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なんか報われないねえ・・

筆者がパッシグに引っ越してから疎遠になってしまったのが元々このアパートの持ち主だった従兄弟ジェン一家である。半年前に勤め先のコールセンターが社長の持ち逃げで倒産してしまい、一文無しどころか借金だけが残ったジェンは住んでいたアパートを筆者に売って、それを元手に女房ジュミの実家で大衆食堂を始めたのだ。

何事も立ち上げ時期は忙しいものだし、おまけにジェンの女房ジュミは身重の身で接客を仕切らなければならないのである。仕事時間以外は家でぐったりしているから筆者の方から声をかけるようなことは控えていたのだが、台風の日にジェンが娘のオレンジ(4歳)と一緒に我が家にひょいと現れた。

おお!店の方はいいのか?と聞いたら、こんな大雨じゃ商売にならないからいいんだよ・・と言うジェン。それでお互い顔を見合わせて以心伝心し、早速ジョニーウォーカーのボトルを取り出して酒の準備を始めることにした。女房もしょうがないわね・・と言った表情で冷蔵庫を開けてツマミの準備に取り掛かる。





ところが・・・、オレンジの様子が変なことに気が付いた。いつものように父親にじゃれ付いたりせずに黙って家の中を見て歩いているのだ。まるで美術館の中の展示品を見て歩いているかのような仕草で、そうか・・ここはオレンジが生まれ育った家だもんな・・と思わず不憫に思えてしまった。

5年前に結婚したジェンとジュミ夫妻はローンを組んでこのアパートを買ったのだが、手持ちのキャッシュがほとんどなかったために銀行ではなく不動産会社から年利18%という高利を組んだのが失敗の始まりだった。この時の契約条件は延滞が2回続けば即差し押さえに遭うという厳しい条件だったのである。

そしてフィリピンじゃ良くある通り女房ジュミの姉が諸問題を起こし続けて持ち金の大半を失ってしまい、一昨年の半ばにはついにローンが張らなくなって差し押さえ寸前に追い詰められてしまったのだが、オレンジのためにも家を失いたくない!と泣きつかれた筆者が当座必要な金を用立てたことでジェン夫妻は難局を乗り越えたのだ。





フィリピンに来てから1年もしないうちに親戚にむしられたか・・・と筆者は呆れてしまったが、ジェンとジュミ夫妻は筆者ら夫妻に対しては大変親切であり、用立てたのも100万円ちょっとと大した金額ではなかったから、まあ返済できなかったら一生恩に着せて運転手がわりに使ってやるか・・と思うことにしたのだ。

ところがそれから2年たった今年の初夏に、ジェンの勤務先が倒産して再び一文無しになってしまい、今度はアパートを買ってくれ!と頼みにきたのである。おいおい・・娘のオレンジのために家だけは失いたくないんじゃなかったのか?と聞くと、女房のジュミが実家を相続したので他に住むところが出来たのだ・・と言うのだ。

人間なんていい加減なもんだな・・と呆れた筆者は結局ジェンのアパートを市価の2割引きで買い叩き、さらにそこから前回の借金の未回収分を差し引いた金額をジェンに渡したのだが(債権は全額回収した)、それから半年余りは親戚の会合で顔を合わせて酒を呑むくらいの付き合いになっていたのである。





木製の大ぶりなタンスをじっと見るオレンジ・・。そう、この小娘はタンスの中に隠れたりして遊んでいたからおそらく懐かしいのに違いない。それで扉を開けて英語(オレンジは英語が出来る)で「中に入ってみたらどうだ?」と話しかけたら、筆者の方を振り向いたオレンジの目つきが何というか憎しみに満ちていたのである。

エッ?と狼狽する筆者。いつもならニコニコ笑って何か返事をするのに、この時のオレンジは明らかに強い拒絶感を示していた。そしてオレンジと筆者との異様な雰囲気を察したジェンはちょっと狼狽えたそぶりを見せた後で何やら店の用事を忘れたのだと言って急に帰ってしまったのである。その時なぜオレンジがああいった反応を示したのかが分かった。

なぜアタシはこの家を出ていかなければならないの?と泣きながら懇願するオレンジに対して、自分たち夫婦が不甲斐ないからだ・・とは言えなかったジェンとジュミ夫妻は筆者が原因であるような説明をしたのだろう。まあ市価より2割買い叩いたとは言え苦境を救ったのも事実。善意が報われないとはこのことである。






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文面からは解りませんが、オレンジちゃんがこの家に住んでいるときに生まれたのなら、オレンジちゃんの生家ですよね。やはり、この家に戻りたいと、心の中では思っているのかも。思い切って、内装を換えれば、幼心を傷つける事はないでしょう。昔の楽しい思い出=今は苦痛な思い出でしょ。

値切って買ったのは、足元を見るフィリピン人も同じですから、余り気にされないように。

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