の暴落で多くの香港人は過去の代供覧がウソのように頭を抱えるようになってしまい、手持ちの資金の1/3を溶かしてしまった人間なんてのはザラで、筆者の知人の中にはデリバティブでへくって再起不能の借金をこさえてしまい、どこかへ忽然と消えてしまった人もいるのだ。

さて筆者ら夫妻の仲人で女房の叔母ルーシーの旦那であるユン叔父もその一人で、共同経営していたジーンズ会社を数年前に売却した資金がここ1年で半分にまで目減りしてしまい、現在朝から晩までピリピリしていて声もかけられない状態になっているため、アタシは一体どうしたら良いのかしら?とルーシー叔母は女房にスカイプ電話で愚痴をこぼしていたのだ。

しかし筆者は内心ザマアミロ!と叫んでいるのだ。と言うのは筆者が退職したのとちょうど同じタイミングでインチキ総理とイカサマ日銀総裁が日本に登場し、彼らの愚策のせいで筆者の虎の子がみるみる目減りして顔面真っ青になっている時に、ユン叔父とユン叔父の義兄は筆者に向かって「お前はまったく間抜けな奴だよ!」と笑いやがったのだ。





この他人を貶めてから自慢話をするのは香港人が誰にでも良くやる事なので本来なら腹を立てる必要はないのだが、金を失った当事者である筆者にとってはこの嘲笑は神経を逆なでするものであり、さらに彼らが比較的安値で仕込んだ株が毎日グングン上がって大喜びしている様を見るのは大変腹立たしい事であったのだ。

「日本円なんて駄目だ!これからは中国の時代だ!中国株なんだ!」と自信満々で言う二人に送られる形で負け犬の筆者はマニラへと飛び立っていったのだが、1年後に中国・広州で再会した際にも彼らの資産は順調に伸びていて、特にパートナーの義兄は本業である錦鯉の養殖ビジネスでウハウハの状態だったのである。

しかしその翌年に筆者は為替での負けの半分くらいを日本株の取引きで取り返していたので嫌味な香港人二人組とは案外対等に話が出来るようになった。なお中国株が下がり気味になった時期でもあったので株式しか収入の道がないユン叔父はちょっと気弱になっていたのだが、一方の錦鯉の旦那は「たったそれっぽっちの儲けか!」と相変わらず自慢話をし続けたのだ。

この野郎!気に食わないな!と思ったが、この錦鯉の旦那は文化大革命当時に深セン河を泳いで逃げてきた強者であり、裸一貫で露店のジーンズ商を始めてから一時期は従業員2千人の大工場まで育て上げた叩き上げの商売人なので、ひ弱な大卒サラリーマンでもはや会社の看板を持たない筆者などが叶う相手では無いのだ。





ところが、昨日再びルーシー叔母から愚痴の電話がかかって来て「旦那の株がまた下がっちゃってもう大声で喚き散らして・・」なんてお決まりの話となり、筆者は「そりゃ大変だね」「どこかで反転するに決まってるよ」なんて全然心にも思ってない事を返していたのだが、ここでルーシー叔母から正に待ってましたと言わんばかり話が出てきたのだ。

異常気象か工業排水が原因かは判らないが養殖池にいた錦鯉が全部死んでしまったというのである。それも被害額が2500万香港ドル(3.7億円)に達すると言うので、それは幾らなんでも桁を一つ間違えていませんか?と聞き返したのだが、この養殖池は100だか200ヘクタールにも及ぶ巨大な代物で、そこには万単位の錦鯉がいたと言うのだ。

ユン叔父の持っていた株価はこの2年間で半分になってしまい、錦鯉の旦那は金のなる木が全滅して巨額の損失を被ってしまった・・。もちろんこの二人は中国から裸一貫で逃げてきて事業を立ち上げた強者だからこんなことで再起不能にはならないだろうが、還暦のちょっと前の男にとっては相当の打撃であることに違いは無いだろう。

「なんで円なんか持ってたんだ?バカだな」と思いきり落ち込んでいた筆者を茶化していた二人の香港人(もともとは中国・広州人)。本来なら今度は筆者が彼らを笑う番なので今から飛行機に乗って香港に遊びに行きたいがそれは止めておく。他人を笑い者にする人はいつか自分笑われるようになる・・この諺はどうやら真実であることを今回実感したからである。






にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

コメント投稿

  • URL
  • コメント
  • パスワード
  •  管理者にだけ表示

栄枯盛衰ですな 

日本がバブル期で浮かれていた時を思い出すと
不動産屋と銀行が結託して盛り上がっていたけど、バブルが弾けてみたら
ベンツを乗り回していた不動産屋は軽に乗ってるし、銀行も相当無くなった。

株で儲けてた知り合いは、リーマンショック以後は、俺の前で株の話はするなだと、笑
まあ、地道に稼いで質素な暮らしをしている俺には、そんなん関係ねえ~

永年、日本で暮らしているピーナが一言、銭ならん家族にはもう飽きただそうです。

 

熱帯魚や錦鯉、金魚など中国(香港、台湾)は、本場ですね。
日本の家庭より普及していると感じます。

フィリピンもかなりの家で、観賞用に飼育しているような。海水魚も含めて。

トラックバック

http://dadesigna.blog.fc2.com/tb.php/890-85560a3e