待っても来ない消防車

ここ数日フィリピンは急に涼しくなったので、アパートの最上階にいる筆者はエアコンをつけずに網戸越しの涼しい風を受けて眠りに落ちているのだが、昨夜遅く何気なく外を眺めると1キロほど先がぼんやりオレンジ色に染まっているのが見えた。

火事である。遠いけれども2階建ての建物の上の階が映し出されているから1階部分に火の手が上がっているようだ。つい2週間前には反対の方角でガス充てん業者が火事となり、LPガスボンベに爆発して7人死んだ事が思い出された。

こりゃ消防車の大合唱になるぞ!と思ってベランダからずっと見ていたのだが、火の手はどんどん大きくなってついに2階部分にまで火が伝わったのにウー!とかピーポー!の音がまったく聞こえてこない。それで女房を叩き起こしたのだが、眠そうに眼をこすりながら「きっと工場が廃材でも燃やしているんじゃないの?」と言うだけだ。

しかしパッシグ市政府のツイッターを見ると数分前に「〇〇地区で火災発生!」と書かれているし、そこに書いてある住所をグーグルの地図で見てみると果たしてドンピシャリの方角である。つまりこれは廃材焼却ではなく本物の火事なのだ。

それで筆者はずっと火事を見ていたのだが、消防車がウーッ!と鳴り響き始めたのは筆者が炎を確認してから1時間近くも経ってからで、その間に炎は2階をとっくに呑み込んで天高く舞い上がり、そしてあらかた燃やし尽くしたのか随分と勢いを無くしていた頃であった。





翌日ニュースを見たら燃えたのは福祉財団か何かが入っている大きな木造の家で、幸いな事に犠牲者はいなかった様なのだけれども、ニュース映像には火災現場の周辺一帯にマッチ箱のような小さな家が密集していたから、もしもあそこに引火していたら大変な事になっていたに違いない。

しかし解せないのはパッシグの中央消防署から2キロも無いの場所なのに消防車の到着は一体なぜあんなに遅かったのか?ということである。深夜だから交通渋滞と言う事は有り得ないし、1キロ離れた筆者でも午前4時にはボヤが始まっているのが見えたのだから近所の住民はその頃とっくに消防署に出動要請したはずだ。

ところがベランダにいた筆者が消防車のサイレン音と光を確認できたのは5時近くなのだから、実に1時間この建物は燃えるがままに任せてあったということだ。これもしも自分の住んでいるアパートが燃えたら、そして誰かが中に取り残されていたとしたら・・と考えると絶望的な気分になって来る。

日本の消防車が到着するのは通報を受けてから8分程度なのにフィリピンじゃ60分かかる・・。つまり家で不本意にも火の手が上がってしまい、炎が膝の高さを超えたら最後家は燃え尽きるところまでいくということだ。それから助けが来るなどと甘い考えをもって待っていようものなら間違いなく死ぬのである。

これからフィリピン在住して一戸建ての家を建てようとしている方は、大きなキッチンとか吹き抜けの居間、それと家の外壁素材はどうのこうのとかで頭を悩ます前に、天井裏に水タンクを置くとか、燃えたらすぐに外へと逃げられる間取りをまず第一に考えるべきだろう。それと消火器や縄ハシゴ、救命機材なども忘れないように。






にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村

スポンサーサイト

コメント投稿

  • URL
  • コメント
  • パスワード
  •  管理者にだけ表示

さもありなん! 

そうでしょう、この前すぐに消防車が来たとかいうのが奇跡ですよ。
ガスボンベ工場とか危険な所はすぐに来るようなシステムになってるのか?

日本の消防署は、あまり火事がないので、壁に登ったりして訓練ばかりやってる。
また、近くの消防署の出先の支署は、消防車のかわりに救急車が置いてあります。

Re: さもありなん! 

いや、そういうシステムにはなってなさそうです。
おそらく火がマッチ程度の段階で消防に連絡したか、署長の親戚がガス充てん業者だったみたいな理由じゃないかと思ってます。

まさか! 

消防署長と親戚だったら、早く消火にきてもらえるんですか?

Re: まさか! 

消防署の場合そう思うだけで確証は有りませんが、個人的体験で言いますと警察に関しては親戚のコネのおかげで書類関係で長い行列には並んだこと無いですよ。

すべてがコネですからね 

ガス補填業者の経営者が消防署員の親戚とかあるかも?
空港のイミグレーションの幹部に親戚が居たら、フリーパスで横から抜けれます。

マニラ在住の友人が言ってました、フィリピン人はすべてに特別を作りたがる。

Re: すべてがコネですからね 

> ガス補填業者の経営者が消防署員の親戚とかあるかも?
> 空港のイミグレーションの幹部に親戚が居たら、フリーパスで横から抜けれます。
>
> マニラ在住の友人が言ってました、フィリピン人はすべてに特別を作りたがる。

 

一般的に、火事になると、消防車が駆けつけますが、ここで、直ぐに放水になるわけではありません。

まず、幾らお金を払うか、交渉から始まります。
ここで、お金を払わないと、火災保険の請求などの必要書類が消防署から出ませんので、ある程度まとまった金額を払います。

その後、放水初め!ですね。勿論、燃えている地域に、市会議員などの有力者の家があれば、直ぐに放水です。

その点、チャイニーズ防火隊は、お金と関係なく駆けつけて消してくれます。

あと、大火になるのは、半分以上は、立ち退きのための火付けです。焼き払えば、地上権もなくなりますので、土地の持ち主に黙って建てた、ぼろ家が、綺麗さっぱりなくなりますので、準スコーター、立ち退き、新規開発には、必要悪ですね。この場合、大火になるまで、わざと出動を遅らせます。

上記の記事の場合、隣の不法占領家屋に類焼させたかったか、(残念ながら失敗)、それとも、金を請求できる家でもない『時間帯として)、又は、全焼になってくれた方が、家主はうれしい(全額保険がおりますので)のかのどちらかでしょう。

ホットライン 

フィリピンの消防は119番のようなホットラインが固定電話だけしか使えないので燃えている家の固定電話で通報していると焼け死にます。携帯からは最寄りの消防署への市外局番での通報になりますから「通報されていなかった」が正解では?危険物を扱うガス会社なんかでは携帯にも消防番号保存してるんでしょうけど。

皆さん、フィリピンの国情にお詳しいですね 

他国の内情に疎い身としては、ここにアップされている記事の内容には、しばしば驚かされます。

今後も、興味深い記事を期待します。

Re: タイトルなし 

チャイニーズ消化隊なんてあるのですか。
知らなかった
燃えたらそこに電話すればいいんでしょうか?

Re: ホットライン 

なるほど
それが正解っぽいですね
固定電話しか通じないとは知りませんでした

Re: 皆さん、フィリピンの国情にお詳しいですね 

拙い内容ですがご愛読していただき感謝です。

中華街のフィリピン人か中国人 

チャイナタウンに行ったら、漢字を書いた消防車がありますが
あれは、あくまで自分たちのテリトリーを火災から守るためですよ。
マッカーサー橋を越えてまで、消火活動とかしてないと思います。

自分たちで金出しあって、ポンプ車とか揃えて隊員の給料も払ってるんでしょ。
如何に、中華系フィリピン人がフィリピン政府を信用してない証拠ですよ。
日本の街々に置かれている消防車とか消防団員は、ちゃんと税金で賄われてる。

 

http://www.philippinefirefighter.org/members.php

結構、支部がありますよ。中華消防隊。

HOT LINEは、16016です。

トラックバック

http://dadesigna.blog.fc2.com/tb.php/1191-46a3fed5