フィリピン最高の肉料理

明日の一族新年会(女房の母方)に向けて女房が料理の下準備に忙しくなってきた。今回は誰かの家に集まるのを止めてパッシグ市内のレンタルハウスを借り切り、そこに各家庭が料理と飲み物を持ち寄るスタイルになったのだが、どうやら女房には豚肉料理が割り当てられたようである。

それで女房は朝一番に市場に出かけて豚肉をたんまり買い込み、クリスピーパタという豚足やすねの部分をカリカリに揚げたものやスプライトに赤ワインなど面妖な材料のタレに付け込んだバーベキュー、そしてアドボという酢と醤油を使った煮込み料理に豚耳の脳みそ和え等あまたの料理の下ごしらえを始めたが、女房の手書きのリストを何気なく覗いたところ、そこに筆者の大好物があるのを発見した。

その名前はBAGNET(バグネット)。豚肉のかたまりを油で揚げた簡単な料理である。しかしこの料理は実に美味いのだ。元々はフィリピン北部イロコス地方の料理だが、女房の母方一族の出身地パンパンガ州サンタアナ地域の料理法も混ぜた我が家のオリジナル料理である。

作り方だが、まず豚バラのブロック肉(腹の脂がサシで入った部分が部分がベスト)をアルミホイルで包み、フォークで表面にボチボチと穴をあける。そして大振りの鍋にお湯を沸かし、そこに「スープとしてはちょっと味が濃いかなぁ・・」くらいに塩・コショウ、ニンニクとクノールのチキンスープの素、月桂樹の葉っぱを入れて煮立たせる。

このスープに先ほどのアルミホイルで包んだ豚ブロック肉をぶち込んで煮立たせるのだが、アルミホイルで包むのは肉の型崩れを防ぐためで、アルミに穴を空けるのはスープの味を豚肉に染み込ませる為である。だったらアルミで包まずチャーシューの様にタコ糸で縛ればいいじゃないか・・と思うだろうが、叔母も女房も「アルミでないとダメなのよ!」と言い張るので、ここは大人しく従うことにしよう。





肉のサイズにもよるが、だいたい30分から45分煮込んだところで肉を取り出し、アルミホイルを広げてここで再び塩コショウとチキンパウダーを肉にまぶした後、しばらく肉を冷ます。そしてここから先が重要なのだが、この肉をサランラップで包んで冷凍庫に1日入れるのである。もう一回言うが氷を作る冷凍庫の方である。この冷凍庫に入れると言うのがミソなのだ。

どうせ揚げるのなら肉が温かいうちに油に突っ込めばいいだろうが・・と思うだろうが、叔母と女房が「いったん冷凍することで肉がリラックス(?)するのよ!」という筆者には全く理解不能な説明をして呆気にとられてしまった。なお多少論理的な説明が出来る義妹の話では、原因は分からないが冷凍すると現象として表面がカリカリ、中がジューシーになりやすくなるのだそうだ。

翌日豚肉を解凍した後で植物油に肉をブッ込んで肉を揚げるのだが、昨日スープで肉の中まで十分火が通っているので、あくまで表面がカリカリに焦げ目がつく程度で良い。時間としては10分程度で十分である。なおイロコス地方では豚の血とビールを混ぜたソースをつけるらしいが、筆者の家ではこんな気持ち悪いソースなど使うわけもなくそのまま食うか、マスタードか柚子胡椒、もしくは中国醤油に唐辛子の切り刻みを加えたソースで食べることにしている。

さてこの肉に包丁を入れると、カリカリの皮の部分の裂け目から肉汁がジュワ―っと出てくるのが何とも淫靡である。そしてプルンプルンの真っ白な肉は「これが豚肉?」と驚くほど柔らかくて、小泉武夫風の表現を使うならモチモチした肉からピュルリピュルリと甘味のある肉汁が染み出てきて思わず「快感~・・」と満身の笑みを浮かべてしまうのだ。そこら辺の焼き肉屋のトントロ食って満足してるアナタ!。豚肉料理にも上には上があるって事を試してみな!。

フィリピンで豚料理の最高峰はレチョン(豚の丸焼き)と相場が決まっているが、男たちが顔をそろえてウィスキーグラスを傾ける際は是非ともこのバグネットをツマミにすることをお勧めする。なお一昼夜冷凍庫に入れるなんて待ってられないよ!と思う方は、今から2~3塊スープで煮込んで冷凍庫に在庫化しておいてはどうだろうか?。とにかく美味いので是非ともお試しあれ。






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私は、親戚がらみは一切触れていないんで(一度会って、この人たちと付き合ってはいけないという赤信号が点滅した)筆者様をうらやましく思います。
身内以外は信用しないできない社会だからこそ、身内は大事にしておきたいものですね、お互いに...

それにしても明日新年会だなんて、また微妙な時期にやるんですね。(日曜でもないし、休日でもないし?)
旧正月を祝うチノイにしては早いですし、新年会というよりもズバリ飲み会でしょう。

 

食通の貴兄が言うのだから本当に美味いのでしょう。
愚妻に聞いたら知らなかったですが帰ってくるまでにお前好みの味でも良いから作ってくれと頼みました。

 

いつもブログ楽しませていただいております。

冷凍ですか!

今の日本製の冷蔵庫では、あり得ないですが、昔の冷蔵庫の冷凍室に肉類を入れると、冷凍の過程で水分の体積が増えるので細胞壁が破壊されてしまうと聞いた事があります。

肉が柔らかくジューシーになるのはそれが理由ではないかと。

Re: タイトルなし 

ROMerさま

ナ・ル・ホ・ド
確かに説得力のある話ですね!
「これが豚肉?」と驚くほど柔らかくなるのは、恐らくご指摘の原理でしょう。
①煮詰めて水分を吸わす、②冷凍して細胞壁を壊す、③短時間しか揚げない、
という調理法も内部に水分をためるという目的にかなっていますし。

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