バランガイキャプテンの憂鬱

フィリピンの行政システムの特徴にバランガイという最小の自治単位がある。これは日本でいうと東京都中野区本町2丁目自治会とか、光が丘のような大規模団地だったら11棟~15棟合同自治会といったものだが、日本と違うのはバランガイには市町村のような行政機能が付与されていて、公式な選挙で選ばれたキャプテンと7人のカウンシラー(評議員)で運営されているのだ。

さて筆者の義父は数年前にリサール州の田舎にあるバランガイ選挙に出て落選したことがあるのだが、1年近くたってから「あの時落ちてよかったよ・・」と言うようになったらしい。なぜなら義父に代わって当選したキャプテンの所には入れ代わり立ち代わり村民が金をたかりに来るようになってしまい、彼はちょっと鬱病のような状態になっていたからである。

この金をたかるというのは「道の工事を俺の一族でやらせてくれ」というような陳情ならまだしも、生理用ナプキンを買う金がないから恵んでくれ!とか、ウチのガス代をアンタが毎月代わりに払え!といったとんでもなくずうずうしい要求で、キャプテンが毅然と断ると「もうアンタには投票してやらない!」と喚きだし、さらに「キャプテンは○○さんの奥さんと不倫している」など悪意ある噂を流されているというのだ。





もともとこのキャプテンは政治的野心がそれほど強い方ではなく、地元の有力者に推薦されてなんとなく出馬したような男なので、権力を金に換える術はそれほど得意ではないらしい。それで地元民が入れ代わり立ち代わり家に表れてただ飯をたかる様なことをされても黙々とキャプテンとしての実務をこなしてきたが、もはや精神的な苦痛に耐えられないからと来年の選挙には出馬しないと言い出したというのだ。

何期か務めたキャプテンが辞める・・。それでバランガイ内では来年行われる選挙で誰がキャプテンになるかを巡ってせめぎあいが始まりつつあるというのだが、なんと7人のカウンシラー(評議員)の候補として義弟を推す声が近所で上がっているというのである。どうも義父の復讐戦をけしかける勢力がいるらしい。

「お前選挙に出るつもりなのか?」と義弟に聞くと、冗談じゃない!あんな面倒な仕事はうんざりだよ!というが、そのあと酒を飲むと「男と生まれかからには~」と満更でもなさそうな調子で最近のバランガイの行政能力の弱さを説明する。どうやらコイツは出る気だな・・。まあキャプテンじゃなければそれほどタカリも来ないのだろう。






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