北陸の忌まわしい話(1)

2015/05/26 01:06:02 | オカルト系 | コメント:0件

筆者の学生時代の友人にイチイくん(櫟と書く)といういつも不気味な話ばかりする男がいた。彼とは今から30年前の新歓コンパで初めて出会ったのだが、彼はこの席で故郷の富山県にある飛び降り自殺が連発するマンションや、京都の駿台予備校寮での恐怖の一夜など筆者の大好きなオカルト話題を数多く披露し、一同ドン引きさせたツワモノである。

彼の話にすっかり魅了された筆者は以後彼とは親しく交際し、彼の祖父が亡くなる前に経験した不気味なお迎え話などの恐怖話をいつも聞かせてもらったのだが、今日の日記では筆者がイチイくんから聞いた話のなかでも怖いと言うより嫌な話について書きたいと思う。

イチイくんがまだ小学校低学年の時、つまり今から40年ほど前のことである。母親の遠縁にあたる高校生がバイク事故で死んだというので、一家そろって石川県との県境(もしくは石川県に入ったあたり)にある山奥の村まで葬式に参列したのだが、焼き場の待合室にいる時にちょっとした異変が起こった。





隣の部屋から男たちの物凄い怒鳴り声があたりに響き渡ったと言うのである。残念ながらイチイくんは小さかったので話の内容は良くわからなかったのだが、別室に居るのは死んだ高校生の両親と焼き場に突然現れた両親の知り合いらしき初老の男であることは知っていた。

イチイくんには一体何を揉めているのかは判らなかったが、しかし同じ待合室にいる大人たちが苦々しげな表情をしながら「○○○○○○」という単語が混ざった悪態を囁いていたのは覚えていた。なお丸文字にした理由はイチイくんが何といったのか失念してしまったからなのだが、たしかアンポンタンとかマンキンタンというような「ン」が3つか4つ連続する単語だったと思う。

葬式からの帰り際にイチイくんが両親に○○○○○○とは何なの?と尋ねたところ、両親はちょっと嫌な顔をした後で「さあ、なんだろうね?」ととぼけられてしまうのだが、その時の何とも困惑した雰囲気から○○○○○○の事を聞くのは禁忌に触れるような気がしたために、以後その件は心に封じ込めて占めてしまったらしい。





さてそれから数年後のことである。イチイくんは富山県の進学校に進んだのだが、その時にJ君と言う級友と出会うことになった。この高校の大部分の学生は平野部の住人ばかりなのだが、J君だけは石川県との県境(もしくは石川県内)にある山奥の村から越境入学で進学していたのだ。

J君の出身中学の名前を聞いた時に「アッ!あの死んだ高校生が死んだ村だ」とイチイくんは思い当たったそうである。それで何気なく会話をしていたある時に、自分が子供の頃に経験した葬儀での口論の話と○○○○○○という単語を言ったところ、このJ君も昔イチイクンの両親がしたように思い切り気まずい表情をしたそうだ。

明らかに知っている素振りを見せているのに知らないふりをするJ君の態度に痺れを切らしたイチイくんは、得意のコブラツイストだかキャメルクラッチを仕掛けて遂にJ君の口を割らせることに成功したのだが、その答えを聞いた時に何故みんなが嫌な顔をしたのかはっきりと分かった。(続く)






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