人を魅了し堕落させる甘い香り(2)

2015/02/01 01:11:29 | 事件と陰謀論 | コメント:0件

ケシ・・言うまでも無く麻薬の原料である。ケシ坊と呼ばれる果実の部分から染み出す果汁を乾燥させるとアヘンとなり、このアヘンに化学的な精製を加えるとモルヒネやヘロインになっていく。100年前の清王朝は民族ごとアヘン漬けになりつつあった位だから、恐ろしいほど常習性が高くて危険な薬物に違いない。まさか自分がアヘンを・・と思うと愕然とした。

数日後バンコクから帰国した後で父親にくだんの香について尋ねてみることにした。父はお前なんでそんな事覚えているのだ?とちょっと訝しげな表情をした後で、実はあれはアヘンだよ・・と率直に答えた。息子が熱を出したので病院にすぐに連れて行きたい!と車のある隣人に運転を頼みに行ったところ、そんならまずはコレを試してみろ!と戸棚の奥から探し出してきたのだと言う。

「阿片には強力な殺菌作用があって、阿片を吸ったり傷口に塗るほうが下手な市販薬よりも遙かに効果があるんだ」と言う父親。これは戦前の日本では割と良く知られていた話らしく、特に上海や満州国、インドシナなどの旧日本占領地にいた日本人たちの各家庭には阿片は特効薬としてごく当たり前に常備されていたらしい。

しかし筆者が阿片を飲んだのは1970年とか71年頃で終戦から25年も経っている時期である。なんで隣人が(しかも都立高校の教師だった)阿片なんて危ないクスリを持っているのか?と疑問に思ったが、父親は「あの夫婦は戦前中国の天津にいたんだ。だから知り合いから分けてもらったんだろう」と謎のような事を言った





戦前中国大陸で暗躍した連中は戦後も日本で怪しげな商売に手を出し、その中に麻薬も入っていたという話は耳にしたことがあるが、筆者の隣に住む善良そうな老夫婦は悪党どもの一味にはどう見ても思えない。まあ彼らの顧客という位置づけなら考えられるが、家でパイプをふかして恍惚の世界に入っているアヘン中毒者にしては随分と二人そろって健康的である。

なので多分この夫婦は何らかの厄介な持病を抱えていて、戦前天津で試したアヘンがこの病気に大変良く効くのに気が付いたのか、もしくは(もしそうだとしたら凄い話だが)中国大陸にいた時そうだったように正露丸や赤チン同様の単なる常備薬としてアヘンを家に保管していたのに違いない。

しかしそれから1年後に筆者はアヘンの意外な供給元について知ることとなった。その時筆者は新潟県のド田舎にある工場に生産管理屋として配属されていたのだが、筆者の職場に定年後雇用でいた西村と言う爺さんと杯を重ねていたときに、戦後日本の知られざる一幕を聞くことになった。

爺さん相手に自分は子供のころにアヘンらしきものを吸わされたことがありまして・・という話をしていたら、西村の爺さんはエッ?という表情をした後なぜだか嬉しそうに笑い、そして「俺んちも裏山でケシ栽培してたんだよぉ」と意外な事を言い出したのである。エエッ!!!。この日本で・・しかも目の前にいる爺さんが・・?アヘン栽培・・?。予想外の話に口をあんぐりを空けてしまった。






にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://dadesigna.blog.fc2.com/tb.php/488-699e88c4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)