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バーボンとフランス系移住者

2018/04/09 13:41:07 | グルメ | コメント:0件

バーボンは苦すぎる・・。これは子供の頃にみた松田優作主演映画のあるセリフだが、給料を貰う身分になってバーに行き始めた頃にこのセリフを言ったところ大恥をかいた事がある。もう四半世紀も前の事だが酒飲みのオヤジ達から「おまえなあ、バーボンは甘めの酒なんだぞ」と小馬鹿にされたのだ。

顔から火が出る思いだったが、しかし当時の筆者はペーペーのペーだから色んな酒を嗜めるような懐具合じゃないし、それに銀座の勤務先から歩いて大手町のパレスホテルのバーに行けば当時凝っていたカクテルが優先だったからでスコッチのシングルモルトなんて呑んだことが無かったのだ。

しかし27歳の時に香港に海外赴任し、当時住んでいたアパートから歩ける範囲にペニンシュラホテルがあったので、女性のいる飲み屋に行かない日は良くそこで時間を潰していたのだが、ある時サイドカーを頼んだら長老バーテンダーのジョニーがバーボンのボトルを取り出したのにビックリしてしまったのだ。

サイドカーと言えばベースはコニャックである。ところがジョニーは「うちのレシピではバーボンを使うんですよ」とほほ笑んだのだ。大手町のパレスホテルも炭酸系のフィズになぜか牛乳を入れるので不思議に思っていたが、それはこのホテルが三菱系列であり料理人からバーテンダーまで日本郵船の外洋航路客船の作法を引き継いでいるだからだと聞いてフム!と納得したのだ。

名門バーがこうした変形レシピを受け継いでいくのはよくある事で、香港一、いや東洋一と称されるペニンシュラがコニャックの代わりにバーボンを代用するのもイギリス植民地行政官の反フランス感情とか、マラリア除けのキニーネを混ぜて飲む場合はブドウ系統の酒はちょっと・・云々の理由があるらしい。





とまあいい加減な理由で筆者の脳内では松田優作のセリフは間違いで。バーボンはコニャックと同じ甘い酒カテゴリーに収まったのだが、さて大学時代の先輩で現在は酒販会社を営む大学時代の先輩が酒会社の招待でアメリカに行き、ケンタッキー州の田舎町の写真をフェイスブックにアップし始めたのだが、そこでオッと目を見張るコメントが書かれていたのだ。

バーボンの本場の地名はケンタッキー州ルイス・ビル(LOUIS VILLE)だ!という一説である。多少ヨーロッパを齧られた方ならお分かりの通りこのVILLEは元々がフランス語の町を表す意味で、LOUISというのもフランス系の名前だからフランスに縁がある土地柄な様だが、その時筆者の脳裏によみがえったのはジャック・ダニエルのラベルに書かれた原産地である。

テネシー州LYNCHBURG。BURGはドイツ語の町とか村の意味でだが、ワイン好きの方ならもうわかりの通りLYNCHBAGES、そうフランスの清酒八海山的なシャトー・ランシュバージュと同じ意味だ。それとバーボンと言う地名はフランスのブルボン王朝BOURBONから来ているんだよ・・というその昔どこかの酔っ払いから聞いたウンチクを思い出したのである。

そうなのだ。とっくの昔に忘れていたがアメリカ南部はアメリカ独立戦争を過ぎたあたりまではフランスの植民地で、ウィスキーの本場ケンタッキー・テネシー両州とはミシシッピー河をまたいで接しており、イギリス系が多く住む棟部よりも河川貿易を通じたフランス系住民の牙城セントルイやニューオリンズとの結びつきが強かったはずなのだ。

ケンタッキー州やテネシー州にだってフランス系入植者も数多く住んでいたはずで、だからこそルイスビルやリンチバーグなんて地名が付いたのだろうが、フランス系たちは酒を呑みたくとも、西海岸ならともかく湿気ねっとりの南部じゃブドウは育たないから酒で一儲けを企む起業家たちはどこでも採れるトウモロコシから蒸留酒を作ったのだろう。





ただしバーボンを最初に作ったクレイグ牧師ってのはどう読んでもスコットランド系の苗字だし、ジャック・ダニエルとオールド・クロウの創業者もスコットランド系なようだから、筆者が想像するに出来上がった最初のブツは今よりもずっと苦い、正確に言うと麦が原料のスコッチウィスキーに限りなく近い代物だったのではあるまいか。

で、陸路で運んだ東部13州のイギリス系顧客たちには苦めのトウモロコシ蒸留酒はそこそこ好評だったのだろうが、しかし川向こうのフランス系たちからは「こんな苦い酒飲めるか!」「なんだ!こりゃ豚の小便か!」「だからイギリス人は味音痴なんだ!」「もう一回作り直せバカヤロー!」と悪態をつきまくられたのに違いない。

それで蒸留所のオーナーたちは頭を悩ませたに、紆余曲折の結果いまのバーボンウィスキーの甘めの味を完成し、まあフランス人入植者たちも「コニャックには及ばぬがトウモロコシじゃこんなもんだろう」とどこかで妥協したのではないだろうか。

ただしその後はリンゴが原料のブランデー、そして海上輸送の発展でカリブ海からラム酒が、大西洋の向こうから本場のコニャックが入ってくるようになるとフランスの末裔たちはそっちに流れてしまい、一方苦いスコッチ好きなイギリス系住民が年代を経てバーボンの味に目覚めた‥と言う皮肉なヒストリーを辿った・・なんて思ったのだ。

とまあ筆者の勝手な想像を先輩に送ったところ、ははは、だったらこっちの連中に聞いてみるよ!と返事が来た後はそれっきりになってしまった。だけどバーボンと言う地名はジェファーソン大統領が命名しただけで・・とか、トウモロコシの糖度が高い事からバーボンの甘みが‥なんてのよりも筆者の想像の方が面白いではないか。なので今度バーで創作ウンチクを語ってみるか。






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