日本企業のお荷物は法務部だ!

2017/03/02 11:31:30 | 日記 | コメント:2件

アメリカの企業と取引された経験がある方なら商談に弁護士が登場してきて面食らった覚えがあるだろう。新製品の共同開発や投資案件ならまだ理解できるが、汎用品・既製品の売買でも十億単位の規模になると弁護士がヌッと現れ、彼らの編み出したオプションという罠を見抜くのに四苦八苦する・・。筆者も何度か苦い思い出がある。

それでこっちも青い目の弁護士と対抗しようとするのだけれども、職制上のルールに沿って本社の法務部に相談しても「英文契約書ひな形その1」をメールで送りつけて来るだけ・・。おいおい!相手さんは弁護士が矢面に立っているのに、社内法務部はオフィスにデンと座ったままか!との抗議しても「交渉の経緯は逐一報告してください」と言ったきり後はバタン!とシャッターを閉じてお終いである。

売買契約に環境規制、児童労働防止などなど世の中ありとあらゆる法律が登場し、ファストフードのコーヒーが熱すぎるだけで何億円という賠償金を課される時代である。だから営業マンが競合他社や市場動向を見張るのと同様に法律担当者だって灯台のように全方位360度灯りを照らすべきなのに、残念ながら筆者の会社の法務部は前方30度くらいがせいぜいで、しかも灯りと言っても豆電球程度の体たらくだったのである。

さて東芝関連のニュースを見るにつけ「東芝の社長のそばに国際業務専門の弁護士を一人でもつけて置けばこんな事にはならなかっただろうに」という思いを強くしてしまった。社内に法務部門を置きたがる日本とは違い、欧米はもともとアウトソーシングが発展しているとはいえ法務部門は外部の弁護士事務所と顧問契約を結ぶのが基本である。

その理由はいろいろあるけれども、最も重要なのは社内法務部だと他流試合が出来ないから相対的に弱くなってしまうからだ。平和憲法に守られた国の軍隊にソマリアへの上陸作戦や化学兵器戦を戦え!と言うのと同じで、日ごろから多種多様な戦闘で鍛錬されていなければ思考空間が狭まってしまい実戦で使い物にならないのだ。

何ごとも揉め事を嫌い、訴訟なんか無い方が良い!というメンタリティーが強い日本社会では法務部というのは忙しく無い方がよろしい職場だ!という何とも情けない理由もあるが、その安住の地にぬくぬくと埋没してき社内法務部サラリーマンたちは青い目の弁護士相手にいざ揉め事が起こっても「困りましたねえ・・」と言って腕組んだまま黙ってるだけ・・というケースが良くあったのである。

セクハラ対策にパワハラ対策、コンプライアンスなど連中が得意なのは全部内向きの仕事だけで、大規模消費者クレームが起こった場合はどうするのか?と言った議題には「それは品質保証部がガイドラインを作ってください」、競合他社が特許侵害してる可能性がある!と言うケースだと「それは知的財産部に頼んでください」と言うだけ・・。その余りの怠惰さに筆者は何度も閉口したものである。





それである訴訟沙汰が起こった際に、海外支店と言う本社の目が届かない地の利を生かして香港の弁護士を単発で雇ったところ、さすが法律大国イギリスの旧植民地だけあって事態は当方の優位な形で解決となったのだが、この弁護士君は「こういうケースに直面した場合のリスクはこうで、この場合相手に全額弁済させる方法は・・」と実に丁寧にレクチャーしてくれたのだ。

なるほどオレの脳内にある商取引の固定概念にはこんな落とし穴があったのか!とすっかり感服した筆者は、もう一つ抱えていた係争案件をこの弁護士に頼もうと日本の上司にお伺いを立てたところ、何をトチ狂ったのかこの阿呆上司は今まで何度も煮え湯を飲まされて憤慨していた本社法務部に話を持ち込んでしまったのだ。

筆者を呼び出した法務部の男は「あなたの行為は社内規定に反していますから懲罰案件として人事部に連絡しました、なお企業機密上の観点から香港の弁護士とは今後一切関係を持たぬよう申し渡します」と言うやスッと紙を出す。見るとそこには「私は法務部の言う事を承服しました・・」という書類で、そこに署名しろ!というのである。

日本じゃ署名なんて習慣が無いので変だな・・と思ったが、よく見ると別にもう一枚英語版があったから香港でも通じるようにわざわざ作成しやがったのだ。顧客や競合他社の訴訟から会社を守るためには決まった雛形をペロッと送るだけなのに、自分たち法務部の権益を犯す輩に対しては速やかに対応する。その厚顔無恥さに呆れ果ててしまったのだ。

で、こんな連中が法律の番人をしているから筆者のいた会社はただ今訴訟が捻じれに捻じれて大変な事になりつつあるようなのだが、元同僚の訃報を教えてくれた後輩に本社法務部は一体なにやってるんだ?と聞いてみたところ、なんと法務部長以下全員が全員とも自分たちに一体何が欠けていたのか?ということが未だに知覚出来ず、「まったく現場の人間は法律を判ってない」と宣ってお終いだそうだ。

まあ世の中こんな法務部だらけとは言わないが、シャープしかり東芝しかりで連中に法律全般を任せようものなら100%外国人にしてやられることは間違いがない。世間と社内がガラスのパイプで結ばれているとすると日本の大抵の社内法務部はパイプのくびれた部分と同じだから、海外と伍していくなら何よりこれを取っ払う必要がある。

なので営業の前線や開発現場を仕切っている方で海外との間で現在重大な訴訟に発展しそうなケースを抱えているようだったら、社内法務部に何度も掛け合っても欧米人の弁護士に比べて思考空間の狭い彼らから有効な打開策が出て来ることはまず望めないので、社長に直談判して社外弁護士を動員することをお勧めします。その方が会社にもあなたの精神面にも良い方に作用します。






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コメント

2017/03/02(木) 12:59:22 | URL | 浅野 #-
まんま同じで笑いました。ナイキナイキと靴屋みたいな繰り返し。

2017/03/02(木) 18:38:30 | URL | 4ビート #-
読んでいたら自分の会社の間接部門を思い出し、むかついてきました。役に立たないだけでは無く常に上に立とうとするあの態度。

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