姓名判断の恐怖の真実

見沢知廉(みざわ・ちれん)の「囚人狂時代」という本に姓名判断は良く当たるという一文が書いてある。この無名作家は元々は新右翼の活動家で、組織に潜入したスパイを殺害したため懲役12年の刑を処せられて千葉刑務所に収監されていたのだ。ある日見沢は同じ刑務所に入った囚人たちがこうなってしまったのには何か共通する理由があるのでは無いかと思い、出身地から親の職業、血液型や星座など色々探ったところ、ただ一つだけ全囚人に当てはまるのが姓名判断だったのだそうだ。

この千葉刑務所は長期刑(8年以上、L級)かつ犯罪傾向が進んでいない(つまり初犯、A級)受刑者が集められているため、囚人の7割は殺人犯で占められているそうである。つまりある日突然殺人者になってしまった本当についていない人たちが集まっているのだが、同房や同じ作業所の仲間は全員一人残らず見事なまでの凶画の持ち主だったことが判明し囚人一同ビックリしてしまったそうである。

これを読んだ筆者は困ってしまった。というのは筆者の姓名は凶画だらけだからだ。姓名判断には天運、知運、外運、人運、総運と5つの項目があるが、筆者の場合そのうち3つが凶画なのである。筆者の父親は神社の神主の倅で、しかも国語教師なのになんでこんな名前を付けたのか!と怒りに震えたが、戦争敗北と戦後の荒廃ですっかりマルクス主義者になってしまった父にとって姓名判断などは悪しき慣習として嫌悪の対象だったのだろう。

さて見沢の本を読んで不安になった筆者は風水や中国式の姓名判断に詳しいキースという香港人の同僚に相談したところ「新しい名前を作れよ!通名でいいんだから」と簡単に言う。たとえば恵子を圭子と変えると言うことらしい。それで筆者は名刺や漢字サインを一文字だけ変えたのであるが、その後も別に運命が好転するようなことは無かった。

しかし運命好転を待ってる最中に改名に関する事で気になる事件が起こった。筆者のいた会社はオーナー一族が支配していて、このオーナー一族代表兼社長は変な風水師にはまり込んで自分の名前を一文字だけ改名していたのだが、改名して3年たったところで社内クーデターが発生し解任・追放されてしまったのである。なんだよ!改名したら失脚してるじゃねーか!





それでキースに「お前が言ってる事は嘘だ!」と文句を言ったら、キースは自分の師匠と言うのを連れてきた。この師匠、白い髭を長く生やした仙人風と男ではなく、禿げ頭ででっぷり太った体をFCバルセロナのシャツにジーンズ姿という至って風体の悪いオヤジなのだが(禿げたサモハンキンポーと思ってよい)、「オーナーは間違った文字を選んでしまったのだ」と言う。

だけど・・とんでもない金持ちだから腕の良い占い師を雇ったはずだけど・・と思ったが、赤茶けてなんだか古そ~な本を広げて「ほら!この文字は凶運を呼ぶのだ!」と言い張る。こっちは姓名判断にはひとかけらの知識も無いので黙って聞いてると、「お前の改名した文字を見せてみろ!ウン!これか!よぉーし!開運間違いないぞ!」と断言した。

禿げデブゴンがわざわざ旺角(香港の台東区みたいな所)から出向いて診断したのだし、それに料金はタダだったから筆者は一文字だけ変えた通名を今でも名乗っているのだが、つい先日久しぶりに見沢知廉の本を読み返していると、彼の経歴に今まで知らなかった箇所を見つけて背筋が凍ってしまった。本名は高橋哲夫、後の服役時に哲央と公式に改名・・。

実は見沢知廉は今から9年前に生活の困窮が原因で飛び降り自殺しているのである。本名に凶画が多いことに気が付いて裁判所に掛け合って一文字変えたのに、それに見沢知廉というペンネームまで名乗っていたのに自殺してしまった・・?。テメー!デブゴン!言ってる事ぜんぜん間違ってんじゃねーかーっ!!。

結局生まれた時につけられた名前からは人間は一生逃れられないのか?、それとも改名することが忌み事なのか・・本当の所は筆者には分からない。しかしこの二人の例だけから見れば筆者の運命はあんまり明るいものではなさそうである・・。なので一言・・テメー!○○○!、こんな名前つけやがって!よく見たら自分の名前は開運そのものじゃねーかっ!!。






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