フィリピン庶民の酒は要注意

先日の日記でフィリピンでは社会階層によって人々が飲む酒が違い、一番下の階層はジンを飲んでいる・・と書いたが、親戚の男連中に聞いたところどうやらこれは間違いであることが分かった。フィリピン最下層の人間たちが飲むのはヤシの木を原料とするトゥバとランバノグという酒だと言うのである。

昔読んだ北杜夫の小説に「ヤシの実を日向にほっぽらかしておくと中身が発酵して酒となる」という記述があったので、筆者はてっきりトゥバというのはブコジュース(ヤシの実の中身の液体)が進化したものだと思ったが、義弟の話だとこれは間違いで実際はヤシの樹液が原料になるのだそうだ。

筆者は化学が大嫌いなので説明を聞いてもちっとも理解できなかったが、どうもヤシの木には自然とアルコールを醸造する成分が含まれているらしく(酵母とかいうんだっけ?)、樹液をろ過して放っておけば自然と酒になってしまうらしい。まさに南の国に与えられた自然の恵みとはまさにこういう事を言うのだろう。

この醸造されたヤシ酒をトゥバ(TUBA)と呼ぶらしいが、そのままにしておくと酢に化学変化してしまうため、一度蒸留してアルコールを抽出したのがランバノグ(LAMBANOG)である。ヤシの実が頻繁に生えている地方はともかく、マニラなどの都市部で飲まれているのはこっちの方らしい。





それで先日ラグナ州を旅した際に物は試しと露店でランバノグというのを購入したのだが(トゥバは全て酢に変化してしまったと露店の娘は言った)、ボトルに張り付けられた安っぽいラベルには商標名とランバノグという文字が印刷されているだけで、アルコール度数とか製造者の住所が見当たらない。なんだか一昔前の密造酒のように怪しげな雰囲気である。

もう一つ変なのはランバノグにはアップル味やストロベリー味のようなバリエーションが多彩なことで、なぜかバブルガム味という面妖なものまであるのだ。そのままじゃとてもマトモに飲める代物じゃないんだろうな・・と思った筆者は、だったら本物を味わってみようじゃないか!と勇気をふるってピュアテイストというのを買ってみることにした。値段は一本75ペソとべらぼうに安い。

さて親戚一同が集まった席で筆者が持ち込んだジョニ黒やプンタドールをテーブルに置いたのだが、最後に2本のランバノグを出したところ年配者たちからは「お~懐かしい」と好意的な反応が現れたが、その子供の世代は「なんでこんな酒を・・」とでも言いたげな思いっきり冷たい沈黙を保っている。この連中は会社経営やコンピューター技術者に銀行員、コールセンター勤務などフィリピンでは中の上の階層に位置するのである。

それで各自が最初の一杯を自分のグラスに注ぎ始めたが、全員の手が伸びたのはジョニ黒のボトルで、さっき懐かしいと言ってたジジイたちもランバノグには手を出さない。どうも毎回酒を提供する筆者に対してヨイショしていただけのようだ。それでここは筆者が自ら率先しなければ!と思いランバノグのボトルを手に取った。


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この酒を一口含んだときの最初の印象は「意外に飲みやすい」である。無色透明なのでマオタイ酒やテキーラの様な強烈なキックがあるのかと思ったが、酒としてはかなり甘いためクイクイ飲んでしまいそうだ。ただ上級なホワイトリカー類に特徴的な透明感は全くないのだけれど、「へぇ~結構うまいじゃん・・」と調子に乗って飲み続けた。

しかしその後しばらくたってから体に変調が現れた。呼吸が苦しいのである。そして頭がズキズキと痛んでくるのだ。今までいろんな酒を無茶飲みしてきたが、過去経験したことが無い類の体の反応である。こりゃヤバいかも・・と思った筆者は途中でランバノグは止めてウィスキーに切り替えたところ幾分体の調子は良くなった。

宴会も終わりになりかけたころ、爺さん連中が「ランバノグは口当たりが良いんだが、グラスに火が付くくらいアルコール度数は高いんだよ」と筆者に説明し始めた。ああ・・やっぱりな・・と筆者は納得したが、だけどウォッカ一気飲みしても平気な筆者が体験したあの頭痛は何だろうと疑問に思っていた時に、ボウイ叔父さんが「あと変なアルコール混ぜてるからな・・」と衝撃的な一言が・・・。

どうやらランバノグの製造基準は無いに等しい状況らしく、有象無象ある蒸留所の中にはアルコールや化学物質を平気で混ぜたりしている所もあるのだそうだ。それで叔父たちはランバノグを買う際は絶対に信用できる蒸留所のものしか買わないらしい。なるほど・・だから誰もボトルに手を出さなかったのだ・・。だったら俺が飲む前に教えろ!オラーッ!!






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