健康マニアの中国税関幹部(2)

10年ほどに開かれた広州市○×区の税関職員50人を招いての食事会はいつもの様に大荒れであった。昨日の日記に書いた通りここの職員は他の区とは違って大酒呑みが多い上に意地汚い連中が揃っているのだが、それはここのチーフであるパン(膨)という豚の様な男の性格に起因していた。

このパンは○×区の税関幹部の一人であちこちから年間ウン億円の裏金を貰っていたが、部下には微々たる金額しか回さず大部分を自分の懐に入れていたのである。よって部下たちは自分が本来享受すべき利益を宴会の場で取り戻そうとヤケになって飲み食いするのが常だったのだ。

XOブランデーのラッパ飲みに料理の相次ぐ追加オーダー。はっきり言ってヤケクソの飲み会である。こっちは密輸を見逃してもらう身だから文句は言えないが、こいつらは限界まで飲み食いした後で今度は女を抱かせろ!と喚きだすので、その日筆者は相当額の出費を覚悟しなければならなかった。





ところがこの場に一人静かに佇んでいる男がいるのに気が付いた。一番良いテーブルに座っているからチーフでは無いが幹部の一人であることは間違いないが初顔である。年齢は30歳くらいだが上物のダークグレーのスーツに身を包み、他の連中と違って体全体から理知的な匂いがする。

それでこのダークグレーのスーツの男に声をかけたのだが、何とこの男は実に流暢な英語を喋るので驚いてしまった。税関職員などは北京語と生まれ故郷の方言しか話せないのが普通だが、この男は外資系企業のマネージャーばりの淀みない英語使いなのだ。

それでこの男はけっこう高い教育を受けたに違いない!と思い込んだ筆者は「アナタは北京大学か復旦大学の出身か?」と尋ねたところ、周は「いえ、私は北京の党学校で学んだのです」と答えた。つまり別の意味で中国の正真正銘のエリートだったのである。





周に税関で役職を聞いたところ、正式なタイトルは豚のパンの部下の一人なのだと言っていたが、どうやら北京の本庁から送り込まれた監視役であることは明らかだった。それでコイツの前では迂闊なことは話せないな・・と気を引き締めたのだが、案に相違して周が聞いてきたのは日本型のマネジメントの限界など実にアカデミックな話題である。

筆者もこの手の話題には嫌いではないし、なにより周と一緒にいると他の税関の連中が寄ってきて「俺と乾杯しろ!」などとは言われないので大いに助かったのだが、筆者はこの男が税関の他の連中とは肌が合わないだろーなーという気がしてきたのだ。

それに周は筆者と一緒にいるときはグラスに注がれた赤ワインを一滴も飲まないのである。もちろん彼は最初の1時間は豚のパンと一緒にあちこちのテーブルで乾杯をしていたから下戸では無さそうだ。そして小難しい話が一段落した後で周は騒いでいる連中を見ながらこっそりと「アナタは彼らが自ら死を選んでいるとは思いませんか?」と質問をしてきたのだ。






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この日記、香港--シンセン の税関通る度に思い出しそう..

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