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ロシア今昔物語

2018/07/12 14:13:10 | 昔話 | コメント:0件

今回のワールドカップで筆者が不思議に思ったのはドイツやアルゼンチン、ポルトガルにスペインなど強豪が敗退したことや、絶対に一勝も出来ないと確信してた日本が意外にも健闘したことよりも、カザンやサマーラ、エカテリンブルグなんて地方都市に外国人サポーターがワンサカ押しかけている事である。

はあ?お前なに言ってんの?熱烈なサッカーファンが祖国チームを応援しに来ない訳ないだろう?と思うだろうが、それは筆者も概念的には理解できるのだけれど、しかし少し前までロシアにしょっちゅう行き来していた筆者にはこの光景が想像しにくい、つまりそれくらいロシア奥深くに行くのはハードルが高かった・・という意味なのだ。

筆者がロシアに初めて入ったのはプーチン政権になるかならないかの頃で、マフィアによる国有財産乗っ取りは一段落して安定傾向に入った頃だったが、それでも筆者の滞在中にモスクワの劇場占拠事件やチェチェン抗争なんか起こっていたし、外国人がちょっと裏通りに入れば警官がたちまち寄ってきて拘束されかねない状態だったのだ。

当時のシェレメチヴォ空港を利用された方なら一度や二度は理不尽な目に遭ったことがあるだろうけれど、体制が変わっても人間や組織の考えや行動と言うのは案外と変わらない、つまり旧ソ連の行動様式はずっと続いていて、首都モスクワやサンクトペテルブルグならまだしも、それ以外の都市に行くのはかなりの覚悟が必要だったのだ。





で、話はちょっと変わるけれども筆者がモスクワに初めて行った時に面食らった話をしたい。営業マンならよくご存じの通り統計が信用できず、また十分な情報が無い国を初めて訪問する場合、最初に知りたいのはその国の市場規模、どの商品体系が年間いくつ売られていて、売れ筋商品がどう入れ替わっていくのか?などと言ったアウトラインである。

例えばこの日記ではデジタルカメラを扱っていたとしよう。市場規模を知るにはその国の代理店や客からの聞き取りを重ねていく方法もあるけれど、多くの客は自分を大きく見せようとウソを言うから、人口や所得レベルから買い替えサイクル期間を推測したり、実際に自分の足で電機屋やカメラ屋を回って推測を重ねていく方が精度が高い事があるのだ。

そして筆者は一応その分野では自信があったのだけれどロシアではこの手が通じなかったのだ。モスクワ中心部にはグム百貨店やツム百貨店、アルバート通りにターミナル駅のコムソモーレスカヤあたりの大規模店舗に行ったものの、そこにあるのは商品をデンと置いただけの不愛想な店ばかりで、訪れる客数を見てもなんと言うか消費のうねりが感じられないのだ。

それでロシア人客に聞いた「モスクワ一の卸売り街」というのも訪れてみたのだが、そこでいくら目を皿のようにして見回しても有るのは裏通りの寂れたタバコ屋みたいのしかないではないか・・。で、試しに店に入ってみようとしても大男のガードマンにドヤしつけられるばかりで最初の数日は答えが見つからないでいたのだ。





で、ロシアのデジタルカメラ需要はどえらく小さいんじゃないか・・と思ったが、しかし最初の視察からはじき出したロシア国内の市場規模とモスクワの最大顧客の販売実績を見比べるとケタがどうしても合わないから、「あの野郎は他に国に横流ししてるんじゃねーか!」と一時疑ったのだが(なんせ金はキプロスから来たし、品物はモスクワでなくイスタンブール渡しだった)、しかし事実は意外なところで判明したのだ。

札幌と同じようにモスクワでは地下街が発達していて、そこではタバコ屋サイズの狭苦しい店がズラーッと軒を並べて服やバッグ、化粧品に食品から家電製品から大人のおもちゃまで扱っているのだが、とある駅の地下街でロシア人が並んでいるので見ていたら、その先にどえらく貧相な店があって、しかしそこには最近発売になったNOKIAケータイの最新機種がうず高く積まれていたのである。

これ、世界中に大規模広告を打ってる最中の誰もが買いたい品物だから、ふつうは繁華街の量販店や直営店何かで売られるはずだが、しかしその時ゆっくり考えてみたら・・そう、そういう立派な店ってのも同じ所得レベルの国に比べればビックリするくらい少ない事を思い出した時に、ピカッと閃いたのだ。

この狭苦しい店たちがロシアの消費を担っているのである。長い事ロシアは共産主義国家であり、巨大天然ガス企業から美容院に至るまですべての経済活動は国家の管理下にあったわけで、しかしそれだと隣の農家で飼ってるニワトリが産んだタマゴを買うのに膨大な時間と手続きが必要になってしまうから、とうぜんヤミ経済が生まれるわけである。





ゴルバチョフが政権を取ってからは多少緩和されたとは言え、1991年のソ連邦崩壊までヤミ経済は基本的には取り締まりの対象であり、だからヤミ商店主たちはロシア版の銀座四丁目とか心斎橋筋商店街なんて場所に店を構えられるはずもなく、上野や鶴橋のガード下、それと全国各地にある地下街の一番目立たない場所で長年商いをしてきたのだ。

一方買う側のロシア人消費者にとっても、自分たちの欲しいものは目抜き通りの国有企業店には絶対に無いこと(あっても高い)、それは薄暗い小便の臭いが蔓延する狭苦しい店にこそあるのだ!という感覚が長年に渡って醸成されてきたから、これソ連が崩壊してエリツィンが「商店主は表に出てきて良いですよ!」と宣言しても、長年の地下潜伏でモグラ化してしまった彼らは表に出て来れなくなっていたのではないか。

で、その仮説に気付いた筆者は地下街や裏通りにある煤けた店を覗いては何が幾らで売られていて、どれくらい客が来ていたか・・なんてのをジッと見守っているうちに、これがまあ、この市場って想像するのとはケタ違いに大きい事が判っていったのだけれど、ただこれは今から20年近く前のことだし、筆者がロシアを最後に訪れたリーマンショック直前にはモグラたちはだいぶ地表に出て来るようになり街の景色も変わりました。

ただ人間の習性というのは案外と変わらないものだし、特に地方なんかはそれが顕著だから、今でもロシアの地方都市を訪問すれば「なんでこんなにモノが売ってないのだろう?」と思う事もあるのではあるまいか?で、そういう場合は迷わず地下街や裏通りに行きましょう。そこにはあなたも驚くほどの豊富なほど、それも合法非合法を問わず置いてありますよ。






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