瓦解していく王国

水野君が言うには花火教団は先代の教祖様の人徳で信者を獲得してきたのだが、水野君が教団本部に勤務し始めた時には先代の教祖様は既に亡くなっていて、若い教祖様がトップに収まっていた。そしてこの若旦那は先代の様なリーダーシップも信者を引き付ける人間的魅力も無いという欠点を抱えていて、要するに単なる人の好いそこらのアンちゃんだったそうである。

多くの信者が居ながらも組織の求心力が弱まっていけば第三者に付け入られるのは世の常である。案の定花火教団には仏教から神道、キリスト教系の怪しげな宗教団体から隠れ信徒が送り込まれ、末端組織で信者の切り崩しが広がりつつあった。最初は鷹揚に構えていた若い教祖様も先代から仕えていた幹部たちの忠告に耳を貸さざるをえなくなり、教祖も渋々と強硬措置に着手しはじめたのだそうだ。





「だけど本当の問題は教団の末端じゃなくて教祖の身辺にいたんですよ。教祖の夫人がヤバい団体に取り込まれちゃってて・・」と驚くべき話をする水野君。この団体とは宗教団体だけでなく政治団体、もっと言うと反社会団体が三位一体になった肉食獣のような組織で(ここでは肉食教団と仮称する)、教義的にも組織的にも弱々しい草食獣である花火教団など団結して戦わなければたちまち食い殺されてしまう事は必至であった。

しかし肝心要の教祖様は教団を守るために夫人を切り捨てる苦渋の決断は下すことが出来ず、結果として教祖夫人の権力は増していく一方だったらしい。そしてこのあと水野君から聞いたのは俄かには信じられないような話のオンパレードだったが、要するに中国の文化大革命そこぬけに教団から先代色を一掃する、幹部たちを追放する、資産を勝手に横流しする、恫喝、脱税、横領などやり放題という異常事態に陥ってしまったというのだ。





「肉食獣教団が壊したのは花火教団本体だけじゃなくてね・・。教祖様は異常事態から逃げるかのようにアルコール浸りになってしまいまして、僕が教団を抜けた後に脳溢血で倒れて半分廃人になっちゃんたんですよね。幸い生命は取り留めましたが、後遺症のせいで教祖様はもう言葉もまともに交わせない様ですから、肉食獣教団と教祖夫人は完全に花火教団を掌握しているんじゃないでしょうか・・」

水野君からこの話を聞いた時に思い描いたのは第二次大戦後スターリンに併呑された東欧諸国である。緩やかで牧歌的な花火教団が悪意を持つ他教団に収奪されてしまったのは教祖のリーダーとしての能力欠如が原因であろう。一人の人間の弱さが集団を破滅に追い込んでしまう典型的な例である。そう考えると筆者のまわりにもそういう例があるし、日本の中枢も花火教団と同じ道を歩んでいるような気がしてきた。それに千代田区一丁目一番地も将来そうなりつつあるんじゃあ・・。






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(本文と関係ありません)一部地域でインターネット接続がストップしているようです。筆者様も影響を受けていると思われます。

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