フィリピンの吸引治療ベントーサ

行きつけのマッサージ店のネーちゃんから「今度来たらベントーサをやってみない?」と前々から言われていたので、酷い肩こりに悩まされている義弟フランシスを伴ってマッサージ店に出向き遂に試してみることにした。

このベントーサとは日本ではカップリングとかいう名称で呼ばれているらしいが、長年香港にいた筆者にとってはパックァン(抜灌)というのがお馴染みの名前で、毎年夏バテにやられて頭がキーンとなる時期が来ると、近所にある中国按摩治療院に訪れてパックァンを良くやってもらったものである。

背中一面にはっついたヨーグルトの瓶状のカップがギューッと肉を吸いこんでいく光景はなんともグロテスクだが、実際吸われる方は体の奥にたまった悪い血が表面に吸い出される感じがして思わず「あ~気持ちいい」と叫んでしまうほどである。

ただし困るのは術後1週間くらい危ない感染症の様に体中に赤黒い痣が幾つも残ってしまう事だが、パックァンがごく普通に普及している香港ではごく当たり前の光景で、奇矯な目で見られたりスイミングプールやサウナなどの入場を断られたりすることは無いのである。





さてマッサージ屋に入りベントーサをやる由を伝えると、筆者の相方のネーちゃんが嬉しそうな顔をする。筆者はリピータークーポンを常に使っているので足1時間と体1時間で合計500ペソの売上しかならないが、ベントーサは200ペソの追加料金が発生するのでネーちゃんの身入りが増えるからだろう。

1時間の足マッサージが終わった後でマットレスに転がってるとガチャガチャと音を立てながらネーちゃんがガラス瓶を運んできた。ちょっと見たところ香港とほぼ同じサイズである。そして背中にオイルを塗り短いローソクを乗っけて火をつける。さあギュギュギューっと来るぞ!と楽しみに待ち構えていた。

ところが・・背中にガラス瓶が乗っかった感じはしたのだが、肝心のギューギュー吸い付かれる感じがほとんどしない・・。てっきりこのガラス瓶には穴でも開いてるのか?と思ったが、その隣に置かれたガラス瓶も単に置かれただけ・・というかかすかな吸引感しか無いのである。

それで「おい!ちゃんと吸引してないぞ!」とネーちゃんに文句を言ったが、このネーちゃんは「まあ見ててよ」と言うだけで全然吸わないガラスを背中に乗っけていく・・。ちなみにこのネーちゃんはマッサージの腕は抜群だし絶対に手抜きするような人間ではないから、この全然吸わないベントーサは間違いでは無いということらしい・・・。





やがてネーちゃんは背中じゅうに乗っかった「かすかにしか吸わないガラス瓶」を一つ一つ擦すりつけるようにグルグル回すと実にあっけなく取り外してしまう。えっ!これで終わり?と思ったが、ここでまた背中にローソクを乗っけてガラス瓶を乗っけ始めた。どうやら振り出しに戻ったようである。

けっきょく①ローソクを乗っける→②ガラス瓶を乗っける→③一つ一つガラス瓶を回す→④外す、という作業を3回繰り返したのだが、肝心の吸引の方はほとんど何の感じもしないので、なんだか背中の上でガラス瓶を回された効果しか感じない。これ本当に吸引療法なの・・・?

「この方法だと背中に痣が残らないからいいでしょ?」とネーちゃんは聞いてくるが、いったいベントーサというのは何のための治療なのかさっぱり分からない・・。そして義弟フランシスが何の吸引後も残っていない背中をさすりながら「いやー良かったよぉ」と言っているのを見たときに自分は何か異空間にいるのではないか・・と思い始めてしまった。

「今から8時間は絶対にシャワーを浴びないでください」とマッサージ屋の受付嬢が厳格な顔つきで言う。なんでも体の中から気(エア)が出ている状態なので、気を出し切る前に水を浴びると流れが遮断されてしまい大変危険な状態になるのだそうだ。こんなオマジナイみたいな治療に効果なんかあるか!とすっかり逆上した筆者は、帰宅後に女房が止めるのも聞かずに大量の冷水シャワーを浴びた。案の定なんともなかった。






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