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デブセン常務の悲劇(3)

2014/04/14 10:34:47 | 人間万華鏡 | コメント:0件

その後もK先輩は森公美子と秘密の逢引を続け、その一方で会社ではシンディーというアザラシのような香港娘を秘書として採用したり、リサ・チャムというこれまたアザラシのような中年女医を美人だと発言するなど奇矯な言動が時たまあったが、香港支店にはもっと性的にイカレた駐在員が数多くいたためK先輩の異常な性嗜好がとりわけ話題となり周囲に広まっていくことは無かった。

しかしK先輩の悲劇は、日本帰任と同時に、会社の極めて重要な部の部長に取り立てられ、彼の義父とナチス親衛隊員の様なクソ真面目な取り巻き達に囲まれてしまったことである。K先輩はデブセンという重い十字架を心の奥底に隠さなければならなくなったのである。

デブ女にかぶり付き、デブ女の体をむさぼり食い、デブ女の群れに飛び込んでおしくらまんじゅうされた挙句に悶絶・昇天したい。K先輩は心の底からそう渇望しているにもかかわらず、毎日深夜まで東証上場に向けた仕事に追われ、彼の美の基準では全く性的魅力を感じない渡辺真理似の妻が待つ目黒の豪邸に帰らなければならなかったのだ。

しかも当時会社はオーナー一族出身の社長解任劇でマスコミを賑わせており、暴力団や事件師たちに付け入られ無いよう重役達は会社と自宅の往復以外は許されなくなっていた。そう、その頃不運にも取締役に昇格していたK先輩の特殊な趣味を満たす方法は全て絶たれてしまったのだ。

昨年筆者が会社を辞める際にK先輩はささやかな送別会を催してくれた。久しぶりに会ったK先輩は思いの他明るかったが、話が森公美子やデブ女の事になると急に表情を変えて「何それ?知らないな」と会話を閉じてしまう。もう義父は他界したのだし、常務まで登り詰めたのだからデブセンをカミングアウトしてもいいのでは?と思ったが、K先輩は自分の性嗜好を今でも恥じているのか、いつまでも秘密を守り続ける事を選択したようだった。

しかし対面を守ろうとする彼の理性と、心の奥底から叫び声を上げる本能との齟齬が彼を引き裂き、そして破滅へと向かわせてしまったようである。帰り際にこれから六本木で飲まないか?と誘った筆者に、「壁に耳あり障子に目有りだからね」と謎のような一言を言って笑いながら去って行ったK先輩の後ろ姿はなんだか寂しげに見えた。

会社の同僚の話では、離婚した場合はこれ以上の昇進は望めないどころか、おそらく本社役員の地位も外されてシンガポール事業圏の責任者か仙台にある国内製造子会社の社長に飛ばされるのではないかという話である。世間体を気にして離婚せずに今まで通りの仮面の日々を続けるのか? それとも全てを投げ打って本能の指し示す道を選ぶのか?K常務は今53歳。まだ色恋で一花咲かせられる年齢である。なので筆者はこの大好きな先輩が自分自身の人生を歩んで欲しいと思っている。

デブ女に揉みくちゃにされ脂汗と体液まみれになってアヒャーッ!と喜悦の叫び声を上げる日々。K先輩!他人の目に自分がどう映るのかを幸福の基準にするのはやめて、もうそろ自分の奥底から聞こえる内なる声に耳を傾けたらどうだろうか?



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