地獄に仏なフィリピンのご近所さん

2017/07/11 12:29:58 | フィリピン雑学帳 | コメント:0件

フィリピンに帰って来た翌日、筆者は自宅から歩いて10分の距離にあるエスター叔母を訪れ、彼女と夫のダニー叔父を慰める事にした。慰める・・とは奇異な感じを受けるだろうが、実はこの老夫婦はつい先日火事により家が全焼してしまい、何もかも失ってしまったのである。

先月末のある早朝、家の中に煙が充満しているのに気がついたダニー叔父が火元らしき部屋のドアを開けると、そこは火炎地獄と化しており、いくら水をぶっかけようが打つ手など無く、消防車が到着する以前のたった30分間で何もかも焼き尽くしてしまったのだ。

幸運な事に老夫婦、ならびに同居している娘夫婦と二人の孫は火傷どころかかすり傷一つ負わずに脱出できたのだが(平屋だった事が大きい)、家具や家財道具から衣服や写真アルバムに叔母の常備薬の類まで一切合切焼き尽くされてしまい、文字通り身一つで放り出されたのである。

33年間住んだ家が一瞬にして無くなる・・。70代の老夫婦にとっては手足をもがれるほどの喪失感に打ちのめされたに違いないから、せめて慰めの言葉でもかけようと帰国翌日に老夫婦の元へと出向いたと言う事だが、しかし・・意外にも予想したよりも遥かに矍鑠としていたのに驚いてしまったのだ。

と言うのは一家は前からずっと空き家化している目の前の家に住むことを大家から提案され(一応幽霊が出ると噂されている物件だけれども)、親戚や娘夫妻の職場の同僚、それと近所の人達から要らなくなった衣服や鍋釜、支援金の類を戴いた事で当面は電気洗濯機だけ買えばなんとか生活が成り立つ状態になっていたからだ。

それと娘夫妻は大手企業の管理職を務めているので現金に困っているわけではないし、焼け落ちた家の掃除の方も金はないけど子供だけは多いフィリピンの特性からか人手に困る事なく着々と進み、火災から2週間足らずで以前と大して変わらない生活レベルに戻っていたのである。

先進国と違い社会福祉がてんでダメなフィリピンだけあって、こういう草の根レベルでの助け合いは案外と充実しており(ただしシャブ中の泥棒一家なんてのはその恩恵には預かれないが)、ひょっとして東北大震災の被災民よりもフィリピンの方が当座の立ち直りスピードは速いのでは?などと考えてしまったほどである。

さてエスター叔母に見舞いに言葉とダニー叔父に好物のジョニ黒を進呈したところ、ニッカリ笑った二人は筆者と女房に「飯を作ったから食っていけ!」と命じたので、遠慮なくご相伴に預かる事にした。彼らの表情からは深い悲しみは微塵も感じなかったのが心の救いになった。






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