香港から逃げ出す欧米人たち

2017/08/03 11:05:16 | 日記 | コメント:0件

香港にいた頃よく通った居酒屋の主人から「国に帰りました」と連絡が来た。彼はトムさんというアメリカ人で、若いころ横田米軍基地に勤務していた時に日本人の奥さんを貰い、紆余曲折ののち香港に移住して筆者のアパートの近所で居酒屋を開いたのだ。

蒼い目の白人の居酒屋かよ・・と最初は訝ったが、これがまた日本人以上に日本人化してしまった外国人の典型で(クロード・チアリを連想すると良い)、筆者は彼の店に夜遅く訪れては焼き鳥や煮込みをつつきながら獺祭や浦霞の冷酒を煽っていたのである。

もともと日本のカラオケ機器メーカーの駐在員として香港に来ただけあって酒の出る店には通じているから、居酒屋の傍らカラオケボックスやラウンジの経営にも手を伸ばしたのだが、競争の余りの激しさと物価上昇に人件費の高騰など様々な要因が彼の商売を圧迫し続け、ついに今年香港に見切りをつけたという事らしい。

世界一活気があるビジネス都市!などと起業関連の本では香港はえらく肯定的に書いてあるが、現実にこの街で店を開こうものなら連日店が満員でも膨れ上がる固定費に経営が圧迫され、結局店舗リースの契約期間の延長も出来ずに撤退してしまうケースが殆どである。

それは貿易なりサービス業も同じで、筆者が駐在員時代に取引していた顧客は押しなべて経営が苦しくなっていて、すでに業界から5年近く離れている筆者にまで「なんか良い打開策は無いか?」と聞いてくるくらいなのだが、出稼ぎ家政婦をやっている女房の幼馴染たちの話を聞いたら予想以上に状況が悪い事に気が付いたのだ。





なんと欧米人が香港から逃げ出しつつあるのである。幼馴染たちはみなコネからJPモルガンやシティバンクのイギリス人の金融マンやオックスフォード卒の企業弁護士の下で家政婦を務めているのだけれども、過去2年間に雇用主の約半数が香港を離れ、残り半数も帰国を準備しているというのである。

「昔は去る時に新しい雇用主を紹介してくれたけど、今回は見つからないのよ」と言うカティ。だけど香港の金融市場は相変わらず活況を呈しているじゃないか!と思った筆者は、久しぶりにキレモノのリョン女史にお伺いを立てたところ「あのね、中国大陸から来た金融マンのウェイトが増えているのよ!」というにべもない答えだった。

そういえば筆者と一時期仲が良かったジョー・アトルーという投資コンサルタントも1年前の今ごろに「これからの投資はアメリカ内陸部、香港の鉱脈は尽きた!」と言って20年ぶりに母国へと帰ったっけ・・。という事は香港は今以上に中国内陸部の余剰金融資産の草刈り場になり、国際資本のウェイトは落ちていくってことか・・。

キャピタルゲインゼロタックス政策のために余剰資金が不動産市場に流れ込むことでベラボーな価値となり、今や香港人がまともに働いても一生住宅を買えない状態になって久しいが、欧米人がそろそろ潮時・・と逃げ出し始めたところを見ると、次は普通の香港人が逃げ出すか、あるいは大きな崩壊が来るかもしれない。

筆者と女房は香港の永住権を持っているので、ここで住宅相場が大きく崩れれば何もかも駄目なフィリピンなんかサッサとおさらばしても良いのだけれど、しかし先見の明があるシティやウォール街関係者が逃げ出し、民主化が封印されだんだん中国に呑み込まれていく香港の姿を見ると・・。やっぱり香港はオワコンだな。






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