インチキ幽霊話を見抜く方法

2017/02/23 13:39:48 | オカルト系 | コメント:1件

大学サークルの2年下に上西君という変わった男がいた。彼は自称「見える人」つまり霊感がある人間らしく、子供の頃に呼び声に釣られて川べりへと降りて行ったら遺棄死体に辿り着いたというファンタジックなエピソードを持っているのだが、その一方大学入試で3浪もしてようやく夜間部に潜り込めた・・などその能力にはいささか首をかしげざるを得ない所もある男なのだ。

「霊感が開いていると全部見えちゃってシンドイし、それにスキを見せると入って来られちゃうから普段は回線閉じてるんです」と彼自身の能力については何だか無線機みたいな説明をしたのだが、いつも彼を茶化していた筆者もこの男の霊能力は本物かもしれんぞ?と思わせたのは、筆者の高校時代に広まったある幽霊話をウソだと見抜いた時である。

それは非常に良く出来た作り話で、初めて聞いた人間は100%恐怖に戦慄くこと請け合いの傑作なのだが、この上西君は筆者の話を聞き終わった後で「それは作り話ですね」の一言で片づけたのだ。エッ?お前なんで分かったの?と聞いたら、だって先輩の話には致命的欠陥がありますから!といってケラケラ笑ったのだ。

長らく営業を体験した猛者が「驚くことほど顧客開拓が進む方法」なんて自己啓発セミナーのインチキを簡単に見抜けるように、幼少期より霊感に悩まされて来た上西君は真偽を見抜いたようだったのだが、それから2~3か月後に筆者は本当に幽霊を見ることになってしまい、それがちょっと理解不能な所があったので上西君に相談&リベンジを挑むことになったのだ。





旧軽井沢にある友人の別荘に滞在していたある夏の晩、4人で春木屋のラーメンを食おうと車に乗り込んだ際、前方の真っ暗な道に女性が歩いているのを認めたのだが、車のライトをつけた瞬間にその女性が忽然と消えてしまったのである。その瞬間「アッ!」と叫んだのは筆者ではなく隣の席にいた石田という後輩で、筆者は石田の方に振り向いて「お前も見たのか?」と尋ねたのだ。

恐々と頷く石田君。それでラーメン喰った後くだんの場所へと歩いて行ったところ、そこには女性が入れるような横道なんかは無くて、ただ何かの慰霊碑らしきモノと枯れた花束が置かれていたのを見た筆者らは背筋が凍り付き、こりゃ間違いなく俺たちが見たのは幽霊だぞ!と確信したのだが、具体的に何を見たのかを話していくうちに筆者と石田君に話が合致しないことが判って来たのだ。

筆者が見たのは白っぽい服を着た女性の後ろ姿なのだが、石田君は女性は黒っぽい服を着ていたが何故だか発光する白いモヤに包まれていた!と言ったのである。えっ?モヤなんかないぞ!見間違えじゃないか?と言ったが、ちなみに筆者も石田君も視力は1.5と大変良いほうで、それに石田君は朴訥とした男でウソを言ったり話をまぜっかえしたりする人間ではない。

それで夏休み明けに上西君に自分たちの経験を話したところ、「肌はどんな色をしていたか?」とか「震えやだるさの様な体調不調は感じたか?」などと幾つか質問した後で、お話を伺う限り先輩たちが見たのは幽霊で間違いないですね!と断定したのだが、一番肝心な二人が見た幽霊の視覚的違いについては「二人が全く同じものを見る方が稀なんですよ」と言ったのである。






霊感がある人間が同じ瞬間に幽霊に遭遇しても各自の霊能力の違いによって目への映り方、身体での感じ方は千差万別になるもので、グループの中で一番霊感の強い人が人間の形をした幽霊を認識している一方で、全く何にも見えない人がいたり、もしくは濃い煙の塊が見えた人、あるいは人間らしい形をしているが縮尺がおかしかったりする方が普通なのだそうだ。

○○先輩が前に話した高校生たちが防空頭巾をかぶった親子の幽霊を目撃した話は、皆が同じ赤い紐に無図バレた鈴を見ないとオチにならない構造になってたでしょ?だからあれは直ぐに作り物ものだと分かったんですよ!と上西君は嬉しそうに種明かしをしたのだ。

ああそうなの・・と幽霊目撃の意外な事実に筆者と石田君は妙に納得したのだが、だけどお前は最初に「幽霊の肌はどんな色でした?」って聞いたよな?見る人によって色彩が変わるのにわざわざ聞いたのは視覚体験の違いを調べるためか?と聞いたところ、いえ、肌の色はちょっと意味合いが違うんですよね・・と言って上西君は不思議な話を始めたのだ。

幽霊はね、はっきり姿が見えた場合はたいてい青い肌をしてるんです。だから肌の色を聞いて「雪の様に白かった」とか「普通の人と同じだけど」と答えた場合は、その人は高度の霊能者なのかもしれないけど、そんな人は滅多に居ないから殆どは作り話かその人の脳の誤作動による幻覚なんですよ・・。上西君はそう説明したのである。





筆者は幽霊を視覚的に見たのはその軽井沢での1回きりだから上西君の話の真偽を確認する術がないのだが、しかしその数か月後に訪れたインドで寺院に飾られたダーキニーら古代の神々の像がことごとく青い肌をしているのを見た時に驚いていまった。それで彼の話は案外本当なのではないか?と思ったのである。

結局それからも筆者は霊の存在を感じることは有っても見たことはないのだが、しかし多くの心霊ビデオには青や紫がかった肌をした幽霊をよく見かけるから、数多くの作り物が混ざっているとはいえ製作スタッフは本物の霊視能力を持った人間から「霊は青い肌をしている」とアドバイスを貰っているのかもしれない。

それで筆者も上西君を見習って「オレは幽霊を目撃した!」なんて言う輩に対しては「どんな肌の色をしていた?」と聞くようにしたところ、かなりの高確率で「長い髪をして白い服を着た顔面蒼白の女」と答えるのである。(さすがに落ち武者と旧日本軍兵士、防空頭巾の少女という幽霊三大定番はいなかった)

そこですかさず「それは脳の誤作動だよ!」と言うと相手は面食らって「何を失礼な!オレは本当に見たんだ!」と返してくるが、あのねぇ、本物の幽霊は青い肌をしていて・・、インドの邪神カーリー寺院に行くと・・なんて話すと、今まで上気していた相手の顔が段々と緩んできて、ついには負けを認めるのである。この青い肌の話は結構使えるので、如何わしい整体師や宗教勧誘者に悩まされている様だったら一度試してみることをお勧めする。






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コメント

2017/02/23(木) 23:00:22 | URL | フライングLoLo #-
数年前カリラヤ庭園(霊園)に慰霊に訪れた時
グループに遅れ一人階段を上る私の背後に人の気配を感じた
大丈夫一人で登れると老体にムチ打ち、登り切り振り返ると
誰もいません 祭られている英霊が若造よく来たなと
エスコートしてくださったと感謝しております。

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