国民的英雄の隠し子が実は・・

引っ越し作業を終えて義弟と一緒に酒を飲んでいると、テレビ画面にアドルフ・ヒトラーの演説シーンが映し出された。ちょうど第二次大戦が終わった日だったのでどうやらBBCのドキュメンタリー番組からショートフィルムを頂戴して流していたようだ。

と・・義弟が筆者に「アドルフ・ヒトラーの本当の父親が誰か知ってるか?」と聞くので、本当も何もオーストリア郵便局の下っ端役人だろう・・と答えると、義弟は「表向きの記録ではそうなっているけれど、本当はホセ・リサールなんだよ」と真面目な顔をして言った。

ホセ・リサール・・。言わずとしてたフィリピン独立運動の指導者で、スペインに処刑された国民的英雄である。そのリサールがヒトラーの父親だと?バカも休み休み言え!と大笑いしたが、義弟は「俺のカレッジの歴史学の教授がそう言っていたんだ。それにいくつも証拠があるんだよ!」とこれまた真剣な表情でいう。

なんでもヒトラーが生まれる前年にホセ・リサールはヨーロッパにいて、彼の日記だが文学作品にヒトラーの母親との不倫を匂わせる記述があるというのだ。しかし筆者はその時酔っぱらっていたし、だいたいヨーロッパには数億人の人間がいるのだから理由にもなりやしない。それで余りの馬鹿らしさにろくに話も聞かなかった。





さて数日後にまたテレビ画面にヒトラーが映し出されたので、物は試しとJose Rizal Adolf Hitlerとグーグルに打ち込んで検索してみたところ、どうせ義弟の嘘っぱちだと思っていたのになんと幾つかそれらしい記事が出てきたのだ。どうやら一部のフィリピン人はヒトラーの父親はホセ・リサールだと本当に信じている節があるらしい。

それでヒマに任せて記事を片っ端から読んでみたところ、義弟が言ったとおりにホセ・リサールはヨーロッパにいた事と、彼の詩だが文学作品にヒトラーの母親と同じマリア・クララという女性が登場すること「だけ」を根拠にホセ・リサールが父親という説を展開しているのだが、これがちょっと調べただけで穴だらけなのがすぐ分かるのだ。

ヒトラー出生の10か月前にリサールがいたのはロンドンとパリだし、だいいちヒトラーの母親クララ(マリアはつかない)との馴れ初めらしき証拠が全くないばかりか、ホセ・リサールはい生涯一度もオーストリアには立ち寄ったことが無いのだ。

なんともバカバカしい話である。処刑された英雄があまりに可哀そうなので、義経がジンギスカンになったというような話を創作したい気持ちも分かるが、あまりに根拠が無さ過ぎてお話にならない。





さらに呆れたことに、記事にはアドルフ・ヒトラー以外に毛沢東の父親だったという説があると書いてあるのだ。毛沢東が生まれたのは1893年だが、その前年にリサールは半年だけ香港で眼科医を開業していたというのがその根拠(?)なのだが、お前・・、香港から湖南省、それももの凄いど田舎までどれだけ距離があると思ってるんだ?。

どうもフィリピン人はホセ・リサールが行く先々で子供を作り、そして義経の腰掛岩のごとく子供たちがその国の大政治家になったという伝承を作りたいらしい。じゃあほかの国にも伝承があるのだろうな?と思って彼の海外渡航履歴を見てみたところ、なんと1888年に一か月半ほど日本に来ていたことを見つけた。さらにこの時期におせいさんという日本女性と懇ろになったと書いてある。

しかしおせいさんに子供が生まれたという記述はないのだけれども、ドイツや中国と違って日本のリーダーにホセ・リサールの血が流れているという噂話が無いとはちょっと不愉快である。だったらフィリピン人のためにオレが捏造してやろうじゃないか・・と思い、滞在期間の10か月後に生まれた有名人を探ったが、陸軍の石原莞爾中将くらいしかそれらしい人物が見当たらない。

ヒトラーと毛沢東に比べると相当見劣りするな・・。だけど歴史上この二人に肩を並べられる日本人っていうと・・やっぱあの御仁か・・。生まれたのはホセ・リサールの来日から一回りも後だし、リサールはとっくに死んでるんだけど、フィリピン人は細かいことは気にしないからいいだろう。それに色も浅黒いから案外とリアリティを感じてもらえるかもしれない。






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この人誰?ひょっとして、昭和天皇?

明治20年後半から21年前半でこじつけるなら、ブリジストンの石橋正二郎とかトヨタの石田退三なんて同ですか?

世界のトヨタを創ったのは、ホセリサール(爆笑)トヨタはフィリピンの会社だ!

 

いつも楽しく、こちらのブログを読ませていただいております。
さすがに、この流れでこの写真を出すのは不敬すぎるかと・・

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