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リベートこそ商売の王道

昨夜我が家で義弟フランシスと従兄弟ラフィーの3人で酒を酌み交わしている時に賄賂の渡し方について話題になった。フランシスはサウジアラビアの建設会社のマネージャーを務めているから、資材会社のセールスマンを賄賂で腑抜けにする方法や建設会社の重機械という名目で高級車を無税でサウジ国内に搬入し、お役人の奥方に無期限で貸し出す方法などアラブらしいエピソードをいくつか披露し始めて筆者らを笑わせる。

一方の筆者も中国人相手に長らく営業をしていたから、香港の顧客や競合他社の中に筆者の言う事を聞く人間を仕立てあげ、中国本土への密輸ルートを潤滑にするため中国税関幹部に裏金を渡したりするのも仕事の内だったので、この手の話は得意中の得意である。日本企業の駐在員が税関に裏金・・?と驚かないでほしい。中国人相手にビジネスをする場合、賄賂は最も効果的な潤滑油で、ここで正義感など振り回していたら商売あがったりになってしまうのだ。

さて同席していた従兄弟ラフィーが何だか浮かない顔をしておる。ちなみにこの男はフィリピン国内の大手製薬会社に勤めているのだが、営業ではなく経理であるため賄賂に直接タッチする立場にないものの、金の流れを把握する立場にはあるのだ。筆者は薬品系の業界事情について詳しくは無いが、短期間だがコンタクトレンズの業務部に籍を置いたことがあるので、医者たちの強欲さについては多少心得があるのだ。

「ラフィー!大手病院からリベートの上乗せでも要求されているのかい?」と聞いてみたところ、いやいやもっと大変なことが起こっているんだよ・・と浮かない顔のまま・・。それで一旦は別の話題に切り替えたが、ラフィーの言う「大変なこと」に興味が尽きない筆者と義弟フランシス。やがて話題が一巡し再度ラフィーに製薬業界の裏事情について話題を振ったところ、「実は上からリベート全廃という指示が出てしまったんだ」と語りはじめた。

いかなる業界だろうがリベートの渡し先は基本的に顧客の①法人に対して、②個人(調達課長などのキーマン)に対して、の2種類に分かれるが、ここで話題になっているのは勿論②の方で、顧客から商品単価の10%の値引きを要求されるよりも、調達担当者に単価の5%を裏金として渡す代わりに値引きの方は黙らせる、という売り手にとっては大変助かる類の話である。ただし①と違って②の裏金は公式なものではないから帳簿上捻くり出すのはチト面倒だし、何より相手の保身上ぜったいにキャッシュで渡すか、もしくは外国の銀行口座に振り込む(送金元も外国でないと不可)必要があるのだ。


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さてラフィーの会社も大手病院や薬局チェーンの内部にキーマンを仕立てあげ、その人物に3~5%のバックマージンを長年に渡って手渡してきたのだが、1年ほど前に自分のところのセールスマンが裏金を自分でネコババしていた事実が発覚したため、会社の上層部は今後一切合財の裏金は小切手で渡す由の指示を出したというのだ。しかも小切手を手渡すのは営業マンではなくラフィーら総務・経理畑の人間に限定する!という命令なので、ここ数か月間に渡ってラフィーは大病院や薬局に潜むキーマンたちに直接会って小切手を渡す役目を仰せつかっていたというのである。

しかしここまで読まれれば上層部の指示がまるっきりトンチンカンなものであることが分かるだろう。キーマンたちは言わば自分が属する組織に対して背任行為をしている訳で、そいつらが便宜を図っている相手(ラフィーの製薬会社)から自分の名前を書いた小切手を貰うということは、まさに不正行為の証拠になってしまうではないか・・。それでラフィーら総務畑の人間は小切手を届ける度にキーマンたちから「俺たちを失業させるつもりか!」と罵倒され続けてきたというのだ。

ラフィーの話では昨年会社の副社長(管理部門責任者)になった上司は日本で言う所のコンプライアンスにうるさい男らしく、ここ数か月で大手顧客からの取引額はなだらかに減少しているというのに、この副社長は1月初めの年始セミナーの場でなんと「リベート全廃」を言い出したと言うのである。これには営業どころか総務・経理から製造部門まで驚いてしまい、このままだと会社が潰れるのではないかと不安になっているらしい。

「この副社長は長い間アメリカにいたせいで、ビジネスモラルがフィリピンと大きくずれちゃってるんだよ」と暗い顔をして呟くラフィー。こんなクソ貯めのフィリピンで綺麗事を言えば顧客は競合他社にごっそり持っていかれるのは確実なのに、製薬会社の社長やオーナーたちはリベート全廃を支持してしまい(上場でもするのだろうか?)、現在営業マンたちは自分たちが長年飼ってきたキーマンたちへ絶縁状を突きつけるという命がけの任務で日々打ち果てているというのだ。

筆者の拙い経験で言えば、国家なり会社なり一つの組織が短期間に崩壊してしまうのは、独裁者や悪徳の蔓延が原因なのではなく、高潔で善意と理想に満ちているが全く実践性を伴わないスローガンを組織がそのまま実行するからだ。誰がどう見てもラフィーの前途には暗雲が立ち込めているようだが、単なるマネージャーでしかないラフィーに出来ることは何もない。残念だけど転職先を探し始めるしかないだろう。それからリベートを渡していた相手の名前と日付、金額がズラリと書かれたリストは将来役に立つから今のうちに持ち出しておけよ!






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米国が言いだすまで仏なんてコミッションを経費処理出来ました。これを知らず某国で仏業者と競合した案件では莫大な費用を掛け延々と説明資料資料を作成提出しましたが仏業者に決定。後日競合してた事情を知る豪業者に笑われました。
フィリピンなんてコミッションがなければどうにもならない国ですから。。。タイではカーカッフェ(コーヒー代)小生が住む国と隣国の華僑はgrease moneyと言い金額の多寡は別に当然の商行為です。外国公務員汚職防止条約に批准したので日本企業は動きを制約されでしょう。
在社時代に提携していた旧東欧の業者打合せに行ったところチェックインしたらペデーキャッシュ用にと提携業者から渡されホテル代も彼らに支払らわれ社内規則と説明したが納得せずチェックアウト時にホテルに頼み返還しました。
後日これが我々の商習慣だとメールが来ました。

前記事の百人町の追コメですが古老から噂話しを含めかの会社の悪行数々を知りますが詳細は省きます。リトルソウル在住人と土地の人と間には隔たりがあります。
今では愚息が通っていた公立幼稚園、小中校は彼らの子息がメージャーになりつつあるらしいです。愚息嫁は子供は絶対に行かせないと保育園も私立にしてます。
ゴミ出し、軽作業代わりに無償でワンルームに住まわせている留学生も隣国でなく台湾学生、優秀で小生の母校に入学しました。

 

こっちの政治の世界で、汚職撲滅をやっているのに感化されたんじゃないでしょうか。

ごく一部ですが、フィリピンにも高潔な理想を持っている人たち、という層が存在していますから、長い目で見れば正しいことに...なるわけないか

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