アル中生活から救ってくれたロシア人たち

筆者はブログで頻繁に「あの店で買うと酒が安い」とか「シーバスが・・」「フィリピンではヘネシーに限る」などと酒の事ばかり書いているので、ブログを読んでいただいた方は「こいつは相当の飲兵衛に違いない」と思われるだろうが、実は筆者は親戚との集まりの場で飲むだけで普段は一滴も飲まない生活をしているのだ。たとえば先週1週間で呑んだのは土曜日の従妹ミレットの娘アンジェラの2歳の誕生日パーティーでだけで、それ以外の6日間はビールの泡1粒さえ呑んでいないのである。なので筆者は日本男子の中ではかなり酒を飲まないグループに今現在属していると思う。
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しかし筆者もかつては大酒を飲んでいた時期がある。それは今から20年前の香港に赴任したばかりの頃で、当時の筆者は日本で付き合っていた女にあっさり振られ、さらに香港で出会った韓国人の女とドロ沼の愛憎劇を繰り広げた末に別れてしまい、精も根も金も尽き果てた筆者はアルコール街道をまっすぐ突き進んでいったのだ。貯金などとうの昔に使い果たしたので会社からまっすぐ家に帰るしかなく、食事もそこそこにウィスキーのオンザロックを作って深夜まで呑み続け、土日は朝起きてから夜にぶっ倒れるまで水割り(これはストレートやロックより長い時間飲めるため)をチビチビ飲み続ける日々を過ごしていた。
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こういう生活を続ければ当然体調が悪いだけでは済まず、映画「失われた週末」の主人公のように頭の中でいつも酒の事ばかり考える様になってしまうものである。「飲みたい・・呑みたい・・」。そして昼休みに会社の食堂にあるテレビにマーテルやFOVなどブランデーのCMが写り出すと、もういてもたってもいられずに当時行きつけだったハイアット・リージェンシーのチンチンバー(本当にこういう名前のバーでいかがわしい店ではない)にマティーニなど呑みに行ってしまい、当然その日は会社に帰らず深夜まで飲み続けることになる。さすがに毎日朝からボケーッとしている筆者をみかねたのか、会社の同僚の香港女たちから「お願い!お酒を止めて!」と半ベソ顔で懇願されたりしたが、筆者は「大丈夫、大丈夫、俺が飲んでる量なんて大したことないよ」と言って適当にやりすごしていたのである。
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さてある週末の日、朝から筆者の好きなディンプルを飲み続けていると、香港のテレビの女性アナウンサーが「ロシアは滅亡の危機に瀕しています」と話しているのが聞こえた。いったい何だろう・・と思って画面を見つめると、過剰なアルコール摂取が原因で男性の平均寿命が年々短くなっており、このままではロシアは世界の趨勢とは逆に人口が減少していて国が滅亡しかねない・・というニュースだった。そして医者らしき解説員が「WHOの基準では年間20リットルを超えるアルコールを摂取しますと50歳で死んでしまうという調査結果が出ています・・。現在ロシアの成人男性の約3割がこの20リットルの基準を超えて・・」と深刻な顔で説明をしていた・
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この解説を聞いた時には「ロシア人ってバカだな」「熊みたいにデカい体も酒に蝕まれればお終いに決まってるだろうが!」と笑っていたのだが、この20リットル(純アルコール換算)という数値が今一つピンと来ない。それで阿呆なロシア人は筆者の飲んでる量の何倍くらいアルコールを摂取してるのか計算してみようじゃないか・・と思って紙とボールペンで筆者の年間アルコール摂取量を計算することにした。えーっとまず家で飲んでる分から始めると・・、1年間が52週で、ボトルは週3本は空けてるし、ボトル一本が0.7リットルでアルコール分が40%だと、52*3*0.7*0.4・・=43.7リットル! こっ・・これは・・おれロシア人の2倍飲んでるがな!!!
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これがフランス人の2倍というのだったら筆者はフフンと笑って飲み続けただろうが、相手は国を揚げてアル中オリンピック大会をやっているロシア人である。それでこの後すぐに断酒を実行したのだが、牡丹燈篭のように頭の中から「おいで~」と手招きする酒の誘惑を断ち切るのは並大抵の事ではなかった。しかし筆者は誘惑が身を包んで何処かに連れ去ろうとする時にも「ロシアの熊どもみたいになってたまるか!」と心の中で叫んで必死に欲望と戦いつづけたのである。これは本当にきつかったが、やがて1年もすると酒の「おいで・おいで・」は影をひそめてきて、飲酒は顧客や友人と食事を共にする時だけにセーブすることが出来たのである。あ~命拾いした。
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筆者が意外と簡単にアルコール依存症から脱出できたのは、筆者の意志が強いわけではなく(これは後の禁煙の時に露呈する)、依存症が比較的軽症であったのと、ロシア人みたいになったらお終いだ!という分かりやすい反目標(目標の反対)があったからだと思う。さてこの後数年して筆者は仕事でロシアを何度も訪れる様になり、ロシアの男たちが国民スポーツのようにウォッカに溺れている光景を目にすることになるのだが、ロシア人の信じられない痴態を見るにつけ「君たちのおかげで俺は真人間でいる事が出来たんだ」と心の中で感謝の意を述べたのである。ありがとう!ロシアの呑み助たちよ。君たちが滅亡しても俺は君たちのことは忘れないよ!

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