書を捨てよ!旅に出よう!

最近旅を出る際に女房が「アンタの旅の仕方は面白くない」という発言をするようになった。たとえばある街に行っても、筆者は事前に町の概要や美味しいと評判のレストランを調べ上げていているので、二人で新しい発見をする事が全く無くてつまらないというのである。会社員時代の旅の様に時間的な制約がもう無いのだから、何もかも事前に計画する必要は無いではないか!と言いたいようだ。

この女房の文句に対しては世の男性同様に筆者にも反論はあるが、しかし最近は女房の言うことも一理あると考えるようになってきたのだ。ピサの斜塔が本当に斜めになっているのかどうか確認しに行く旅よりも、旅の途中に見知らぬ場所で傾いた塔を発見する方が楽しいに決まっている。何よりもガイドブックを見ている限りは新たなモノに出会った感動は絶対に味わえないのだろう。

実は筆者も学生時代は女房の言うような無計画な旅をしていたことがある。バンコク経由でカルカッタに入り再びカルカッタから出るまで6週間は全く事前予定無し、当日泊まるホテル予約どころかホテル街の情報も無しなんて旅だったし、ベナレスのガート付近で真夜中に宿が見つからずあたふたしたり、ゴアからインド最南端の町まで行くバスを見つけたので何も考えずに飛び乗ったりしていたのだ。

それから20年以上たって会社の金で世界中を飛び回っていた時のことである。ミラノにある小さな家族経営の顧客と食事がてら旅の話をしていた時に、ここの陽気な社長に「お前は本当に旅好きなのかね?」と聞かれた事がある。何言ってんだ?。俺は毎年女房を連れて最低2回はアジアのビーチリゾートに行ってんだぞ!と言ったが、この小男の社長は「そういう事じゃないんだけどな・・」と呆れたような口調で答えた。





ここから先は筆者の文章力が稚拙なために、うまくニュアンスが伝わるかどうかどうか不安だが、この社長が言いたかったことは筆者は大掛かりなイベント的な旅をしているだけで、本当の旅好きというのとはちょっと違うというのである。じゃあアンタはどんな旅をすんだよ!と聞くと、俺たち少しでも時間が出来るとあのキャンピングカーで旅に出るんだ。行先なんて全然決まってないんだけどな・・と言って嬉しそうに笑った。

当時の筆者はドライブの小旅行なんて・・と小馬鹿にしていたが、香港に戻って毎週土日は必ずゴロゴロしている自分自身を鑑みた時に小男のイタリア人が言っていることが半分くらいわかった。こんな天気が良い日はあの一家ならおんぼろキャンピングカーを駆ってチロル地方にでも出かけるんだろうな・・・。だけど・・こんな日に寝転がってる俺って本当に旅好きなんだろうか・・?。

そう、旅に出るという事は立派な事では無いのだ。金をかけずに贅沢もせずに他の土地へごく普通の一日を過ごしに行くだけであり、そこでの楽しみとは未知の土地で起こった偶然性な出会いや出来事を旅の友と共有していくことなのだろう。だとすると・・事前に予約した飛行機にホテルとレストランで枠組みが決まってしまった自分の旅って一旦何なんだろう・・?。

そう考えるとフィリピン人たちの方が本当の旅をしているんじゃ・・と思えてきた。一家全員と鍋釜フライパンを積み込んでごく普通の一日を過ごしにNLEXを北上していく。これってイタリア人に小男と全く同じじゃん・・。だったらガイドブックで事前に調べるんじゃなくて、今日はなんだか気分がウキウキしてるから旅に出よう!行く先はボールペンの向いた方角でいいじゃないか・・。今度はそんな旅をしてみたいと思う。





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