刺青ラプソディ

2015/01/04 01:20:38 | フィリピン雑学帳 | コメント:1件

正月にリサール州のド田舎でゴロゴロしていると、義妹が筆者の方に寄ってきて「ねえ!これどうよ!」と腕をまくった。見るとそこには娘の名前が赤青黄の3色の模様付きで書かれている。てっきり刺青シールかアラブ社会でよく見られるヘンナというプリントだと思い「この模様は何日くらい保てるのか?」と聞いてみたところ、義妹はハァ?という表情をした後で「違うわよ!アタシはタトゥーを入れたのよ!」と言った。

刺青・・。日本じゃ特定業界の代名詞で、こんなもの彫ったら温泉やプールに入れなくなるトンでも無い代物。しかも女の墨と聞くと映画「雪華葬刺し」の様に女の悲しみとか執念といったキーワードが頭に浮かぶが、この日がな一日居間に転がっている太めの中年主婦は全然真逆のタイプ・・。それで恐る恐る墨を入れた理由を聞いたところ、このド田舎村には腕の良い彫り師がいて、せっかく新しい年が来たのだから本日みんなで順番に墨を入れに行ったと言うのだ。





みんなでって・・いったい誰が?聞くと、義妹の夫フランシスに従姉妹ミレットと夫のラフィー、それに数人の遠い親戚(男女)だという。ちょっと待て!フランシスはサウジでホモから身を守るため(真っサラだと勘違いされてブッ込まれるらしい)という立派な理由があるが、大手企業のサラリーマンとその妻までもが刺青を入れるとはどういう事なんだ!と少しばかり頭に血が上ってしまったのだが、義妹は筆者の怒りが理解できずにキョトンとしてる。

「刺青なんてファッションなんだし、それに自分の愛する人の名前や顔を体に書き込むことは立派なことなんじゃないの・・」と言うのだ。そういえばパッシグに住む従兄弟ジェンは妻ジュミそっくりの似顔絵を胸部に掘っているし、今回フランシスが掘り込んだのは数年前に亡くなった祖母の顔なのだという。確かに死んだ人間を思いやるという意味では、毎年墓参りに行くより遙かに祖母孝行なんだろうが、なんかズレているような・・・。





「今回ラフィーはミレットと娘アンジェラの名前を彫ったのよ、それが何で非難されるのかしら?。だいいちブラザー(筆者のこと)も姉(筆者の女房)のことを愛してるのなら、その証明として腕に姉の名前を彫ったらいいじゃないの!」と抗議するような口調で言い始めた。いや・・・、なんか重大な価値観の違いに直面してしまったようである。

結局その後刺青をいれた全員が集まって「おい、ここ見てくれよ」と自慢げに腕や背中を見せ合っていたのだが、何となくみんな楽しそうである。そして筆者はなんだか出遅れたというか奇妙な劣等感を感じはじめてきた。フィリピンに移住してからそろそろ2年。どうも自分がズレはじめてきたのか?それとも刺青なんて化粧やTシャツの様に気軽なもので、罪悪感を持つ日本の価値観の方がズレているのか・・、なんだか分からなくなってしまった。






にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメント

2015/01/04(日) 14:48:10 | URL | hanep #-
まったく同じ体験をしました...
少し前の話ですが、大阪の知事が「タトゥーを入れている公務員がいるかアンケートをとる」と言い出したことを思い出します。
まさに文化の違いとしか言いようがない。

そのへんのショッピングセンターで、ごく気軽に彫っている姿は違和感ありますよね~。タトゥ有のほうが多数派の社会だから
ファッションで通るんでしょう。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://dadesigna.blog.fc2.com/tb.php/461-ddc3c089
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)