失踪していた後輩と再会

以前の日記にも書いたが、筆者の大学の後輩である○藤くんは今から20年前に忽然と失踪してしまい、それからようとして行方が分からなかったのだが、2ヶ月前に開催されたOB会の折に、○藤くんと先輩のY崎さんが年賀状を交換し続けていることを知り、一同○藤君の安否を確認できてホッと胸を撫で下ろした。

しかし○藤君の失踪原因については、北朝鮮に拉致されたとかオウム真理教の信者なのじゃないか…と諸々の憶測が飛び誰もコンタクトしようとしない。みんな子供が小さかったり住宅ローンが残っていたりするから兎角我が身が大事である。それでフィリピンで安穏な生活をしている筆者が○藤君にコンタクトを取り、一時帰国の際に斎藤君と会って状況を確認する役目を押し付けられてしまった。

吉祥寺の中央改札口で○藤くんを待つY崎先輩と筆者。○藤君から来た返事には「自分がとってしまったあまりにも無責任な行動は社会的な制裁を受けても…」というタダならぬ一文が書かれているのを見て一人で会うのが怖くなったため、Y崎先輩にも同席して貰う様に頼み込んだのである。Y先輩も随分緊張した面持ちで、話が話だから個室か客が全然いない店に行こう!と言い出した。

7時に改札口から出てくる○藤君を発見。外観はそれほど変わっていなかったのだが、妙なのは彼の態度で、本当にお久しぶりでございます…と言うなりいきなり泣き崩れそうな気配である。こりゃいかん…、こいつ相当精神を踏みにじられて来てるぞ…、と早くも危険信号が灯り始めた。○藤君は改札口でいきなり長口舌を振るおうとしたが、まあまあ…中華でもつまんで…となだめて、サンロードの三浦屋ビルにある中華料理店に行くことにした。





ザーサイをつまみにビールで乾杯する3人。そこでY先輩が「いやっ、○藤が失踪していたって聞いてびっくりしてさぁ…」といきなり内角直球高めを投げ込む。すると○藤くんはウンウンと首を縦に振りながら「今日は全てを話すつもりで来ました」と宣言。いやいや重苦しい夜になりそうだが、本当のことを言うと内心ではちょっと興味があったのである。

というのは筆者は北朝鮮とオウム真理教、それにS学会とT教会、そして山○組とロシア政府の悪の相関図を一時調べていたことがあるし、北朝鮮問題についてもセミプロ位の知識は持ち合わせているので、オウムにしろ拉致にしろ○藤くんの口から生々しい実体験を聞きたいな思っていたのだ。そして本日の○藤くんの尋常でない精神状況を見るにつけ今夜はかなり期待できると直感で悟ったのである。

しかし最初から質問責めにすると○藤くんが口をつぐんでしまう可能性があるので、昨今の円安や自分がブチ切れて会社を辞めたんだよ…など情けない話をして行くことで警戒心を緩めて行くことにした。涙目ながらウンウンとY崎先輩と筆者の話を聞く○藤くん。筆者の言葉のハシハシに「僕も役所に勤めている時が…」と言うや涙目になって言葉を詰まらせる。ところがこの店は9時閉店と予想外に早いため、2万円の食費は全額筆者が受け持つことにして河岸を変えることにした。

場所を同じ吉祥寺のバーに移して、スコッチを片手に身の上話をするY崎先輩。○藤くんは随分と口が滑らかになって来て、そろそろ自分の身の上に起こった事を激白したそうな雰囲気である。そこで筆者の方から「君の失踪については皆いろんな憶測をしている」「北朝鮮やオウムという噂もある」と言った後、ただし今日はあくまで親交を深めるための会合だから、言いたくなければ言わなくて良いと一応の心配りをした。





しかし○藤くんは意を決した様で、○○さん!僕はそれを話すためにここに来たんです!と言う。そうか…でもあんまり詮索したくも無いから(本当は嘘)、失踪していた時間に君はどこにいたのか教えてほしい。それで大体のことが分かるからね…と言うと、○藤くんは「実は僕は…」と言った後いったん口ごもり、やがて「実は大阪の西成にいたんです…」と息を吐き出す様に言った。

西成…?。な何だって?。ピョンヤンや第七サティアンじゃないのか?と思ったが、西成にも北朝鮮の秘密教育施設やオウムの支部があるのかと思ったので、西成のどこ?と聞き返すと、○藤くんは「実はドヤで日雇いの仕事をしていたんです…。あそこに行けばニイちゃん仕事ないんか?って声をかけられますから」と全く意外なことを話し始めるではないか。

○藤くんはその後話したのは、役所に入ってから自分がこの仕事に全く向いていないことに気がつき、それからはストレスとの戦いで気が変になってしまい、ある時フッと魔が差して大阪行きの夜行バスに乗ってしまったと言うものだった。それで無断欠勤が長引いて役所を辞職させられてしまったのです…、というそこら変にいくらでもある様な話である。

だけどその後東京に戻ってから務めた会社も自分には合わなくて辞めちゃって…と延々と自分の話をダイナミックな口調で語るが、北朝鮮やオウムを期待した筆者やY崎先輩にとっては○藤君の話は全然ダイナミックでも何でも無く、そのうち二人とも睡魔に襲われてカウンターでうたた寝をしてしまった。なおこの二次会はすぐにお開きとなり、料金2万円は割り勘にしてもらった事は言うまでもない。






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