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逆境を生き延びた女性ロッカーたち

2017/11/17 13:42:11 | 映画音楽文芸 | コメント:2件

ネットでSHOW-YAの名前を見つけるや懐かしさが込み上げてきた。筆者と同じ世代ならご記憶の方もいるだろう80年代に活躍した女性ロックバンドである。学園祭実行委員だった筆者は副委員長から「悪いがコンサートの警備に回ってくれ」と言われ、これを安請け合いしたところ革ジャンに金髪トンガリ頭のアンちゃんたちからえらい目に遭わされたのだ。

筆者は高校生の時から洋楽専門だったので、SHOW-YAと聞いてもレベッカやプリンセス・プリンセスなんかとの違いがさっぱり分からず、まあステージ前にはみ出てくる観客に注意を与えていれば良いんだな‥と思っていたのであって、彼女らのファンたちがパンクと大して変わらない連中だとはちっとも知らなかったのだ。

しかし今となってはこの一件は懐かしい思い出だし、それに当時流行った山下久美子やシーナ&ロケッツ、サンディー&サンセッツ、ZELDA、それと筆者の中で当時ナンバーワンだった白井貴子なんかを思い出したので動画サイトで彼女らの曲を聞いてみたのだが、しかし彼女たちは本当に不運だったな‥としみじみ思ってしまったのだ。

と言うのはこの時代はMTVの登場によって英米の音楽が急速に浸透した時代だからだ。それ以前の洋楽と言ったら2500円するLPレコードから流れてくる音と歌詞カード、それとミュージックライフで時たま取り上げられる記事だけしか接点が無かったのに、それが映像になったのだから影響力はそれまでとは比較にならないほど強まったのだ。。





ポッパーズMTVやベストヒットUSAといった洋楽番組はほぼ毎晩テレビで放映されていて、チャンネルをひねればそこにはマドンナやプリンス、ヴァン・ヘイレン、U2なんかがいるわけである(それにホームビデオが普及したから録画して何度も見れた)。しかもそれまでの地味なビリー・ジョエルやビージーズ、TOTOとなんかと違って彼らには圧倒的なパワーがあったのだ。

だから筆者みたいなミーハーな高校生たちは「日本のロックなんか聞いてられっか!」という風潮になってしまい、ましてや女性ロッカーとなるとブロンディやハート、ゴーゴーズ、バングルズなんて世界的なお姉さま達の最新曲が毎晩テレビに登場するわけだから、わざわざレンタルレコード店にカネを払ってZELDAの曲を聴く気になどなれなかったのだ。

それと当時の芸能プロダクションは70年代のアイドル歌手用フォーマットから抜けきれなかったから、知名度を上げるためにはプリンセス・プリンセスや渡辺美里みたいに歌謡曲路線と妥協するか、ロッカーとしての自分を通すなら自主制作レコードとライブハウスという非常に狭い範囲でしか自分たちを表現できないというジレンマにいたのである。

ただ1990年代に入ると今までヘンテコなバンドだな‥としか認知されなかった連中がイカ天で一気に表に出てきたことで世間に認知され、やがて女性ロッカーも一つのジャンルとして定着するようになった訳だけれど、この83年のMTV登場から90年代のイカ天までの数年間は彼女たちにとっては素直に自分を表現しにくい時代だったのだ。





それで本当に久ぶりに白井貴子を聞いてみたのだが、ああ・・高校時代の懐かしい記憶が蘇ってきて目頭が熱くなってしまった。その後ZELDAを聞いたら・・「これ、いいじゃん!」とちょっと驚いてしまい、それと筆者が存在さえ知らなかった少年ナイフも「こりゃまた大変よろしいじゃないの!」と感じ入ってしまったのである。

何を今さらな話だけれど、今から30年以上前の女性ロッカーたちはかな~りレベルの高い音楽を創っていたことを再発見したのである。それを今ごろになって気が付くオレはバカだな・・と反省してしまったが、しかし・・なんと彼女たちの多くは今でも音楽活動を継続していると知って・・ちょっと嬉しくなってしまったのだ。

SHOW-YAはボーカル寺田理恵の呼びかけで2005年に再結成し、サンディーは何故だかハワイ音楽に宗旨替えをしたが現役で、白井貴子はミニライブ活動、そして残念ながらシーナは死んでZELDAは解散してしまったけれど、他の女性ロッカーたちもネットや地域ライブを通じて今でも活動しているそうである。

なるほど・・スティーヴィー・ニックスやスージー・クアトロもそうだけど女性ロッカーは灰になるまで歌い続ける生き物なのだな・・と納得してしまう筆者。だったらかつてキミたちを「お呼びでない」と無視し続けた筆者もお詫びとして残りの人生で皆さんと少しばかりお付き合いしていきますか・・という心境になった。






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コメント

2017/11/18(土) 01:13:12 | URL | 名無しさん #-
筆者さま

偶々貴兄のブログに辿り着き、興味深く拝読いたし、貴兄の文章力に敬服いたしました。新宿ディスコの不幸な事件などリアルタイムで経験し、生活圏のかぶり具合に親近感を覚えた次第です(出身高校も二年程上ですが、女子がいた方なら同じかもしれません。)。

貴地を訪れたことは一度もありませんが、くれぐれも風土病の罹患などにはご留意され、これからも健筆をお続け下さるようお祈りいたします。

2018/11/25(日) 13:41:27 | URL | ブログ主 #-
男子校の方です

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