スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日本史の本質を突く青い目のインテリ

今から15年ほど前の話である。当時筆者はアメリカの大手顧客の営業担当をしていて、その会社の上級副社長と技術担当役員二人を日本の本社へと連れて行き、戦略的なパートナーシップ締結に向けて第一回目の打ち合わせを行ったのだが、その晩は地元でも有名な高級料亭で懐石料理に舌鼓を打つことになった。

日本の本社がある町には割と名の知られた神社があって、その言い伝えによると平安時代の初期に東北征伐へと向かう大和朝廷の軍司令官が移動の途中でこの地に立ち寄り、もしも蝦夷との戦争に勝ったら神社を建てるとその地の神に約束をし、そして本当に戦争に勝ったためこの神社が創建され、その後1000年以上に渡ってこの約束に関わる奇祭が続いているのだ・・という話を我が社の役員(ここでは蛸山常務と仮称する)が滔々と説明し始めた。

向かいの席に座るアメリカ人二人はこの話をフムフムと興味深げに聞いていたのだが、話が1000年続く奇祭のあたりになると表情があからさまに変わり始めた。そして場の雰囲気が変わったことを察した蛸山常務は会話を一旦中断し「どうかしましたか?」とアメリカ人に聞いてみたところ、このアメリカ人のうち年長者のゲイリー副社長は無礼の無いように言葉を選びながらも「そのストーリーには無理があるのではないか?」と言い出したのだ。

ちなみにこの二人はそれぞれシカゴ大学とノースウエスタン大学の大学院で博士号を取得したビジネスエリートなのだが、ゲイリー副社長は大学院に進む前の4年間は少数精鋭の教育で知られるリベラルアーツ系大学で学んでいる。これは日本の東大や京大なんか比較にならないほど幅広く徹底的に勉強してきたという意味で(戦前の旧制一高や三高と思えばよい)、例え門外漢の分野であっても、その本質を見抜くいくつも鍵を頭の中に持っているのである。

ゲイリー副社長の突然の質問にドギマギする蛸山常務。この人は一応東工大の修士課程を修了しているが、大学時代に学んだのは機械工学と山登りだけらしく、リベラルアーツ(一般教養)の方は筆者から見ても相当見劣りがする・・。しかしゲイリー副社長は「蛸山は日本の大企業の役員なのだから自分と同じくらい教育を受けているのに違いない」という前提で知的な質問を続けていく・・。





ゲイリー副社長曰く、神社設立はともかく、遠征の途中で立ち寄っただけで戦争の勝敗とは直接関係が無いこの地域に奇妙な祭りが1000年以上も根付くとは思えない!なのでこのストーリーには蛸山が語った様な牧歌的な話とは別の背景があるように感じられる!と言うのだ。エッと驚く蛸山常務・・しかし常務にはガイドブックに載っていることくらいしか知識が無いからゲイリー副社長の問いに答えられる訳がない。そして10秒20秒と重苦しい沈黙が・・・。

そこへ割って入ったのは当日末席から2番目(筆者が一番下)の序列で参加した岩崎と言う技術部長であった。この岩崎部長はいきなり「ヘルナン・コルテスはご存知ですよね?」と言い出した。もちろんゲイリー副社長でなくとも筆者でも知っているアステカ文明を滅亡させたスペインの征服者である。しかし岩崎部長はこのコルテスを引き合いに出しながら飛鳥時代から平安初期の日本の歴史を説明し始めたのだ(長いのでこの日記では一部分だけ書く)

7世紀半ばに朝鮮半島で百済が滅亡し、ごく少数の亡命者の一団が日本に上陸したが、彼らは巧妙な政治手法を用いて大和朝廷へとじわじわと食い込み、やがて近畿圏での支配権を確立した。そして百済人が地方征服へと乗り出した際は、コルテス同様の欺瞞と残虐さを持って政治軍事両面で制圧したあげくに、その土地の豪族たちは奴隷同然の地位に落とされてしまったのだ。そしてこの土地にも有力な豪族がいたのだが百済人に滅亡させられてしまったのである・・と説明した。

興味深げに頷くゲイリー副社長。やがておもむろに「つまりあの神社を設立したのは征服されたこの土地の人々を宗教的な力で封じ込める為なんだね?」と言う。ええ・・そうです。ただ民族と言うより当時の日本人が信じていた怨霊を封じ込めるものでして・・と言った後で怨霊について追加説明しようとしたが、ゲイリー副社長は大きくうなずいた後で岩崎部長の言葉を聞く前に隣のアメリカ人に「怨霊とは聖書に出てくるデーモンのようなものだが、彼ら日本人は多神教だから・・」と随分と的確に説明する。

ここでゲイリー副社長は怨霊を封じ込めた神道(正確には神社と言った)は亡命者である百済の宗教なんだね?と言い出した。アステカやインカ帝国の征服者は彼ら自身が信じる神の名のもとに自分たちの悪行を正当化し、そして成功の報酬としてカトリックで国を統治したのだから、神道も征服者である百済人の信じる神に違いない・・という当たり前と言えば当たり前の論法である。





そういえばそうだ・・。もしも第二次大戦で日本がハワイを占領していたとしたら、いくら相手がキリスト教徒とはいえ真珠湾で死んだ米兵の鎮魂に日本人が少しも信じていない宗教の教会を建てるとは考えにくい。やはり征服者として日本の神道の神社を建てるはずである。ということ神道は元々は征服民族である百済の宗教だった・・という理屈になるはずだ・・。

しかし岩崎常務は「違います。神道は元々は支配された側、つまり原日本人の宗教なのです」と言う。でもそれだと話があべこべじゃ・・と口を出そうとした筆者を制して岩崎部長は「私が百済人とコルテスを比較したのは正にそこなのです。二人とも極めて少数の軍隊で大帝国を征服した歴史上稀有な例なのですが、彼らが宗教的な正当性を確立するプロセスには微妙な違いがあるんですよ」と続ける。

「コルテスの場合はアステカ人達がコルテスを予言に出てくる神だと勘違いしてしまった事で偶然にも正当性を確保できたのですが、一方百済人の方はそうは巧くいかなかったので、まず最初に神道に改宗した上で神道の元締め的な一族の婿養子に入って書記長的なポストを確保しているのです。つまりコルテスは一貫してカトリックの信者でしたが、百済人たちは自分たちの本音とは裏腹に外見上は百済の宗教を全て捨て去って日本人化したのです」。

これを聞いたアメリカ人の二人は大笑いし始めた。(これは後でタクシーの中で聞いたのだが)相手に取り入るためには自らの信条など持たずに節操なく何にでも変身してしまう一貫的な主体性(プリンシプル)の無さ、外見からは決して察することが出来ない本音と建て前のダブルスタンダードは正に日本人そのものだ!と言うのである(正確にはこれは百済人の性格なのだが・・)。

この後アメリカ人と岩崎部長の間で実に和気藹々と日本の古代の出来事が日本人の性格形成にどれだけ影響を与えたのかについて会話が弾んだことは言うまでもない。可哀想なのは場の雰囲気からは完全に外れてしまった蛸山常務だが、彼が自分に不足しているモノをどこまで理解しているかは疑問であった。なおこの会社との包括契約は紆余曲折をへて何とか成就したが、その間の両者のやり取りではMr.Iwasaki はMr. Takoyamaより常に各上に扱われ続けたことは言うまでもない。






にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメント投稿

  • URL
  • コメント
  • パスワード
  •  管理者にだけ表示

 

岩崎技術部長の知識は、間違いです。
「7世紀半ば朝鮮半島で百済滅亡し、ごく少数亡命者の一団が上陸し、・・・・百済人が地方制服に乗り出した際、・・・・」

九州の倭人(日本人)は、縄文後期ころから朝鮮半島南部を勢力圏にしていました。 百済の王は、日本に息子を人質に出しています(史実)また4代?の新羅王は、倭人がなっています(中国・朝鮮の史書)

朝鮮半島の人種は、モンゴル帝国が100年支配して時代に大きく変化しています。 地理的には、近いですが、、、日本人とは人種が別です。

Re: タイトルなし 

serenioさま
コメントをいただきありがとうございます。
ただご指摘された点と当方の日記の関連性が今一つ理解できないので
どういう意味なのか考えあぐねています。
当方の要点は2つです。
①serenio様は倭について日本全土、もしくは九州王朝のみ、
 さらには九州王朝+伽耶、または九州王朝+百済のどの定義で
 考えておられるのでしょうか?
②当方の日記では藤原氏の正体は百済王豊璋だということを
 書いているのですが、serenio様は誰だとお考えなのでしょうか?

 

返信ありがとうございます。

① 倭についてですが・・・
ウイキペデアで調べたところ、「紀元前後から7世紀末ころまで・・・」使用されていたようです。ですので、九州王朝から畿内王朝までです。

② 藤原氏の正体は百済王 豊王章だ・・・
この人は、百済王の太子ですね(倭に人質でいた人)
藤原氏の先祖については、ウイキには書かれていません。 藤原の鎌足が初代です。

私が疑問に感じたのは、高橋技術部長の言葉「百済人が地方征服に乗り出した際は、・・・・・有力な豪族がいたのだが百済人に滅亡されてしまったのである」

です。30~40年前頃、「騎馬民族の征服説」があったので、それに影響されたのではないでしょうか?今は、否定された学説です。技術部長だから理系でしょう。歴史につては専門外かな?

百済王朝も倭人系の人が、王や貴族になっています。新羅&百済は、倭への朝貢国でした(中国の史書に書かれている)

最近の調査で、朝鮮半島南部から前方後円墳や日本の縄文土器が出土されています(韓国では秘密にしていたり、無しにしていますが、、、
長くなりますので、この辺で終わります。長文失礼。。。

トラックバック

http://dadesigna.blog.fc2.com/tb.php/495-0a985e73
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。