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日本にスパイ機関が無い理由

2017/11/09 13:42:24 | ニュース | コメント:0件

近隣諸国との軍事的緊張が高まる中「日本国内にもCIAみたいな海外情報機関が必要だ!」という意見が噴出しているが、しかし議論の場で誰かが「そんなのアメリカが許すわけがないよ」と発言すると、それを聞いた他の人間も「確かにそうだな」と急に段々トーンしてしまう・・。だいたいこういう形で帰結してしまいがちである。

このアメリカが許すはずはない・・という根拠は日本が敗戦国だからで、この国を二度と立ち上がらせてはならない!というアメリカの強い意志の結果の表れ、自前で情報が取れない片翼飛行の国にする!という準植民地政策の一つ・・と物知りな評論家たちは主張するが、しかしこれ反面正しいが反面は間違っているのだ。

何故ならGHQが日本解体にせっせと勤しんでいるさなかに、河辺虎四郎や有末精三、辰巳栄一に服部卓四郎といった旧日本軍の将官、特にソ連情報に強い情報畑の参謀を集めて秘密情報部隊を作っていたからだ。目的はもちろんアジアに侵食する共産主義を食い止めることである。(詳細が知りたい方はKATOH機関とか柿の木坂機関で検索して欲しい)

そして同じころに海の向こうのドイツでも同じ動きがあって、ドイツ国防軍の対ソ連諜報責任者だったゲーレン将軍を中心に秘密情報部隊が結成され、ただしドイツに駐留したアメリカ将官は後年」「ゲーレンは案外と期待外れだった」と漏らしているのだけれども、この秘密部隊が後にBND(ドイツ連邦情報局)という第一級の情報組織昇格したのである。





同じ敗戦国で同じような動きをしながらも日本とドイツでは答えは全然違っている。で、この不可思議な点についても前述の物知りな評論家たちは「日本への憎しみが強かったからだ」とか「人種的偏見に基づくものだ」といったもっともらしい理由を挙げているが、本当の理由は日本の将軍たちはゲーレンよりも遥かに役に立たなかったから・・というのが実情なのである。

1945年夏の地図と1950年の地図を見比べていただくと一発でわかるが、ゲーレンが担当したヨーロッパではこの期間に赤い国が一つも増えていないに、片やアジアでは連合国の一員であり欧米列強が日本よりもはるかに重視と見なしてきた中国がこともあろうに共産主義陣営の手に墜ちてしまい、さらに朝鮮半島の38度線でアメリカ軍と対するという世紀の大誤算になってしまったのだ。

この点については中国国民党の機能不全説や、マーシャル米国務長官のコミンテルン説などと色んな説があるのだけれども、とにかくアメリカのアジア政策が完全に破綻してしまった原因の一つとして2つの情報ソース、旧日本軍将官と中国国民党がお話にならないくらいお粗末だったから・・というのがアメリカ軍の公式見解なのである。

蒋介石の周辺にいる人間が腐敗に極みにあった事はアメリカも流石に知ってはいたが、はて?そうは言っても一時期は西太平洋を席巻した旧日本軍の参謀たちがなにゆえここまで機能しないのか?というワシントンDCの質問に対し、GHQからは「彼らは生活のため粗悪な情報を捏造しては高値で売りつけに来る詐欺師である」と回答しているのである。





この旧日本軍将官像については「心の底でアメリカを憎んでいた」から「彼らはあくまで作参謀であって戦略参謀たり得なかった」「アメリカは自分の失敗を他人のせいにする癖がある」など色んな意見があるだろうが、その頃巣鴨プリズンから出所してアメリカに情報協力していた児玉誉士夫など「こいつは単なるギャングであり絶対に信用してはならない」などと公文書には書かれているのである。

案外大したことが無かったが信頼は出来たドイツのゲーレンとは違い、日本の将官や児玉ら戦前特務機関員はゴロツキばかりなため「こりゃ日本人に海外情報を扱わせるのは無理だ」となったのである。で、海外情報はアメリカが今後一切提供することにし、日本人は日本国内の情報だけやってろ!という事で旧内務官僚でずっと国内畑を歩んできた村井順を新設の内閣調査室のトップに据えたのだ。

信用できない人間を情報機関に配置すれば、そこには敵のスパイや情報ゴロといったゴミみたいな人間が集まってきてしまい、やがてその情報機関そのものが外国勢力のために働くようになってしまう。多くのジャーナリストや学者たちはワシントンとGHQとの間で交わされた電文を目にしたときに、そこから滲み出る彼らの危惧感に気づいたはずである。

しかしだからと言って今後も海外情報機関は要りませんね!では済まない訳だから、「アメリカがそんなの絶対に許しませんよ!」という安易な宿命論に逃げ込むのではなく、海外情報機関を設立するために何がハードルになっているのか?を理詰めで議論すべきなのだが、しかしある理由から・・それが出来ないのだ。なので次の日記でこの事について書くことにする。






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