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不思議なインド人ビジネス(2)

2015/02/16 01:07:20 | 人間万華鏡 | コメント:1件

目の前にあるもの・・それは間口3mも無い薄汚い商店だったのだ。店頭には数人のはしこそうな売り子が陣取っていて、後ろにはデジカメの箱が山の様に積まれており、奥ではランニング姿のインド人のオヤジが電話に向かってワアワアガアガア喚いている。これが年間20億人を扱う第1次卸だって・・、まるで駅前の焼き鳥屋といった風情じゃないか・・。

そしてランニングのオヤジが最近の販売動向について説明し始めのだが、ここでまた違和感に襲われた。彼の話の中にはテヘランとかバグダッドが・・といった最終消費地の話があんまり(というかほとんど)出てこないのだ・・。なんか変だなあ・・と思ったが、多分このオヤジは目の前で発生している現象しか説明できないのだ・・と思い、礼を言ってその場を辞すことにした。

ところがINDIGIの番頭が「では2番目に大きい代理店に行く」というので黙ってついて行ったら、なんと道を挟んだ向こう側、つまり歩いて1分以内の所にいるのである。この後3番目の代理店にも行ったのだが、西はウィーン、北はモスクワ、東はダッカ、南はナイロビにまで販売ネットワークを広げたINDIGIの第1次卸は何とグローバルな市場とは正反対にドバイの半径100メートル以内に3軒ともひしめいているのだ・・。

例えば皆さんがオリンパスのデジカメ事業部海外営業部長だったとしよう。海外支店もしくは第1次卸をどこに構えるか?を言われればニューヨーク、ロンドン、香港、ドバイなど最大規模の消費地かつ出来るだけ五大陸で一番ビジネス上の利便性の高い都市の名をあげるだろう。またシカゴ、ミラノとかウィーン、サンパウロ、バンコクと言った中規模の市場にいる大手顧客向け販売はこれら支店が直接取引をするが、中小規模の顧客相手には現地に代理店を作るか採算が取れる場合のみ自前の出張所を作るはずである。

支店にせよ第一次代理店にせよ最初の一歩は思い切り遠くに作り、その後は出来るだけ中間にいる存在を省きながら小売と直結するのが商売の常識である。ところがINDIGI社の場合、地表の1/4もの巨大な面積を市場にしているというのに最初の一歩は何と100メートル先と異常なほど短く、後述の通り最終消費者との間にいる中間的な人間を省くという常識からも逸脱しているのだ。





なんと第二次卸は海外にいることはいるが、なんと半分以上はこれまた100メートル以内にいるのである。ただしここでイランに強い○Xトレーディングとかカザフスタンなど「タン」が付く国に強い■○エンタープライズといった国名がやっと登場するのだが、しつこいようだがこいつらはあくまでドバイの会社であり、この連中がやっとサウジアラビアのジェッダにいる第三次卸(これもインド人である)に輸出(正確には密輸)するのだ。

ところがである・・。やっと1次卸、2次卸と二人の手を経たデジカメもここで3次卸の手からやっと小売店に行くのかな・・と思ったら、ここから同じジェッダの第4次卸(何度聞いても存在理由が分からなかった)に転売され、そしてサウジの地方都市にいる第5次卸を経てやっと小売店へと陳列され、遂に消費者に売られるのだ。

ちょっと話がややこしくなったので整理しよう。つまりデジカメがメーカーから消費者に渡るまで何人登場するのか?という話である。例えば日本だったら①ニコン→②ヨドバシカメラ→③アナタ・・と登場するのは3人である。しかしヨドバシではなく地方の個人経営のカメラ屋から購入するなら①と②の間に佐藤三郎電器貿易株式会社なんて地方代理店と釧路金芳堂カメラ店なんて店が入る場合もあるからこの場合は4人となる。

ところがINDIGI社の場合は①生産委託先中国工場→②ドバイINDIGI社→③ドバイ1次代理店→④ドバイ2次代理店→⑤ジェッダ代理店→⑥別のジェッダ代理店→⑦地方都市の代理店→⑧地方都市の小売店→⑨アナタ、と9人も登場するのである。そして①から⑤までは全員インド人で、⑥か⑦当たりになってやっとペルシャ人とかエジプト人なんかが登場し始めるのだ。

こんなに多くの登場人物が居ては絶対に利益が出るはずが無い・・。だいいち競合他社が中間を省いたサプライチェーンを築いたら(もうとっくに築いているのだろうが・・)太刀打ちできないではないか・・。それでINDIGI社の番頭に対して、失礼な事を言うがアナタの会社は構造的な問題を抱えているではないか?と率直に意見を申し上げたところ、この番頭は筆者の目をジッと見て驚くような答えを言った。(続く)





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コメント

2015/02/16(月) 21:24:19 | URL | 海外出稼ぎKabayan #-
いつも楽しく読ませていただいています。私も中東に海外赴任中なので、ドバイの様子や、出稼ぎ中のPhilipine人たちの様子が良く分かります。インド人ビジネスの次のお話が楽しみです。

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