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チャイナウォッチャーたちの飼い主

2018/02/27 12:03:42 | ニュース | コメント:1件

中国の憲法改正により習近平政権が長期化する見通し!というニュースを見た時に筆者の脳裏に「とある方々」の顔が浮かんだ。昨年11月の党大会前には「習近平の独裁化が進む」とこの時期は正しい事を言ってはいたが、12月からつい先週までは「習近平は失脚の恐れがある!」とアベコベの話をしていたチャイナウォッチャー、自称中国通のジャーナリストたちである。

ただ共産党政治局常務委員会(チャイナ7)は仲良し内閣とはほど遠い権力闘争の場であり、国家主席とは言えいつ失脚するかも判らんし、分析の間違いは誰だってあるからあげつらう気はないけれど、実はチャイナウォッチャーたちの話は自分の分析ではなく彼らの飼い主たちの意向をそのまま受けているだけだから困りものなのである。

共産主義青年団。8000万のメンバーを抱える中国共産党の青年組織で、胡錦涛や胡耀邦に趙紫陽、そして現在中国ナンバー2の地位にいる李克強総理ら錚々たる指導者を輩出した、文化大革命以前は人民解放軍、天安門事件以降は江沢民派と権力を二分してきた一大政治勢力である。実は世界中のかなりのジャーナリストは共青団の広報マンになっているのだ。





なんでこんな事になったのか?と言うと、昔から中国共産党は昔からメディアに対してードが固く、一番上の7人はおろかその下の政治局員、さらのその下の370人いる中央委員たちでさえ海外メディアは食い込むことができず、メディア各社の北京特派員と聞くと格好は良いが実態は新華社や環球時報など公営メディアの公式発表を指をくわえて待つしかない身なのだ。

しかしロンドンやニューヨーク、東京の本社からは「スクープ取ってこい!この役立たずめ!」とぎゃんぎゃん怒鳴りつけられてしまうから仕方なく自分たち独自の情報源を持とうと躍起になるわけで、それで中南海の大物たちにアプローチしては断られ、また誰かを見つけては追い払われの繰り返しになるわけだが、彼らは最後にたどり着くのが共青団なのだ。

共青団って日本で言うと全国の大学自治会と労働組合青年部、青年商工会議所に地域消防団とボーイスカウトと草野球連合会を合わせたような組織で、たいていの外国人特派員たちや支局勤務の中国人なんかが情報を得ようと辿ってゆく北京大学や北京語言学院の同窓会、県人会なんて伝手を網の目の様に持っているのが共青団なのだ。





当たり前だが人民解放軍は商売がら近づいてくる外国人を警戒するものだし、江沢民派はとにかくカネカネカネ!だから外国人投資家か経済記者ならともかく政治記者なんかに用は無いわけで、一方の共青団は森田健作の青春ドラマ風の案外と善良な人間が多いのと、もともと広報宣伝に熱心な組織ゆえどんな田舎の支部であれ外国人でもウェルカムなのだ。

で、地方の共青団なんか行くと幹部たちが総出で迎えてくれて、キラキラした目で先端技術の学習に励む理系青年や社会奉仕活動に従事する純朴な少女なんてのを見るうちに心が融解し(特に学生運動世代がこの手のシーンに弱い)、「私の前任者が在北京で偉くなってるから私の紹介状を携えて尋ねてみたらどうですか」なんて言われようものなら「中国の未来を担うのは彼らであるべきだ!」とすっかり思いこんでしまうのだ。

どのメディアでも「江沢民派は腐ってる!」「人民解放軍は軍事拡張主義の先兵だ!」とこき下ろす一方で「共青団は親日派が多い」「共青団が政権を握って近代化を進めるべきだ!」「共青団の純粋な青年たちの・・」と持ち上げるのはそうした事情があるからなのだが、既にお分かりのとおり情報を取るつもりが実はすっかり取り込まれちゃってるのだ。





で、こうしたチャイナウォッチャーたちに対して普段は「改革開放経済で湖南省に万元戸が誕生」から「次回の学生運動大会は西安で開催されるらしい」とか「ハルピンの動物園で六つ児のトラの赤ちゃんが生まれた」なんてどうでもよい情報を与え続けてきたが、いざ中国国内で政局に大きな変化が出るとこのチャンネルを使って誘導情報を流して国際社会の世論喚起を狙うのだ。

だから昨年秋から現在までの数か月間で習近平の権力状況についてチャイナウォッチャーたちの意見が二転三転したのも、党大会前には天敵江沢民派への習近平のスタンスがいまいち見えないから取り敢えず牽制し、党大会後にははチャイナ7のうち5つを共青団出身者が獲得した事から今度は守る側に回った・・という共青団のお家事情を受けての事なのである。

だから今後中国相手に仕事をする方は、世に沢山いるチャイナウォッチャーは大抵が共青団の紐付きであり、彼らの発言は割り引いてみること、そしてバ共青団のライバル、例えば政治協商会議あたりが一番良いと思うけど、こうした別組織の情報にも目を向けてバランスをとるよう心掛けてほしい。これすでに一線から身を引いて久しいが、さんざん中国相手に手こずってきた筆者から次の世代への助言です。






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コメント

4名は本文とは関係ない参考写真ですよね?

2018/02/27(火) 16:10:03 | URL | 名無しさん #-
富坂、福島、河添、宮崎、この中で、富坂は中共の批判は正面きっては絶対にしません(逆に習の反腐敗闘争を賛美する発言は聞いたことがあります)。

福島は一応、明確に「権力闘争で習が失脚の恐れがある」と2月に公の場で分析したことは知る限りありません(TBSラジオ、チャンネル桜のレギュラー等)。この四人の中では最も中立に近いポジションかと。

河添と宮崎は「反中共」で食ってるチャイナウォッチャーですが、「暗殺による失脚」には度々言及されているものの、権力闘争で習が敗れるというような分析は一貫してしていないと感じております。
もちろん、宮崎あたりは「中国崩壊するする詐欺」を20年来続けているので、小生が知らないところでトンデモ論を唱えていたかも知れませんが、、、(敬称略)




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