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モナコでは勝てない!

2018/03/27 16:11:40 | 昔話 | コメント:1件

筆者が営業マンとしてまだ駆け出しの頃、そばで英字雑誌を読んでいた上司の姉御(通称)が「アッ!」と声をあげたことがあった。それはヨーロッパのロマンティックな王国モナコに集まるセレブリティといった記事で、浜辺でこんがりと肌を焼いている金髪碧眼のネーちゃんとスポーツマンっぽい男たちが写っていたのだが、姉御はその中の一人をじっと見ていたのだ。

エラいのを見つけたわ!と言うや姉御は個室でいつもヒマにしている青木部長のもとへ向かい、そこで何やら喧々諤々の会話をした挙句に筆者の席に戻ってきて「今から弁護士事務所に連絡を取るから、あんたはX社の資料を全部かき集めて!」と命じられたのだ。X社とは2年前に支払いがストップしたまま係争中のイタリアの会社であった。

揉めたのは配置される前の話だから筆者はX社とは直接面識がないのだが、この会社向けの特別仕様の製品を作ったものの契約途中でベロッキオ氏という謎の共同経営者が現れてから支払いが滞りはじめ、ついに支払いも仕掛品の購入もストップされたままオーナーとベロッキオ氏は雲隠れしてしまい、筆者の会社は仕掛品もふくめると約十億円の損失を被っていたのである。

それで弁護士を通じて支払い督促とかいろんな手段に出ていたのだが、なんせ全然知らない所で経営権がベロッキオ氏に移転している事が発覚したり、会社自体は倒産せずに登記したままなので特損処理の手続きも取れないなど中途半端なままだったのだ。さらに困ったのはベロッキオ氏が武器商人という非常に危ない本業をお持ちの事であった。





武器商人と聞くとロッキードやボーイングなんて大企業が頭に浮かぶが、これは相手が日本政府とかスペイン政府なんて合法取引かつ支払い能力もしっかりしている場合だけで、アフリカの小国や反政府組織なんか相手にしているのは社長一人に秘書二人みたいな小企業であり、ウクライナやチェコの小重火器メーカーはこういう零細商人を武器販売代理業者に任命して商売しているのだ。

ただコンパクトカメラやチョコレートと違って危ない商品を危ない連中相手に売る訳だから、当然ながらその背後にはマフィアや怪しげな政治結社なんてケツ持ちがいるわけで、ベロッキオ氏にもそういう手合いがワンサカついていると評判だったから、こりゃ債権回収は無理だな・・と半ば諦めていたようなのだ。

ところがその行方知れずのベロッキオ氏がモナコにいるらしいので、だったらモナコの法人登記を調べてみてベロッキオ氏の会社が見つかればダメもとでそこへ支払い督促の訴訟をしてみよう!というのが姉御のアイデアだったのだ。連帯保証の適用範囲や法的拘束力など疑問はかなり有るが、気の強い姉御は一発食らわせなきゃ気が済まない!という心境だったのだ。

それで青木部長の古巣のロンドン支店へ連絡を取り、この手の訴訟に精通したイギリス人の弁護士を雇ったのだが、あれだけ燃えていた青木部長と姉御の表情が日を追うごとに曇って行き、ついにベロッキオ追跡は断念したのだけれど、その理由と言うのはイタリア国内の債務は別の国では適用うんぬんという至極真っ当な理由ではなく「モナコじゃ絶対に勝ち目がない」というものだったのだ。(続く)






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コメント

2018/03/27(火) 16:19:38 | URL | さくら #-
突然の訪問、失礼いたします。
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色々なブログをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
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