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ワイン嫌いのワイン自慢話

2018/02/21 11:58:24 | 昔話 | コメント:0件

筆者は子供のころからブドウが嫌いなため当然ワインが苦手である。ただ5年前まで海外営業マンだったから仕事柄顧客と食事をする機会が多く、そういう時はたいていシャトー・ウンタラカンタラーなんてヴィンテージワインが出てくるので閉口してしまうのだが、、しかしそんな筆者でも人生で一度だけ美味いワインに出会ったことがある。

フランスのアルザス地方の顧客を訪問した折に、キミのためにここらじゃ一番のレストランを予約してあるんだよ!とずいぶん長いことクルマに揺られて連れていかれたのが荘園領主の館といった風情の建物で、まあサーモン・スフレを前菜に一杯飲みましょう!と客が頼んだ白ワインが出てきたのだが、一口飲んだときにウン?となってしまったのだ。

「これはシャンパンの一種ですか?」筆者はそう聞いたのである。もちろん泡が出てないから発泡酒なはずも無いのだけれど、しかしその飲み口の爽快さと言うか口当たりの良さが絶妙で、それまで筆者が飲んできたいかなるワインとは全く違ったものだったからだ。

いえいえ、これはブルゴーニュ・ワインですよ・・とフランス人は銘柄を言ったのだが、ワイン嫌いの筆者にはそんなの火星語と同じだから判るはずも無い。しかし同行したワイン好きの上司によるとそのワインは酒屋で買えば一本1万円くらいで、飛び切り上等なヴィンテージものではないそうなのだが、その上司も「いったいどうやったらこんな味に!」と絶賛していたのだ。





そしてその後は鹿肉のステーキとかフォアグラとか肉類がメインとなり、当然酒の方も赤ワインへと変わったのだが、これがまた筆者でもちゃんと呑める逸品で、つまり筆者みたいにブドウ嫌いでない万人にとっては実に素晴らしい!の一言に尽きる極上品で、一体なんでこんなワインが存在するのか?と衝撃を受けてしまったのだ。

しかし答えは途中トイレに立った時に壁に貼られた写真の数々を見て判ったのだ。ロックフェラーにプリンセス・ダイアナ、そして我が国の皇太子・・。実はこのオーベルジュ・ド・リルという店は三ツ星レストラン、しかもぼったくりが横行する首都パリの三ツ星と違って料理とサービスの質で定評のある数少ない地方の三ツ星レストランの一つだったのだ。

それまで筆者にとって世界中のソムリエは高い酒を呑め!と催促する天敵でしかなかったが、こうした店ではちゃんとしたソムリエたちを雇っていて、当然ながらワインだってちゃんとした保存方法をしているから本当の混ぜ物でないありのままの味を楽しめるのだ・・とアルザスの顧客は楽しそうに説明したのである。

実はこれと同じ経験を筆者は10年後に意外な場所でしたことがある。それは大阪・阿倍野の明治屋という昔ながらの居酒屋でのことで、この凛とした空気に満ちた店の事は以前の日記で書いたので興味があれば読んでいただきたいし、大阪に行かれたら何をさておいてもこの店を訪ねて欲しいのだが、一合480円の八海山本醸造(一番安いやつ)を呑んだときに衝撃を受けたのだ。





「おれが今まで有難がって呑んでた日本酒は何だったんだ」と叫びたくなるほどの別次元の美味さだったのである。ただ「なにか特殊な保存方法をしているのですか?」店の女主人に聞いても冬のバイカル湖のような冷笑を返されただけなので真相は不明だが、おそらく座敷牢のような蔵が地下深くにあって無数の樽が並んでいるに違いない。

ごくごく普通の醸造酒でも昔ながらのちゃんとした保管方法をすれば劇的に味が変わる。安売り店でキューバ産の葉巻を買ってきてもキューバと同じ気温と湿度で保存すれば絶妙な逸品へと生まれ変わるように、旨いモノを客に供しよう!という気概を持った店はちゃんと食べモノ屋の基本通りに手間ヒマをかけているのだ。

で、その後筆者はパリでもミラノでもうんと名のあるレストランに行ったけど正直このオーベルジュ・ド・リルの料理・ワイン・サービスと並ぶ店はついぞ巡り会えなかったのだが、しかし後にオーベルジュ・ド・リルが東京に支店を出した!と聞いたので、知り合いでこの手の店に顔が利知人に予約をねじ込んでもらい、ダークスーツを着込んで店に向かったのだが・・。

料理は期待値の30%をかろうじて割るくらいだったけど、フランス帰りの日本人ソムリエというのがワインより投資信託を売る方が似合いそうな野郎であり、そこで出てきたワインとはスーパーマーケットに置いてある方がまだマシじゃないか‥いう代物であった。だからワインを骨の髄まで愛する方は「おフランス」の地方都市へ行かれることをお勧めします・・。






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