とことんデタラメなTINナンバー申請

従兄弟のアパートの買い取り手続のため不動産屋に出向いたのだが、名義変更(住宅ローンの債務の移転と一括支払いによる所有権の移転の同時作業)をするためにTINナンバーがどうしても必要だと相手が言いだした。このTIN(Taxpayer Identification Number)というのは納税者番号のことでフィリピンの税務署(BIR)が発行するカードに記載されているのだ。

おいおい!アパートは女房名義なんだから俺は関係ないだろ!と文句を言ったのだが、いえいえ!奥様はアナタと共同名義にするとおっしゃってます!もうその内容で書類を作成していますけど!と筆者が全然知らなかったことを言い出した。せっかくのお心使いは有難いが、筆者はフィリピンで1ペソの収入も無いから納税番号なんてハナから無いのである。

ところが従兄弟と女房は「大丈夫!シティホール(市役所)に行けば何とかなるよ!」と言う。市役所と税務署は別物だと思うんだが・・?と思ったが、まあ同じ建物内にあるのかもしれない。しかし筆者は慎重な性格の持ち主で、フィリピンの税務システムのことも知らないのに大蛇やワニが潜む危険地帯へノコノコ出かけていくのは正直気が重かった。

さて車に乗って10分経つと「ブラザー着いたぞ!」と従兄弟が声をかけて来たが、目の前にあるのは〇〇〇〇市の市役所・・。ちょっと待て・・。ふつう税務署に行くと言ったら居住地、つまり俺の場合はリサール州の役所だろうが・・。それが何で購入するアパートの所在地である〇〇〇〇市の役所に来るんだ?!





ところが従兄弟は「ブラザーは〇〇〇〇市に住んでる事にすればいいんだよ」と呆れたような事を言う。お前なあ・・俺の外国人登録証(ACRカード)とポスタルカードはリサール州の住所が記載されてるんだ!と諭したが、大丈夫!移民局と郵便局は税務署とは全く違う役所だから!と分かった様で分からない説明をする。

さて受付に指示された窓口に行くと、そこに座って居た堅物そうなジジイは筆者の方をジロリと見るなり「アナタは労働許可証を持っていますか?」と言い出した。筆者のビザは結婚ビザなのでフィリピンで労働は可能なのだが、その場合は労働省に出向いて外国人労働許可証(AEP)を申請しなければならないのだ。そして筆者が首を振るや個人事業主の納税ナントカ申請書というのを差し出し「ここに書き込め!」と言い始める。

しかし役所がそう言ったから・・という理由で書類にサインなどしたら後で訳のわからない納税要求が来るかもしれない。だいいちTINナンバーが欲しくてやって来たのに、このナントカ申請書にはTINナンバーを記入せい!と書いてあるから本末転倒な気もするが・・。いずれにせよ自分の頭のなかに十分な知識が無いので先に進む気にはならない。

それに従兄弟もなんか変な話になったな・・と思っているらしくジジイに対しては及び腰である。それで今日は引き揚げようぜ!と言うと、従兄弟も黙って筆者についてきた。だから最初から女房一人の名義にすれば良いのである。それにアパートが転売できたとしても儲けは全部女房が持っていって筆者には1ペソだって入ってこないだろうに・・。





さて駐車場に行くのかな・・と思ったのだが、従兄弟は「ブラザーちょっと俺についてきてくれ」と言ってスタスタと隣のビルに歩いて行った。そして机とパソコンがズラリと並んだ狭苦しい小部屋に入っていくなり子供の頃テレビドラマでよく見た冨士眞奈美そっくりのオバちゃんにナントカウントカァ!と話しかけ始める。やがて1分後にオバちゃんは筆者の方を向いて「ココに名前と住所、誕生日を書き込んでね」と言ってメモ帳を出してきた。

な・・何なのこのオバちゃんは?と聞くとノータリー(公証人)だと言う。それで言われた通りに記入すると「じゃあ明日TINカードが出来るわよ」と言って、従兄弟にトゥーフィフティーと言った。ちょっと待て!偽物を作るのか?と聞くと、このオバちゃんはムッとした顔で「違うわよ!本物のTINカードよ!ナンバーも全部本物なの!」を念を押すように言う。

フィリピンに住まれた事がある方ならもうお分かりと思うが、つまりややこしい事をぬかす窓口など通さずにTINカードを作成している税務署職員にショートカットで頼むのである。さしづめ日本で言えば、みどりの窓口なんか並ばずに豪華寝台特急カシオペアの車掌に頼み込んで寝台を押さえてもらうのと同じだ。

「だったらアタシも頼もうかしら!TINカードだけはまだ日本の名字にして無かったのよ!」と言い出した女房。なんでも一昨年リサール州の税務署に行ったら婚姻証明書や出生証明書、さらに過去の納税証明や香港の労働契約書など山のように書類を要求され、すっかり嫌気がさして途中で帰ってきてしまったというのだ。





しかしである・・。税務署の行列に並べば両親や配偶者の情報などあらゆる書類を要求される筈なのに、このオバちゃんが筆者に聞いたのは名前と住所、誕生日の3つだけ・・。それにそもそも管轄地域が違うのだから「俺が住んでるのはリサール州なので○○○○市では登録できないのでは?」と聞いたところ、「ああ!それはここの職員は国税庁本部のホストコンピューターにアクセスできるから大丈夫なのよ」と変な事を言う。

しかしコンピューターに登録する以上、個人データの入力が必要なはず。それで外国人登録証のコピーとか番号、国籍とかは要らないんですか?と聞くと、このオバちゃんは「そんなものTINカードには書いてないんだから要るわけないじゃない!」とドラマの冨士眞奈美そのものの小煩いPTA会長の口調で叱りつけてくる。

だけど・・それなら税務署のデータ上は俺の性別さえも入力されて無いって事ですか?と聞くと、呆れたことに「そうよ!」と答えた。さらに「それから出来上がったカードの写真の部分は空欄になってるから写真は自分で張ってね!」という驚愕の一言が・・。

こうして500ペソ受け取った冨士眞奈美は意気揚々と自分のオフィスへ戻っていく。そして従兄弟が「彼女は女房の実家の隣でずっと美容師をやってたんだけど、一昨年に公証人やってた旦那が亡くなってね。それで旦那の公証人資格はのまま残して彼女が事務所を継いだんだよ!」と言うのを聞いた時に、筆者は深い霧の中にひとり呆然と佇んでいる気分になった。






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TINは信用度低いので、そんなもんですよ。
ウェスタンユニオンでも、TINは最下の受取額になっています。

正直いいまして、TINはどんな名前でも作れます。身分証明は一切要りません。

明日できましたら、適当にあまっている顔写真を「御自身で」貼り付けて、これまたその辺の写真屋にいき、「御自身で」ラミネートしてもらえば出来上がりです。

名前も写真も、どうとでも出来てしまうのがフィリピン納税者証明カードです。私たち外国人ではなく、フィリピン人自身が問題に思い、正しい発行手順を守るようにしなければ、いつまでもフィリピンが馬鹿にされてしまうと思うのですが如何でしょうか...

 

小生も結婚する時にここに義母に住めともらったgreen hils近くの家の登録時に弁護士と行った時に
同じでした。外国人店子ように改装した費用を全部払いましたが賃貸収入は女房がマニラに行った時用雑資金です 苦笑

TINはそれなりのIDだと思うのですが昨年無理やり頼まれ行った時に貰ったPWDのIDのほうが信用されました。

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