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大雨の夜、車中での出来事

2013/08/26 01:41:59 | 日記 | コメント:1件

昨夜、従妹メイの娘の誕生日パーティーに呼ばれたのだが、主催者のメイが酒を買うのを忘れていたため急きょ筆者と女房の従兄弟3人が酒調達係に任命されることになった。重いから酒飲み男たち4人で買ってこい・・あたしたちは料理とおしゃべりに忙しいのよ・・・という意味である。女房の母方の一族は女が強くて、男たちは筆者も含めてみんな尻に敷かれているのである。メイと同居している従弟のジャネルがカインタのスーパーマーケットが安くて品揃えも良いというので、車で20分ほどの距離にあるこの店までジャック・ダニエル、フィリピン人の好きなブランデーのプンタドール、何故かひどく酔っぱらってしまうレッド・ホース・ビールに、女性連中が飲む赤ワインなどを買いに行ったのだが、運悪く買い物中に大雨が降り出したためマニラ市内のあちこちで交通渋滞が発生、帰り道は筆者らを乗せた車もスーパーを出てから50メートル地点で完全に立ち往生してしまった。
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「いやーまいったな・・これじゃパーティーに戻るのは9時を過ぎちまうぞ」と運転しているジェンジェンがイライラしたようにつぶやいた。女房たちからは「アンタたち何やってんのよ!遅いじゃないの!」とすでに何回か電話でお叱りを受けていて、現に今も後ろの席にいる従弟のスプークが電話で奴の女房に「トラフィック」とか申し訳なさそうに言っている。やがて電話を終えると「もう食事は終わって女たちはトンイー(カードゲームの一種。麻雀のように常習性がある)を始めたようだぞ。朝までやるつもりらしい」と言った。なんだよ・・俺たちだけババ引いたってことか・・。それにもう30分も車は動かないので全員イライラしてるのだ。しばらく沈黙の後ジェンジェンが「おい!今から飲もうぜ!」と言い出した。飲むってどこで・・と筆者が言うと、「どこでって車の中でだよ!買ってきたジャック・ダニエルを回し飲みしようじゃないか!」
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ジャック・ダニエルのボトルを開けてラッパ飲みする。バーボン(ジャック・ダニエルは正確にはテネシーウィスキーだけど)特有の甘みと苦みが混じり合った酒精が喉をグワっと広げて胃袋まで溶岩のようにゆっくり熱く流れていく。バーボンは久しぶりだけど美味いなぁと感じた。ボトルを後ろの席に回すとスプークがグビグビと音を立てて美味そうに飲む。こいつは相当飲めるぞ。その次はジャネルが口をつける程度飲んだだけがゲホゲホ咳き込んでいる。そしてその後ジャネルがボトルを差し出したのは筆者ではなく運転席のジェンジェン。おい・・大丈夫かよ・・・・。「こんな大雨で大渋滞じゃ警官はチェックなんてやらないさ」と言って右手でボトルをつかむと一気に流し込んだ。いやチェックとかそういう問題じゃなくて・・それにこれって酒気帯び運転どころか文字通りの飲酒運転じゃないか・・。「バンコクじゃ毎週末にクラブでジャック・ダニエルを飲んでたんだ。タイ人と同じソーダ割りでさ。あれは慣れると美味いんだよな」と言ってジェンジェンはボトルを筆者に渡した。後ろの席ではジャネルが買ってきたソーダの缶を買い物袋から探し出すとプルトップを開けて筆者に渡した。これから2ラウンド目ってことだな。
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その後30分経っても車は100メートルも動いてないがボトルの方は半分以上空いた。筆者もだんだんと酔いが回ってきているし、後ろの席ではスプークとジャネルがゲラゲラ笑いながら何かをしゃべっている。たぶん女の話だろう。やがて車がもう一動き(とはいっても5メートルくらい)すると、左手前方にGENIE MAGICというネオンバナーが出た怪しげな建物が見えてきた。最初はラブホテルかと思ったが、紫と黄色のネオン配色がな~んとも淫靡な感じである。運転席のジェンジェンが筆者の気配を察したのか「あれはカインタで一番有名なナイトクラブだよ」とニヤニヤしながら言った。いや違うぞ!筆者は会社員時代に香港やマカオ・中国はおろか、ベルリンやモスクワのナイトクラブでさんざん遊んだのだが、この店のオーラはナイトクラブのものではないと直感でわかる。もっと直接的かつ本能的な店だ。やがてジェンジェンが「ただしあの店の本業は上の階にあるマッサージなんだけどね・・あのバンコクにあるのと同じやつだよ・・」。やっぱね!つまり吉原ってことだ。
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その後もジェンジェンが料金はこれくらいでシステムはこうなってて・・と説明していると、後ろの席から「おい!今からそこに行かないか!」と声がした。一番若くて独身のジャネルだ「お前なぁ・・俺たちは全員結婚していて女房たちはメイの家で俺たちを待ってるんだぞ!行けるわけないだろ。なぁみんな?」と筆者は反対したが、ジェンジェンとスプークは筆者の反論には乗ってこず何だかまんざらでもない御様子で、この大雨で渋滞だし・・あと2時間は確実に車の中だし・・それに女房達は朝までカードゲームに夢中になってるから・・とかぶつぶつ言ってる。筆者の方も、まあ料金も4人合わせても大した金額じゃないしな。ジェンジェンが酔いを覚ます必要もあるし・・今日は何だか大学生の頃バンコクで遊んだ時みたいな感じだぞ・・それに俺も実はマンザラでもないんだけどね・・とだんだんと建前が崩れていき、よし!乗りかかった船だ!みんなでジェニー・マジックに行こう!と言ってしまった。だけど電話かかってきたらどうすんだろう・・独身のジャネルはいいけど、一人でもばれたらジェンジェンもスプークも俺も芋づる式に取り押さえられて女房に血祭りにあげられるぞ・・と一抹の不安が脳裏をよぎったが、酔いに任せて不安をシャットダウンすることにした。これぞフィリピン流である。
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さて行くと決めたのはいいが、問題はどうやってこの渋滞から抜け出るかである。この事をジェンジェンに聞くと「もう50メートル先に右に曲がる小道があるから、そこに車を置いて歩いていこう」と言った。50メートル・・そりゃ随分先だぞ・・20分以上かかるな・・渋滞が突然緩和するのを願うばかりだ。さて4人はこのあと一戦あるので誰が言うまでもなく酒を飲むのは止めにし、自然と前の車の動きを注目するようになった。前の車がちょっとでも動くと「オー!」と喜びの声を上げ、止まると「シット!」と悪態をつく。皆でこれを繰り返すこと10分、車は目標に半分くらい近づいたらしい。よし・・あと少しだぞ!がんばれ!と一同が喜んでいる時に突然スプークの携帯が鳴った。「あれっ?女房からだ」と言って携帯を耳に当てると、何か声高で命令しているような女の声が筆者の耳にもかすかに聞こえてきた。そしてスプークは「オーケーオーケー」と気弱そうに言ったあとで電話を切った。今度は全員がスプークに注目。その後「遅刻していた従姉妹のボーヤとフィリンがつい今しがたカインタに到着したそうだ。この車に向かってこれから歩いてくるので、一緒に連れて来てくれってよ」とボソッといった。全員沈黙・・。やがて5分ほどして現れた従妹二人は車に乗るや「ハローガイズ!」と陽気な挨拶をしたが、もちろん誰もこんなお邪魔虫2匹に返事などすることもなく、その後もずっとしらけた雰囲気が支配するなかメイの家へと帰路についた。
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コメント

2014/02/10(月) 22:05:28 | URL | hanep #-
この記事は秀逸ですね!読み応えがありました!!

最後、警察に捕まるオチなら満点でしたね!(笑)

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