ドケチなイギリス人

女房の母方の親戚には2人の外国人の入婿がいる。一人は筆者でもう一人はボウイ叔父の娘ティナイの夫ボブである。ボブは50歳半ばを過ぎたイギリス人で、ドバイで業務コンサルタントをしていた時にレストランで働いていたティナイと出会って結婚、それからバンコク、ヒューストンと二人は移り住み、数年前からはスペインのマラガというリゾート地に定住している。

さてこのボブだが実は親戚一同の評判はかなり芳しくなく、とくにその金に対するセコさについては筆者も色々と聞いていた。曰くバンコクの炎天下の最中に40バーツのタクシー代を払うのが惜しくて親戚一同2時間以上も歩かされたとか、結婚祝いのためフィリピンに戻って宴会を催したのだが、いざ会計の段になってボブとティナイは会場から逃げ出してしまい、結局招待客たちは割り勘にさせられたといったエピソードである。

筆者もイギリス人とは商売上付き合いがあって、特にスコットランド人の金銭感覚のシワさには何度も苦渋を舐めさせられたが、ボブは世界中の大企業相手に渡り歩くコンサルタントであり、マラガでは何隻ものヨットを購入して観光客向けにレンタルしている位だから食い逃げするほど貧乏なはずがない。それで親戚連中はボブの吝嗇さを大げさに言っているのだと思っていたのだ。

ところが今年1月にボブとティナイがマニラに来た際に(初対面である)筆者はこの噂は本当なのでは・・と思う出来事にぶつかった。ボブの手土産はイタリア産のなんとかロートシルトという赤ワイン一本だけで、しかもこの紛い物も自分一人だけで飲んでしまい、さらにその後は筆者が持ち込んだジョニ黒を遠慮なくガブガブ飲むなど栄えある大英帝国の国民らしいケチさを発揮していたのだが、筆者の目を引いたのは別のエピソードだった。

その日レンタルした家の代金を計算をしている時にティナイが現れ、チラッとボブの方を顧みた後でシャツのボタンをサササッと素早く開け、ブラジャーの中から小さく折り畳んだ100ユーロ札を出したのである。もう一度言うが財布からでもポケットからでもなくブラジャーである。そのしぐさが地下鉄で財布を抜き取るスリとか売上の一部をサッと別の箱に入れる脱税商店主みたいに実に手慣れた感じがしたのだ。





「ティナイの妹のアダが脳出血で倒れて昏睡状態だった時に、ボブは何日か後の飛行機の方が数%安いからと言って中々費用を渡さなかったのよ。ティナイだけがアダの死に目に逢えなかったのはボブがケチだからよ!」と数年前に女房から聞いた時には正直信じられなかったが、ティナイのカネを隠す手際の良さを見せつけられた時に飛行機代値切り事件は本当だったのだ・・と確信した。

さて先月ボウイ叔父が腎臓不全で倒れた時はボブとティナイはフィリピンからニュージーランドに遊びに行っていて(ケチだけど毎年2か月の旅に出る)、どうもボウイ叔父は死にかけている!と勘違いしたためか急きょ二人してフィリピンに戻ってきたのだが、つい昨日ボブとティナイがスペインに突然と戻ったという話を聞いた。結局1か月いたのだが一度も会わなかったのだ。

従姉妹フィリンの話だと、スペインのヨットビジネスのパートナーが契約を切る!と言い出したため、売掛金の回収と代わりのパートナー探しのために帰国せざるを得なくなったというのだが、ティナイからコソッと聞いた話ではボブはスペイン人のパートナーに微々たるコミッションしか与えなかったため三行半を突きつけられたらしい・・という如何にもイギリス人らしい話だった。

さてフィリンと笑いながらボブのケチさについて話していると、女房が「アンタ笑ってる場合じゃ無いわよ」と言う。なんだよ・・、ウチも被害にでもあったのか?と聞くと、なんとボブとティナイが1か月間住んでいた病院近くの短期賃貸マンションは女房がクレジットカードでギャランティーしていたのだが、どうもボブは大家に家賃の一部しか払わずに帰国したらしいと言うのである。

「支払いを忘れたというなら分かるけど、なんで一部しか払わないのかしら!」と取り乱す女房。どうやらイギリス人得意の値切りらしい・・。それで筆者がボブとの交渉を押し付けられたのだが、まったくイギリス人と言うのは抜け目のない国民だと呆れてしまった。まあ大英帝国はその昔南アフリカ、中東、インドを紳士面しながらヌケヌケと盗んできたのだから、お国柄とでもいうべきか実にイギリス人らしい話なんだけどね・・。






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