モーレツ扇風機

香港時代に買った東芝製の扇風機が壊れてしまったので、女房に命じて近所のスーパーに新品を買わせに行った。日本にいる方は何で今の時代に扇風機なんて・・?と思うかもしれないが、電気料金が日本並みに高いフィリピンでは扇風機は今でも冷をとるための主力手段なのである。

さて女房が買ってきたのは480ペソ(1300円)の中国製の扇風機であった。香港では似たような製品が1000円以下で買えるからちょっと高いな・・と思ったが、フィリピンは電気製品に限らず何でも輸入する国だから仕方が無い。それで箱からキットを取り出して組み立てした後で早速スイッチの風力レベル1番というのを試してみた。

ブオーン!ブオーンオンオン!!。もの凄い風力である。今まで数多くの扇風機を購入してきたが、こんな強力なのは初めてだ。なるほど・・このレベル1というのは「強」という意味らしい。雨季に洗濯モノを乾かすのには最適のようだが寝ている時にはこれは幾らなんでも強すぎるな・・と思い、今度はスイッチを2に切り替えてみた。

ブオーン!ブブブブオーーン!!。なんとレベル1よりも更に強風になっている。ちょっと待てよ・・。スイッチは0、1、2、3と4種類しかなくて1よりも2の方が風が強い。ということは3は・・と思って更にスイッチを切り替えると、まるでヘリコプターの回転翼の真下にいるのでは・・と思うほどの猛烈な風とギイーンッという音が部屋中に鳴り響いた。

それで「お前!ダメだよ!この扇風機は!」と女房に抗議したのだが、女房は「何で?」と不思議そうな顔をしている。何でって・・、こんな強風に当たったら風邪ひいちまうだろうが!と言って目の前でスイッチを捻ってみたのだが、なんと女房は別段驚く事も無く「風が強い方がいいじゃないの」と言うだけである。





お前は何を言ってるんだ・・と筆者は不思議に思ったが、女房の話を聞いている内に扇風機に対する価値観が筆者と女房では大きく違っていることが分かってきた。筆者の場合は冷をとる手段はあくまでもエアコンが主役であり、扇風機はエアコンの補助品として心地良いそよ風程度の風を送ってくれれば良いだけなのだ。

ところが女房にとって扇風機はエアコン以上に主力選手であり、特に4~6月の猛暑を乗り切るためには5メートル先まで強風が届くくらいが良い!という考えなのである。なるほど・・、大家族が川の様に寝そべっているフィリピンならではの考えである。一緒に生活してから18年経つが、今初めて電気製品への価値観の違いに気付いた。

「これだけ強力な扇風機なら夜はエアコンをつけなくても大丈夫よ!」と自信ありげに言う女房。フィリピンの電気料金が高い高いと今まで散々ぼやいていたから、エアコン代わりにきっとスーパーでいちばん強力な扇風機を買ってきたに違いない。しかし筆者も円安のせいで家に入れる金が目減りしているから文句は言いにくい・・。

それで早速この扇風機だけの夜というのを過ごしてみたのだが、眠りについてから2時間ほどして目が覚めてしまった。どうも強風で体温を奪われたらしく咽喉の奥がチクチクと痛む。こりゃ風邪をひきかねないな・と思い、扇風機の角度を上に向けて天井に風が当たるようにしたところ、まるで北アルプスでビバークしているのでは・・と思うほど部屋中に風がビュービュー吹き荒れている。

翌朝「どう!この扇風機いいでしょ!」と女房はすっきり目覚めた顔で言うが、こっちは悪寒はするし咽喉は痛むわで散々な状態である。それで筆者は女房に苦言を呈したところ、なんと女房の口から「だったら寝ている時に毛布を2枚重ねてかぶればいいじゃないの」と唖然とするような答えが・・。何だかお互いの物差しが余りにズレていて、どこから説明したらいいのか分からなくなってきた・・。






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そして、一ヶ月して、大気の汚さに呆れる(定番)
そして、一年くらいしたら壊れる。(定番)
そして、壊れた扇風機を貰っていいかと親戚に聞かれる(定番)

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