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ロシア元スパイ暗殺の謎

2018/03/30 11:53:40 | ニュース | コメント:1件

ロシアの元スパイであるスクリパリ氏が暗殺未遂されたことでロシア政府に対する警戒感が高まり、米英両国はロシアの外交官数百人の国外退去に踏み切るようだが、しかし・・これだけイギリスが騒いでいるのだから確たる証拠があるのだろうけれど、筆者は「この暗殺って本当にプーチンの指示なの?」、いやそもそも「ロシア政府が関係してるんかい?」と首をひねってしまった。

なにバカなこと言ってるんだ!という批判は承知の上である。じっさい筆者だって事実はそうなんだろうな・・と思っているけれど、しかし気になるのはスクリパリ氏が属していたのは政治系のSVRやFSB(両者とも旧KGB)ではなく軍系のGRU(ロシア軍情報総局)所属だったことなのだ。そう聞いても「軍の情報部、ああそうですか?」と受け流してしまうが、実はこのGRUってそんな事では済まない複雑怪奇な組織なのである。

GRUについては以前の日記にも書いたので興味があればそちらを読んでいただきたいが、結論から言うと旧KGB系の職員はソ連なりロシアなり政府のため「だけ」、つまり一人のご主人様の下で働いているのに対し、GRUは軍とは別に重火器やミサイル、潜水艦や戦闘機に化学兵器から銃弾まで作る旧ソ連圏の軍事産業のため、つまり二人のご主人様がいるのである。

これ軍事産業の売上高予測をする立場になって考えれば簡単に判るのだが、平和な時代には戦闘機の調達数は限りなくゼロに近いが、ひとたび戦争になれば軽く千機くらい注文が来る、ものすごく振れる商売である。しかしこれ作る側にしてみればいきなり注文が来たって出来ないし、毎年100機くらい安定的に売らないと生産設備や人員の維持さえできないではないか。





そこで登場するのがGRUなのだ。一見変な話だが自国の軍事産業力を維持・育成するためにロシア政府以外のバイヤー、例えばイランやシリア、キューバに南米の反政府ゲリラなんてロシアの国益にかなう買い手を探すのだ。そして正攻法でやっても注文は取れないときはGRUお得意のハニートラップや政治暗殺、謀略活動なんて手荒い手段訴えるのである

ずいぶん前のテレビ番組で公安調査庁OBの菅沼光弘が「オウム真理教のメンバーたちはロシア軍ではなくGRUの部隊で軍事教練を受けていた」と暗にあのテロ事件の背後にGRUがいたことを臭わせたが、確かにあの時期のロシアの軍事産業はソ連崩壊をうけて青色吐息の状態に陥っており、どこかで大きな戦争が起こってくれないか!と渇望していたのだ。

筆者はオウム真理教の背後には核開発を進める北朝鮮と軍政終了で行き場を失った元KCIA幹部と子飼いの統一教会がいたと考えているのだが、しかしそもそもあの当時の北の核開発プロジェクトの資材や技術を提供したのは誰なのか?もしかしたらロシアやウクライナの軍事産業で、そこにGRUが介在していたのではないか?とも思えてくる。

あと筆者が「これは絶対にGRUが仕掛けた戦争だ!」と思うのは90年代のユーゴスラビア紛争で、親ロシア系のセルビア民兵組織をけしかけたおかげでロシア南部の軍事産業が一時期息を吹き返した話をロシア人の顧客たちから随分と聞かされたのだが、ちょっとこれ書くと長くなるので別の機会にするけれど、以上長々と書いたがGRUはこういった工作はお手の物なようである。





で、現在死の床のいるスクリパリ氏がスパイ時代にどういう活動をしていたのかは詳細が出ていないので何とも言えないのだが、昨今の北朝鮮のミサイル開発の急激な躍進は本当に自力で出来たのか?イランやサウジアラビアが極秘裏に進めている核開発計画にはGRUが深く食い込んでいるのではないか?そういった危ない枠組みの中にスクリパリ氏がいたのではないか?といった疑問が次々と頭に浮かぶのである。

ところが報道をみてもスクリパリ氏の経歴はスコン!と抜けているし、あと一部の評論家がソ連外交官に扮したスパイを取り締まるべき!などとピントが外れたコメントが出されているけど、あんた武器商人だったら大使館なんか出入りせず、裏町の小汚い雑居ビルに○○貿易なんて看板掲げている方が普通なんじゃないですか?と言いたくなってしまう。

武器商人の事に興味があれば戦前の明石元二郎や昭和通商なんかを調べていただけば良いのだが、敵国のソ連に中古の銃を売ったり、戦闘の最中に国民党軍の将軍とアヘンとドイツ製兵器を交換したりと一般人から見ると複雑怪奇な取引をしているのだが、しかし自国の軍事産業の操業維持(あと商流を使った情報取集)という視点を加えれば「なるほど、そういう事だったのか?」とストンと落ちるから面白い。

だから今回のスクリパリ氏の暗殺と英米両国の過剰な反応もメディアに流れているのとは別の筋書きがって、おそらくGRUと背後の軍事産業、そして戦略物資や技術の闇のシンジケートを抑えるためにスクリパリ氏は生贄の羊にされただけ、叩きたいのはあくまでこのシンジケートでありプーチンは副次的なターゲットなのでは・・などと思っている次第です。






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コメント

ロシア人元スパイ暗殺未遂

2018/03/31(土) 10:49:27 | URL | pinponpan #-
「ロシア人元スパイの暗殺未遂事件」の首謀者は大方の見方通りプーチンだと考えます。「偉大なるロシアの偉大なる大統領」を目指す元KGB長官は、シリアとウクライナで成功をおさめ、北朝鮮でも成功を収めつつありましたが、その性向の原動力はスパイ網と武器輸出にあると言えるでしょう。これらの情報の漏洩はプーチンの目的の大きな障害になります。最近「スウェーデンはエストニア、ラトビア、リトアニア諸国で起きるかもしれない内戦に備え、軍備を増強中」というニュースを読みました。近隣でウクライナを誕生させないという意思の表示だと思います。

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