急速に治安が悪化し始めたド田舎の村

2014/02/18 02:40:32 | フィリピン雑学帳 | コメント:0件

女房の実家で真っ昼間に寛いでいると、義父が筆者の傍に寄ってきて「昨日の夜に公園に一人で行った様だが、夜一人で出歩くのは止めてくれないか」と真面目な表情で言い出した。しまった・・ラフィーの野郎・・昨夜の40ペソの天使の話をばらしやがったな・・と思ったが、筆者の危惧感とは裏腹に義父が言ったのは「夜は危ないから必ず二人以上で歩いてくれ」ということだった。一体どうしたんですか?と聞くと、義父は苦々しげな症状で「犯罪が急に増えはじめているんだ」とつぶやいた。

この村は昔のような田舎の共同体意識が強く、よって治安は極めて良好で真夜中に若い女性が一人で歩いても何ともなかったのだが、この数週の間に空き巣や窃盗、はては強盗事件が何件も起こるようになってしまったという。先週だけでも70代の老婆が銀行からの帰り道に路上で引ったくりに遭い4万ペソ盗まれたり、看板屋の男が後ろから羽交い絞めにされ頭部を鈍器で殴られた挙句にバイクと所持金を盗まれるという事件が起こったらしい。また表沙汰には出来ないが主婦が強姦される事件も何件か発生しているという。「つい最近までは誰も家に鍵なんて掛けなかったのに、今じゃ強盗に怯える様になってしまったよ」と義父は吐き捨てるように言った。
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義弟にこの話の真偽を問うと「ブラザー。それは本当だよ。あいつらが来てから犯罪が多発するようになっちまったんだ」と口をとがらせて言った。アイツらって誰だ?というと「パッシグの連中だよ」と答えるが、筆者にとっては義弟の返事には言葉の肉付けが無さ過ぎて内容がチンプンカンプンである。パッシグの窃盗団がわざわざこんな貧乏な田舎に出稼ぎに来んのか?と不思議に思っていると、ここで父方の親類の中では一番聡明な従姉妹ミレットが筆者が五里霧中な表情をしているのに気付いたらしく、「この村に最近移住してきたパッシグ川岸の違法居住民たちのことよ」と助け船を出してくれた。

この違法居住民のことは車でパッシグ川を渡るたびに同乗者たちが話題にしていたので内容はある程度知っていた。川沿いに無数に建てられた掘立小屋がはるか彼方まで続く異様な光景。正に途上国のスラム街。その人口は10万人。ここの住民たちは二十年以上前にパッシグ川沿いの開いた土地に勝手に住みつき、以来市政府による立ち退き要求に屈することなく、出来るだけ多くの立ち退き料金をせしめようとあの手この手を使って不法占拠を続けていたのだが、ついに市政府が立ち退き料以外に代替居住地を無償供与すると大盤振る舞いしたたため、違法居住民は段階的にマニラ郊外の田舎に移住することに合意したのだ。そして女房の生まれた村にも数週間前にパッシグからの第一陣の数百人が移住始めたらしい。
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「ところがこんな田舎に越して来ても彼らには何の仕事もないから、あの連中はてっとり早く強盗に早変わりしたのよ」とミレットは笑いながら言った。パッシグ川に住んでいた時にはマニラ市内の路上でモノを売ったり廃品回収したりとかで日々の収入があったのだが、この村のような田舎には農業以外はまともな収入の道など有るわけないし、かといってジープニーで2時間かけてマニラ市内に戻って露天商をする気もない。それに市政府から貰った立ち退き料などとっくに飲み食いで使い果たしているようだから、今後生活を続けていくにはこの村で強盗・窃盗を頻繁に繰り返すのが一番簡単な収入確保の道である。正に野に放たれた肉食獣。しかもパッシグからの第2陣が今年後半にこの村にやってくるというから、この村の草食獣たちは一体どうなってしまうのか・・。

もちろん村の住民たちも手をこまねいている訳ではなく、村長であるバランガイ・キャプテンに何とかしてくれと陳情したらしい。ちなみにフィリピンでは問題が起こった時には警察に行く前にキャプテンに調停を依頼するのが習慣である。で・・このキャプテンは早速パッシグから来た移住者たちの代表者たちの元を訪れたのだが、この連中のものすごい剣幕に圧倒され返り討ちの目に遭ってしまい、スゴスゴどころかすっかりブルって引き返してきたらしい。こいつらは十数年もマニラ首都圏のいろんな政府組織と法律・人権闘争をやりあってきた云わば朝〇総連のような連中である。のどかな田舎村の世話役のオッチャンなどハナから手出しできる相手ではないのだ。
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結局パッシグから来た連中を制圧できるのは警察しかないのだが、この警察もすっかり平和ボケしてしまっているため、夜間のパトロールをちょっと強化したくらいしか発想が及ばず、結局まるっきり頼りになりそうにないらしい。義弟は「ブラザー。このままではこの村がおかしくなってしまうから、俺たちが自警団を組織して連中を見張るしかないと思ってるんだ」と物騒な事を言う。これじゃまるでパレスチナじゃないかと筆者がゲラゲラ笑いながら茶化すと、義弟は激高して「自分の娘がレイプされたり、家に強盗が押し入られるのを黙って見ていられるわけないだろうが!」と声を荒げて叫ぶ。まあまあ・・冗談言って悪かったよ・・とその場を取り成したが、人の親と言うのはこういうものなのだろうと改めて納得した。しかしこの10万人のパッシグの違法居住民たち、地方になんか移住せずにそのまま川沿いに封じ込めといたほうが良かったのではないだろうか・・。このままではこの村はボスニア・ヘルツェゴビナのように相互憎悪が高まって、最後は民族浄化でも始めるのでは・・・と一抹の不安を感じてしまった。

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