フィリピンに来ると全く意味が違ってしまう謎の団体

2015/02/27 01:05:14 | フィリピン雑学帳 | コメント:1件

先日義父の70歳のお祝いでリサール州のド田舎に出向いた時の話である。夜半ウィスキーグラスを片手に集まった従兄弟や近所の住民とダラダラ話していると、そこに居た一人の男の話からフラタニティという意外な単語が聞き取れた。

映画「アニマル・ハウス」をご覧になった方ならご存知と思うが、フラタニティとはアメリカの大学生のうち優等生だけで構成されたサークルのことである。これは誰でも入会できるグループでなく、成績がトップ15%以内であるとか社会奉仕活動の有無などのハードルが設けられていて、入会に当たっては各フラタニティごとに奇妙な儀式が執り行われることで知られている。

へえ・・フィリピンにもフラタニティがあるのか・・。確かにフィリピンはアメリカの植民地だったからなぁ・、と思っていたが、この目の前にいる中年の男は英語もロクに喋れないし、それにどう見ても選良と言う顔付きではない。それでこの男に「キミのフラタニティはどういう儀式を行うのか?」と聞いて見たところ、通訳を通して「角材で100回叩かれる」という答えが返ってきた。

まるで一昔前の暴走族のような儀式である。驚いた筆者はこの男に向かって「じゃあ入会の条件はどうなってるんだ?」と聞いたら、この男はキョトンとした顔をして「角材100回」と同じ答えを返してくる。いやそうじゃなくて学業とかさ!と聞き返したのだが、この男は愚鈍そのものと言った顔つきで筆者の顔を見るばかりである。





そこへ義弟フランシスの従兄弟ジョマールが助け舟を出してきた。つまり入会条件は角材100回の痛みに耐えられるという意味で、入会条件と儀式が一体化していると言うのである。じゃあ大学の成績は関係ないのか?とジョマールに聞くと、ジョマールはハァ?という表情をした後「こいつは大学どころか高校も言ってないよ」と答えた。

その後何回か会話のやり取りをして分かったのは、フィリピンでフラタニティ(別名ブラザーフッド)とは各地域の不良グループの事を指していたのである。ただし不良と言っても誰でも入れるわけでは無く、その中でも腕っぷしと根性が座っていて、なおかつ仲間から信頼されそうな人間だけが選ばれるというのだ。

つまり日本で言うと地元のヤクザか・・と思った筆者は、各フラタニティーは何を収入減にしているのか?と聞いて見たところ(もちろん麻薬密売や強盗窃盗という答えを期待した)、意外にもフラタニティーとしての収入は無くて、各メンバーはそれぞれ別々の仕事をしているのだそうだ。

何だか変な話である。中学生じゃあるまいし大の大人が徒党を組むのは何らかの共通利益があるからだ。まあ外国人には本当の事を言えないのかもしれないが、通訳してくれたジョマールの話では、なんとかスプートニクやギャング団とフラタニティは全くの別物なのだそうだ。





それで「じゃあお前たちは一体何のために徒党を組んでるんだ?」と聞いて見たところ、メンバーの男は急にイキイキした表情でボクシングの格好をした。つまり喧嘩だというのだ。喧嘩って・・相手は誰?と聞くと、隣町のフラタニティだという。それは何でか?と聞くと、自分たちのメンバーがちょっかいを出されたからだ!という答えだった。

つまりフィリピンのフラタニティは日本で言えば立川二中vs昭和中学とか、国士舘高校と朝鮮高校のような縄張り争いを目的とした団体だったのだ。しかしこの男はどう若く見ても30代後半である。それで日本の暴走族みたいに20歳になったら卒業というのは無いのか?と聞いてみたら、一度入会したら死ぬまで辞められないのだと言う。

メンバーが敵対勢力にやられたら、すぐさま駆けつけるのが俺たちの掟なんだ!と誇り高そうに言う男。もちろん喧嘩の際には素手ではなくてナイフや斧、拳銃やライフルなどが登場すると言う。じゃあ死人が出るじゃないか!と言うと、ここ数年は誰も死んではいないが刺されて病院に担ぎ込まれるのは日常茶飯事なのだそうだ。

あんた60歳になってもこんな生活続けんのか?と言いたくなったが、この男は何だか「俺は陸軍○×師団の兵士として□△戦線で戦ったんだ!」みたいな誇りに溢れた表情をしている・・。その時頭に浮かんだのは、とりあえずフィリピンで喧嘩するのは絶対にやめておこう・という言葉。下手すると価値観が宇宙の彼方へ飛んじゃった全身刺青の連中がたちまち現れて血祭りにされてしまう・・。






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コメント

2015/02/27(金) 03:05:09 | URL | hanep #-
おお!!(膝ポーン)
私も同じ話を聞きました。現実離れした話だったので、「自分の語学力もまだまだだな」と思っていたのですが、間違っていなかったことが分かり、なんだかスッキリしましたよ。
私んところは素手でしたけど。とんでもない文化ですよ、これは...そのうち無くなるとは思いますが...

100回というのも同じだし、これってフィリピンの男性は、割合経験しているんじゃないでしょうか?

ビサヤ、ミンダナオではどうなんでしょうかね?地域ごとに儀式も違うんでしょうか。

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