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戦争証跡博物館のトンチンカンな人たち

2014/04/13 01:26:14 | タイ・インドシナ | コメント:2件

毎日ホーチミン市内をブラブラしたりマッサージにプールで泳ぐだけでは味気ないので、女房を連れてベトナム戦争の記録を展示してある戦争証跡博物館に行くことにした。前の日記に書いたとおり女房にはこの戦争に関する知識が無く、それ以前に何でフランスパンがベトナムのあちこちで売られているのかも知らない為、博物館に行って展示物を見れば少しは理解が進むのではないかと考えたからである。

一人15000ドン(30ペソ)の入場料を払って敷地に入ると、そこにはベトコンに捕獲された米軍の戦闘機や戦車に大砲の数々が置かれている。筆者らもミーハーよろしく写真を撮りまくった後で建物に入った。

博物館の建物は3階建てで、一番上の階には日本降伏後のフランスの再進駐とディエンビエンフーの敗北によるフランスの撤退、アメリカの軍事顧問団派遣といった戦争本格化前の展示がされていて、2階に降りると米軍の介入と戦争の泥沼化に北爆、そしてパリ和平協定から米軍の撤退までをカバーし、最後に1階で南ベトナムの崩壊と社会主義化というようにベトナムの現代史の流れを追えるようになっている。

展示はほとんどが写真ばかりで興ざめしたが、英語の注釈が書かれているので女房は興味深そうに見ていた。特にソンミ村の虐殺や枯葉剤による胎児への影響については目を覆いたくなるような写真のオンパレードで、鈍感な女房も「いくら何でもこれは人道的に許せないわ!」と息巻いている。

そうそう!第二次大戦後は資本主義対社会主義の対立軸で世界の事象を捉えて来たが、それ以前に植民地支配者の白人と抑圧される有色人種の対決こそアジア人が真っ先に記憶しなければならない事である。ここには右翼や左翼の垣根を越えたアジア人にとっての正義が有るのに、自ら進んでアメリカの三級海外国民を目指そうとするのは間違いだとフィリピン人は早く気づくべきだ!まあとは言え日本人も同じなんだけどね・・・。

さてこの博物館の率直な感想を言うと、以前にワルシャワの歴史博物館でみたナチスドイツによるポーランドの徹底的な破壊の記録に比べれば壮絶さが不足しているし(アメリカはベトナム人の人種根絶は意図してないので無理はないが)、何よりベトナム共産党のプロパガンダ臭が強くて筆者は興ざめしてしまったのだが、2階にあるインドシナで命を落としたジャーナリストたちへのレクイエムコーナーには胸を打たれた。

ロバート・キャパ、沢田教一、一ノ瀬泰造、そして名も知らぬ名も無きカメラマンたち。優れた報道作品にある一瞬のリアリズムの輝きに満ちた数々の写真が回廊の様に展示されているのは一見の価値がある。

さて沢田教一の「敵を連れて」に見入っている時のことで有る。筆者の後ろから日本人の団体ツアーの一団がベチャクチャ話しているのが聞こえたのだが、ガイドらしき日本人が「本当に戦争というものは愚かですね!」と言うのが聞こえた。

そして何人かが「本当にその通りだ!」「戦争やる奴って馬鹿だよね!」と相槌を打っている。この話を聞いた時に筆者は思わず口をあんぐりと開けてしまい、後ろを振り返って一団を見たが、年齢も性別もバラバラのパックツアーの一団の様であった。

今更言うまでもなく、ベトナム人は戦争をしたからアメリカ人を追い出せたのである。それにこの博物館はフランスとアメリカによる搾取と迫害を糾弾し、多大な犠牲を払ってゲリラ戦を継続し最終的に勝利したベトナム共産党とベトナム人民を世界に喧伝するプロパガンダ機関なのだ。

それなのに一体この博物館のどこをどう見たら戦争は愚かだという結論に至るのか?筆者にはプリズムの様に見たものを屈折してしまう彼らの思考回路が全く理解出来ないのだ。それに戦争が悪だと言うなら、ベトナム人はただデモだけやっていればアメリカが撤退したとでも言うのだろうか。

今でこそアメリカはフランスの肩代わりをさせられた気の毒な立場だったと思えるようになったが、当時のアメリカにはドミノのように共産化していく自由主義陣営(実態は独裁国家が多かったが)を守ると言う彼らなりの理念があったのだ。ベトナム人のデモを見たくらいで戦争で死んだアメリカの若者との復讐の誓いをかなぐり捨てるわけなど無い。

そこでこのツアーの連中に何か言ってやろうと思ったが、女房が筆者の不穏な感じを察したらしく筆者の腕を取るので大人しく黙ることにした。

筆者が嫌いなのはこういった平和ボケの左巻きたちである。自分達は頭が良いと思い込んで高みの見物を決め込んでいるが、彼らは今日世界の国境線で起こっている事態を一つも説明出来はしない。昨今この手の連中はアメリカ式の経営論を囓ってブレークスルー戦略とか空論を唱えるビジネスゴロに商売変えしているようだが(どの会社でも企画という名称が付いた職場は、こうしたヘナチョコ野郎どもで溢れている)、トンチンカンなレトリックに騙される愚鈍な主婦やアホ学生は日本のどの時代でも一定の比率で現れる様である。

さて1時間半ほど博物館を見学した後でホテルに戻ることにした。女房に「どうだった?」と聞くと、 「ベトナム人が戦ったのは当然よ!だってあまりに酷い迫害じゃないの!」と至極真っ当な答えをする。よしよし、さすが我が女房である。

ところがその後に一言「日本軍はなぜアメリカと組んでベトナムに攻め込んだのか?」と耳を疑うような事を言った。お前・・な何を言っとるんだ・・。どうやらここにも左巻きの日本人とは別種のトンチンカンがいることが分かった。

いや・・お前には幾つも間違いが重なってて何処から説明したらいいのか分からんが、まず最初に日本軍=虐殺者というステレオタイプの思考を別の時代に当てはめるのを止めろ!だいいち日本軍は民間人の組織的虐殺などやっておらんぞ。



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コメント

2014/04/15(火) 05:50:06 | URL | ねこ #-
今もココに、日本共産党の垂れ幕あるのかな?
最後に行った2年前迄はありましたが。
中国共産党のもありましたが、これは情勢からして、流石になくなったでしょうがね。

Re: タイトルなし

2014/04/15(火) 12:41:59 | URL | 3カラット #-
ありますよ。世界中の共産党の垂れ幕やベトナム平和運動のポスターや媒体が1階のホールに所狭しと展示されていて、中でも日共は最大の出品者でした。

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