ウナギ屋の二代目

2017/03/05 11:27:20 | 日記 | コメント:0件

ネットを見ていたら高校・大学の同級生S君がインタビュー記事に出ているのを見つけた。その記事は「次のトレンドを先読みする!」的な題名が付けられていて、S君はフードクリエイターという肩書で持論を語っているのだが、しかしこの肩書もさることながら彼の一問一答を読み進むうちにある旧友ながらも腹を立ててしまったのだ。

このS君は東京近郊にある老舗のうなぎ屋の倅で、遊び仲間ではないが高校時代に彼とはそこそこ親しく付き合っていた仲だけれども、彼が何ゆえ私立大学の付属高校に進んだのかが最初は良く理解できなかったのだ。ふつう老舗料理屋の息子といえば中学か高校を出た後に築地なり大阪の料亭に修行に行くはずだからだ。

しかし筆者がS君と同じ立場ならおそらく店を継ぐ事はないから、きっと彼は大学まで進んで彼が能力を発揮できそうな広告とかファッション業界にでも進むつもりなのだろう・・と思っていたのだけれども、大学4年の企業から内定をいただいた頃に何かの席でS君に進路を聞いたところ「店を継ぐことになった」と聞いて驚いてしまったのだ。

大学時代の彼はイベント企画みたいなバイトをしていて料理など一切関与してなかったからである。そして何年か後に高校時代のクラスメイトと再会した際にS君の様子を聞いたところ、大阪の大変有名な料亭に修行に出たが店主の運転手みたいな仕事をしているだけで、包丁を握っている訳ではないと聞いて納得してしまった。

料理界の事は詳しくないが、有名料亭に集まって来た全国各地の跡取り息子たちにも能力差というのは歴然とあるため、S君のような全く経験が無い上に年齢的に出遅れた人間は雑用的な仕事に回されてお茶を濁すだけらしい。地方銀行の御曹司が都市銀本店の経営管理室なんてハリボテ職場で人脈作りだけに特化して数年過ごすのと同じである。

それで数年後に筆者は日本に一時帰任した際にS君の店を尋ねたところ、店の奥には板長らしき帽子をかぶったS君が職場を仕切っていているのが見え、筆者の顔を認めるとテーブルにやって来て「やあ、久しぶり!」などと親しく挨拶を交わしたのだけれど、出て来た特上のウナギを一口喰った瞬間にウム?と思ったのだ。





S君の父親が仕切っていた頃からはかな~り味が落ちていたのだ。ちなみにウナギの稚魚が枯渇して国産ウナギが使えないんだ・・というようなお手軽な値付けなどでは勿論ない。域外の人間にも知られた老舗なため店は結構繁盛していたのだが、食っている人たちの表情をよく見ると・・、あんまり美味そうには見えない。

「時間があったらこの通りの先の●●ってバーに来てくれよ。オレが最近開いた店なんだ!こっちの店が終わったらオレも行くから!」と言うので、まあヒマだったからそのバーへ入ったのだが、これが東京郊外にしては随分とスタイリッシュな店なのだけれど、そこのバーテンダーの作ったギムレットはバーと言うよりファミレスの飲み物のような代物である。

やがてS君がやって来たので昔話に花を咲かせようとしたのだが、彼は出店準備中のフュージョン料理店の話を切り出し、店の内装や客あたりの単価、ターゲットとなる顧客層なんかの話をベラベラと話し出したのだが、一体どんな料理を提供するのか?という肝心の話が全然出てこないので興ざめしてしまい、終電まで待たずに店を辞したのである。

何もかも形だけ・・。箱は立派だが中身は何にもないのだ。その当時もこの手の店が筆者のいた香港でも増え出していて、テレビにもフォード・コーディネーターとか○○楼プロデュースド・バイ・某有名芸能人なんて肩書の人間がメディアに頻繁にが出て来るが、もともと設計開発者でモノつくりが本業の筆者は「アンタら包丁握ったことあるの?」と聞きたくなったものだ。

さてS君のインタビュー記事に話を戻すけれど、筆者が激昂したのは聞き手の「昨今日本料理が海外で高く評価されていますが・・」と言う質問に対し、S君が「先人たちの築きあげてきた料理文化を継承した人間の一人として、この出来事は全く嬉しい限りで・・」と答えているのを見た時である。

日本の料理文化どころかオヤジの作った味さえもお前は継承してないだろうが。それが何を偉そうに抜かしてやがんだ。お前みたいな人間が料理界に溢れていることが問題なんだ。それとお前の肩書はフードクリエイターじゃなくてウナギ屋Sの店主だろうが!(以下悪態こんこんと継続・・・・)。





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