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賞金稼ぎたちのサイドビジネス

2014/08/28 00:22:03 | 人間万華鏡 | コメント:0件

犯人逮捕につながる情報を提供した人には50万ペソの謝礼を払うというニュースがテレビで流れていた。これはパンガシナン州ダグパン市にあるローカルラジオ局DWIZのマネージャーが火曜日未明に銃撃された事件で、撃たれたナヴァロ氏は現在病院で治療を受けている身なのだが、ナヴァロ氏の近親者が弁護士を通じて懸賞金の提供を申し出たらしい。ちなみにナヴァロ氏はラジオ局で市長らの汚職を告発しており、どうも市長ら一派が口封じに殺し屋を差し向けたに違いないと地元では評判なのだそうだ。

旧宗主国アメリカ式の司法制度を持つフィリピンでは懸賞金というのはごく一般的で、フィリピン国家警察(PNP)のウェブサイトにはMost Wanted Manというタイトルで重大犯罪者の名前と懸賞金額がズラリと掲載されている。現在一番懸賞金が高いのはFRANCISCO FERNANDEZというNPAの幹部で560万ペソ、その次がFELIMON MENDREZとDOMINGO COMPOCという同じくNPA幹部でそれぞれ260万ペソである。ちなみに先日逮捕されたパルパラン元陸軍少将は200万ペソであった。

しかしである・・。いくら懸賞金が高額とは言え、NPAや権力者を敵に回す人間など果たして本当にいるのだろうか?。この連中は多くの私兵を抱えているし、警察にスパイだって飼っているのに違い無いから、情報を提供したら翌日には一家皆殺しなんて報復を受けかねない。それで居間で女房や義妹に懸賞金なんて意味無いよな!だって誰も情報提供なんかしないもの!と話していると、「いや!いるぞ!」という声が聞こえた。我が家に遊びに来て酒を飲んで酩酊していたエド叔父さんである。





「フィリピンには情報提供どころか、犯人をひっ捕らえる仕事をしているバウンティー・ハンターがいるんだ」と言ってムニュムニュ喋り始めるエド叔父さん。それが今の話か叔父さんの幼少期の話なのかは知らないが(多分30年くらい前の話だと思う)、叔父さんの住む町の隣にあるヌエバエシハ州では西部劇よろしくバウンティハンターが今でも活躍しているのだそうだ。それは探偵みたいな仕事ですか?と聞くと、違うよ、ライフルを抱えた狩猟チームみたいなもんで、5〜6人でチームを組んで行動するんだ、という答えだった。

「だけど叔父さん。凶悪犯を相手にしたらバウンティ・ハンターの家族が殺されちゃうじゃないですか?」と反論すると、いや!違う!ハンター達は全員が町のならず者で、凶暴さにかけては犯罪者や共産ゲリラと大して変わらないのだそうだ。「追われる犯罪者たちも家族がいるから、ハンターの家族に下手に手出しをすれば今度は自分の家族が皆殺しになるのは分かってるんだよ。だから大抵は犯罪者とハンターだけの殺し合いに収まるんだ」というエド叔父さん。なるほど・・これは核兵器の相互確証破壊みたいなもんか・・。

しかしもう一つの疑念「賞金稼ぎだけで食っていけるのか?」が頭に浮かんだ。それでエド叔父さんにどういう頻度で懸賞金付き指名手配が告知されて、金額は幾らくらい稼げるのか?と聞くと、エド叔父さんは酩酊している割には筆者の聞きたいことを先回りして読めた様で、「賞金稼ぎだけじゃ食えない時もあるから、ハンターもその時はサイドビジネスに手を出すんだ」と言って、叔父さんが昔聞いた話をし始めた。





当時叔父さんの住んでいた町内にも腕利きのバウンティ・ハンターがいたのだが、ある時からこの人物の金回りが急に良くなった。家を新築し始めた上に、腕には金無垢のロレックスをはめている。おかしいな・・?。懸賞金じゃこんな金額稼げるはずないな・・と近所の人達みんなが訝しんでいたが、その内にこのハンターはヌエバエシハ州で発生した一家殺人事件に関係しているではないか?という噂がたち始めた。

これは金貸業の一家6人が自宅で殺された上に、金目の物から店に置いてあった金庫まで全て持ち去られた大事件だったのだが、警察は何故だかほとんど捜査する気が無さそうだったらしい。そういえば・・あの男がクルマのシートを拭いている時に雑巾が真っ赤に染まってるのを見た!、俺はあの男がクラークの質屋に行ったのを見かけたぞ!と目撃証言があちこちから集まったが、誰もこんな危険な男を告発する訳も無いので、結局事件は迷宮入りになってしまったらしい。

「普段から平気で犯罪者を撃ち殺したりしてるから、ハンターにとっては強盗殺人なんて朝飯前なんだよ」と笑うエド叔父さん。なるほど・・毒を持って毒を制すという言葉通り、こういう連中でなければ凶悪犯を捕まえられないのが犯罪大国の現実なのだろうが、実入りが減ると追う側が追われる側に早変わりするというのが何ともフィリピンらしい。この手の連中が余りのヒマさに筆者ら外国人を襲わないように、是非ともマカティ地区の治安が急速に悪化して殺人事件や誘拐殺人が毎分1件くらい発生し、懸賞金付き指名手配がドシドシ告知される様になって欲しいものである。それからくれぐれもリサール州には来ないように。






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