茶色くくすんだ料理が示すもの

松本人志と高須光聖のトーク番組「放送室」で貧乏人と金持ちの家の弁当の違いが語られていた。ふたを開けるとくすんだ茶色系のオカズと多めのご飯が入っているのが松本ら貧乏人の子の弁当で、一方同級生で一番金持ちだったボンの弁当は赤や緑など彩りが実に豊かであり(オカズ中心でご飯少な目)、一目見ただけで食欲が湧いて来る芸術作品だったと言ったのだ。

この話を聞いたときに筆者はハタと膝を叩いてしまった。と言うのも筆者の弁当も茶色系だったからだ。ただ正確には筆者の家は貧乏ではないのだが、母親が何をするのもアア嫌だ、面倒だ、という怠惰な性格で何かを改善しよう発想がまるで無いから、昭和二十年代の埼玉県の食感覚がそのままフリーズパックされた状態で筆者の弁当に再現されていたのだ。

家庭の懐具合、文化程度、それと母親のデリカシーが弁当の色から垣間見えるという法則に「さすが松本人志!」と感服したのだが、それを改めて実感したのが4年前にフィリピンに移住した最初の日の晩の事であった。女房の従兄妹たちが空港でピックアップした後にボニファシオの洒落たレストランで歓迎会を嫌いてくれたのだ。

カルデレータにアドボ、メヌードといった煮込み料理とレチョンにリエンポらバーベキュー類、それとハタ科の魚の煮つけに麺類パンシット・・。その場にいた当時大学生の姪イナは「こりゃ今日は奮発したわね・・」と目を剥いていたが、しかしテーブルに並んだ料理を見た筆者は一気に食欲を失ってしまったのである。

まるで申し合わせたような茶色一色・・、緑とか赤があるのは最初に出てきたスープだけだったからだ。ちなみに女房はフィリピン人だが若いころ香港にて中華料理の美味さに感動したことと、生来の料理好きから家で作る料理は色彩のバランスが巧く取れていたので、筆者はフィリピン料理がこれほど茶色一色とは思わなかったのである。

しかも食感ときたらなんかベチョッとしていて不快この上ない・・。それで筆者は焼きすぎでパサパサなバーベキュー類をつまみに酒を飲むだけに切り替えたのだが、他の連中がこれらオカズをご飯の上にちょこっと乗っけて掻っ込んでいるのを見ているうちに、「こりゃ相当貧しい民族だな・・」という声が脳の中でリフレインし続けたのだ。

あれから4年以上が経過しテレビでは「フィリピンの経済成長が・・」というニュースを数多く見続けて来たけれど、残念ながら食べモノの色合いが変わった兆候はただの1ミリたりとも見られない。そしてうちのアパートの裏にできたレストランを上から覗き見ても、どのテーブルにも茶色いオカズがズラーッと並んでいる。






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