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雨の中の涙のように・・

2017/11/03 09:00:53 | 映画音楽文芸 | コメント:0件

映画評論家の町山智浩の動画を見ていたら「ブレードランナーの新作がもうすぐ公開される!」と聞いてエッ!と驚いてしまった。あの映画史上に残る屈指の名作に続編を作るなんて・・・。一体誰が監督をするのかは知らないが前作と比較されて徹底的に貶されるのは確実だからあまりにも無謀な話である。

それと多くの方がご存じとは思うが、実はこの映画が1982年に公開された時は全く評価されず興行的には失敗していたのに、家庭用ビデオデッキの普及によって注目され、やがて映画のみならずアートや建築、都市設計に至るまで絶大な影響を与えた伝説的カルト映画なのである。だから続編が高く評価される可能性はゼロなのだ。

で、映画少年だった筆者は一体いつこの作品を見たのかというと恥ずかしながら随分と後になってからなのである。当時高校1年だった筆者がこの年の夏に見たのは「ロッキー3」と「ポルタ―ガイスト」「ファイアーフォックス」の3本で、小遣いの制約から「キャットピープル」「ワン・フロム・ザ・ハート」「炎のランナー」とともにこの傑作を割愛してしまったのである。

それに当時ブレードランナーは「あんまり面白くない」と評判されていたのだ。なぜなら当時のSF映画の観客層はあんまり頭のよろしく無い方たちが中心であり、タルコフスキーの「惑星ソラリス」や「ストーカー」といった独自の映像美や虚無的な世界観を知覚できる感受性の高いインテリ層とは全くの別人種だったのである。

つまり当時の映画配給会社は広告宣伝のターゲット層を完全に間違えてしまい、筆者の同級生でも飛びぬけて愚鈍な男が言った「ブレードランナーより(ポンコツ映画の)メガフォースの方が面白かったよ」なんて今考えると異次元のバカ発言がぴあの書き込みに溢れていたために、予定よりも早く公開打ち切りになっていたのである。。





それと筆者に決定的な悪影響を与えたのは大学の映画サークルにいた三島という同級生である。みんなコンパでヴィスコンティの「地獄に落ちた勇者ども」やフェリーニの「甘い生活」、あるいはアメリカ映画でも「タクシードライバー」といった高尚な映画の話をしているのに、三島君は「ナバロンの要塞」、それも大学3年になっても同じ映画の話ばかりしている永久後進国な男だったのだ。

映画に限らず下級生からも「あの人は中身が何にもないですね」とバカにされていた三島君が大学2年になったあたりで急に「ブレードランナーは素晴らしい」と言い出したのだが、彼の余りの底の浅さに呆れていた筆者らは「ブレードランナーって見てないけど駄目な映画なんじゃね」という印象が日々固まっていったのだ。

ところが・・。就職して田舎で無聊を囲っていた時に余りのヒマさからこの映画をレンタルビデオを借りてきたら・・・・衝撃を受けたのだ。スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」と並ぶ、いやSFなんてちんけな枠組みを超えた名作さに、日本公開から7年も経過して筆者はついにこの映画の偉大さを知って体が震えたのである。

だからもしもこの映画を観たことが無い人がいたとしたら、なにも疑わずに黙って観る事を薦めたい。ここにはアクションがあり、抵抗運動があり、そして現在ハリウッドが作っている未来感や一時期一世を風靡したポップカルチャー、一つの世界、そして現在の都市風景の原点、そして本当に自由な精神とはだれが持っているのか・・と言った問いかけがあるからだ。

さてなんで公開から32年もたった今ごろになって筆者がこの映画を薦めるのか・・・。それは前述のバカ同級生や大学時代の三島君のように、この映画は不思議な事に人類の中で一番下に位置する方から順次上の方へと鑑賞されてきたからで、SFはちょっとねえ・・と言う先入観から躊躇ってきた人こそ・・、アナタこそこの映画を観るべき人だからなんです!。






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