駄目な郵便局と古びたタイプライター

ポスタルIDというのをご存知だろうか?これはフィリピン郵便局が発行する身分証明書で、フィリピン在住の外国人にとっては移民局が発行するACR-iカードや、陸運局発行の運転免許証などと並んでメジャーな証明手段である。なんだよ・・身分証明書なんてACR-iだけで十分だろうが・・とお思いだろうが、フィリピンでは役所での登記や銀行口座の開設の際に「フィリピンの公的機関発行の」身分証明書を2種類要求される場合があるため、筆者は費用も安くて短時間で取れるポスタルIDを申請したのである。

申請2日後に郵便局へカードの受領に行くと、気の弱そうな職員が「じゃあこの証明書が正しいかどうか確認してください」と言って名刺サイズの紙を渡して来た。写真、名前、住所、生年月日、身長や目の色まで見ていく。すると・・あれっ?国籍がフィリピンになってるじゃないか!。それで間違いを指摘したのだが、この気の弱そうな職員は「あなたが申請書に間違えたんですよね・・」と言って自分の非を認めようとない。頭に来たので申請書の原本を持ってこい!と言うと、「分かりました!でも今日は書類を修正する権限の人がいませんから、いつでも良いので後日上司がいる時に来てください」と言って間違ったポスタルIDを筆者に渡した。


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さて本日郵便局へ行きポスタルIDの間違い修正を申し込んだところ、どうもこの郵便局のボスらしきオババが「最初から申請し直す必要がある」と言い始めた。冗談じゃない!微々たる額とは言え費用は払ったし、バランガイ・クリアランス(住民票みたいなもの)や結婚証明書をもう一回取得する手間を考えてみろっ!それに間違えたのはお前んとこだろーがーっ!と喚くと、このオババは無表情のまま「じゃあ無料で良いから写真を用意しろ」と言う。写真はこの間違ったポスタルIDに貼ってある奴を引き剥がせばいいだろうがっ!と再び喚いたが、いやっ新しく証明書を作り直すから新しい写真が必要だ!と言い張って一歩も引かない。

結局近くにある写真屋で2x2インチの写真を撮ってもらい郵便局へ戻った。ちなみに前回は郵便局の職員に写真を撮ってもらったのだが、オババは「それはあり得ない。多分あなたは勝手に郵便局内に入り込んで営業しているカメラマンに写真を撮ってもらったのだ」と唖然とする様な事を言い出した。誰かが職場で勝手に営業って・・お前んとこの職場の管理責任ってどうなってんだ・・?。それに前回の写真代は郵便局発行の領収書に上乗せしてあるけど・・。


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また申請書を新しく書き込んで写真をオババに渡すと費用は75ペソだと言う。お前んとこが間違えたのに何で費用を払うのだ・・と今回は怒りを我慢して抗議すると、再発行費用の600ペソは要求しないが、この75ペソはエクスプレス代だと言って一枚の紙をみせた。なるほどそこには申請→受領のリードタイムは2日かかると書いてある。2日後に取りに来れば無料ですよと言うことらしい。官僚の無謬性や杓子定規さという言葉はこのオババのためにあるようなもんだ。

渋々75ペソ払うとオババは助手の女にカード作成を命じた。すると目の前でガチャンガチャガチャガチャコーン!というすごい音が始まる。なんとタイプライターを打つ音である。この時代にタイプライター・・?。しかも自動式ではなくて手動式である。筆者の視線に気づいたオババが何故アナタはタイプライターを見ているのか?と聞いて来たので、「いや・・俺が会社に入ったばかりの頃にこんなタイプライターを使っていたのだ」と言うと、オババはここで急に親切そうな顔つきになり、このタイプライターはここの郵便局が出来た頃からあるのだ・・と言った。


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なるほどね・・あんたの職場もあんた自身もこのタイプライターと同じで数十年の間も全然進化しなかったんだな・・。壊れては修理されて使い続けられた今じゃ時代遅れのタイプライター。そう、郵便局だけでなくフィリピンの行政機構全体はこのポンコツのタイプライターと同じだわい・・と思っていると、このオババは何を勘違いしたのか「あなたはこのタイプライターが懐かしんでいるのか?」と語りかけてきた。そして「あなたがどうしても欲しいのなら1500ペソでお譲りしますよ」との一言。一瞬沈黙・・・・。しかしオババの提案をやんわりと断るために「博物館に行くよりも毎日使われている方がこのタイプライターにとっては幸せだと思いますよ」と返答すると、このオババは何故だかとても満足そうな顔をして頷いていた。


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