貧乏臭さを感じる時

筆者は生まれつき宴会好きなため、フィリピンでも事あるごとに酒を呑むのをエンジョイしているが、一つだけこいつは頂けないなぁ・・と思うことがある。それは男たちは必ずと言って良いほど呑む前にたんまりとメシを食う事で、こいつらは食ってる最中は一滴たりとも呑まない徹底ぶりなのである。

オカズ類(=筆者にとってはツマミ)が出揃った後で「じゃあ呑みますか!」とウィスキーの栓を開けたのに、男どもはいやいやキミキミ食事が先だよ・・と言ってご飯の上にオカズを乗っけるや黙々と食い始めるのだ。それで筆者は仕方なく先に一人で呑むのだが、これが何とも味気ないと言うか虚しいのだ。

まあメシを食い終わればグラスを持った男達が一人また一人と寄って来て、結局は普通の呑み会になるのだけど、最初にスカッとかわされた感じはいつまで経っても抜けずイマイチ盛り上がりに欠ける。せめて食いながら呑んでくれれば良いのだけれど、ムシャムシャ飯喰ってる相手には冗談を言う気にもならない。

懐石でも中華料理でもフレンチでも呑みながら食う、あるいは最初に食前酒を呑んでから軽く食い始めるのが食事パターンの基本なのに、フィリピンでは最初の酒一滴が入る前に満腹にしておくのだ。旧宗主国のアメリカでもスペインでも筆者の知る限りこんなマナーは聞いたことがない。

空きっ腹に酒は良くないだろう!アル中にならないためだよ!などとフィリピン人たちは理にかなった様に言うが、世界最強のアル中大国ロシアだってモノ凄い量の前菜は出てくるものの最初から酒を呑みながら食ってるぞ!と言ったらみんな筆者が納得する答えが見つからないのか黙ってしまった。





さて筆者がなぜこんなつまらないことに拘るのか?いや正確にはなぜ呑む前にしっかり食事をするのが嫌いなのか?と言うと、それは今からちょうど30年前、大学サークルに入ったばかりの頃のコンパで、映画を見終わった後で「今から呑みに行く」というからついていったのに、先輩達が入っていったのは立ち食い食堂だった体験から来ているのだ。

あれっ?パブか居酒屋に行くんじゃないんですか?と聞いたところ、4年生の中島という先輩は愚鈍な生物を見る様な目で筆者の顔を覗き、「ここで腹を膨らませてから居酒屋へ行くんだよ。だって居酒屋はツマミは高いじゃないか」と言ったのである。そしてその瞬間に筆者の背中から寒々とした風が通り抜けるのを感じた。

筆者は大学付属高校の出身で、友人達はみんなそこそこ裕福な家庭の出身だから、高校時代にコンパで新宿や吉祥寺に行けば酒と一緒に焼き魚やジャーマンポテト、焼き鳥にピザなどドッサリと頼んでいたのである。だいいちそこそこ小綺麗なパブで腹一杯食ったって五千円がいいとこだから、そんなのバイト代の半日分だけである。

大学に入れば使う金のマルが一桁増えると思っていたら、筆者の目の前に現れたのは居酒屋での出費をケチるために格安のカツ丼や大盛スタミナラーメンを事前にすすっている貧乏な先輩たちだったのだ。その現実を見た時、ウウッ貧乏くさい!いや貧乏そのもの!と心の中で叫ぶ筆者の脳裏にあるメロディーが流れた。

「このリエンポは美味いな」「カルデレータこっちに回してよ」とか言いながら黙々とご飯をかっこむフィリピンの親戚たち。ちょっと離れたテーブルで一人ウィスキーを飲む筆者には30年前の先輩たちの姿が重なって見える。そして何故だかいつもあの渋谷の立ち食い食堂の時同様に物悲しいオカリナの音色が脳裏に流れるのだった。






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高級クラブ・ラウンジに行く前に、居酒屋・パブで飲み食いしてから っていうパターンはあったような。

飢餓恐怖というDNAが刷り込まれているのかも。普通のフィリピン人は。

だから、腹が減れば、落ち着いて飲む気にならない。が正解かも。

 

そんなに極端かなぁ?それってぽにょ家流なんじゃないですか?

こだわりって人人でちがいますね。食い物が先か後かはどうでもいいですが、
俺は『お酌』についてうるさくいいます。

手酌はやっぱりなーんかさびしい。ついで、注がれてがいいなぁ。

そんなストレスためてることないですよ!みんなで生でものみにいきましょう。

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