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サイレンの赤い光の渦の異空間

1週間ほど前に近所のLPガス充填業者が爆発し現在まで7人が死亡する惨事となったが、それ以降も近所ではほぼ毎晩のようにサイレンの音が鳴り響くようになった。そのうちニュースに出たのは一昨日と昨夜の火事で、ウーッ!ウウーッ!という音が聞こえてくるたびに女房はビクッと反応するのだが、筆者はというと・・・嬉しいのである。

オカルトマニアというのは基本的には騒動好きであり、近所で覚せい剤中毒の男が人質を取って立てこもっているとか、毎週水曜日になるとある地域では女性が忽然と消えてしまう、下水が外に溢れ出て仕方ないのでマンホールを開けたら死体が出て来た・・なんて話を聞こうものならもう溜まらなくなって何が何でも見に行きたくなる性質なのだ。

実際筆者の住んでいた町で一家五人が惨殺される事件が起こった際など、筆者はさっそく事件現場の隣の保育園へと出向き、ガキどもの冷たい目線を一身に浴びながら鬱蒼と茂る垣根越しに惨劇の家を眺めたりしたものだが、一体筆者がなぜこういう偏執的な人間になってしまったのかと言うと、それは幼児期に経験したある恐怖の一夜が原因なのである。





筆者が生まれ育ったのは東京都内と言っても70年代前半には辺りの半分くらい畑が残っている町で、子供の頃にはよく近所の農家の人が「大根いらねえかい?」などと行商に来たものだが、その中の一人が本橋のオバサンであった。本橋というのは元々この一帯の名主だか庄屋であり、本橋の本家や分家がやたらとあちこちに居たのである。

さて筆者が幼稚園のある日の夜中に突然ウウーッ!ウウーッ!という消防車のサイレンの音が聞こえて来たことがあったのだ。驚いて飛び起きると筆者の父が「ちょっと様子を見て来る!」と言って家を飛び出したのだが、しばらくして帰って来るなり「正子ちゃんの家が燃えている!」と言ったのだ。正子ちゃんと言うのは筆者と同い年で、このあたりの本橋家の本家の娘である。

正子ちゃん一家は全員外で家が焼け落ちつつあるのを見守っていたから無事だった・・と父が言うので一安心した記憶があり、やがて筆者は眠りに落ちたのだが、再びその後事件が起こったのだ。記憶は曖昧だが確か明け方近くになって再びウウーッ!ウウーッ!という先ほどよりも遥かにデカいサイレンの音で目を覚ましたのだ。





雨戸を開けると驚いたことに外は真っ赤な光の海で、その光景は今でも筆者の脳裏に焼き付いていて思わず背中がゾワゾワするのだが、消防車とは別に遠方から救急車のピーポー!ピーポー!という音がだんだん近づいてきたのである。「今度はあっちの方向で火事か?こりゃ大ごとだ!」と叫んだ父親は数十メートル先の現場へと向かって行ったのだ。

筆者と母親は開けっ放しにした雨戸から恐る恐る成り行きを見守っていたのだが、しかし父親が一向に帰ってこぬので意を決して現場に行くことにしたのだ。サイレンの赤い光が渦巻いている方へとぼとぼ歩いていくのは何だか得体の知れない異界へと入りこんでしまう気分だったが、やがて人だかりの中にいた父親が筆者を見つけると「本橋のオバちゃんらしいぞ」と言ったのだ。

この事件の種を明かすと、正子ちゃんのお父さんと本橋のオバちゃんの旦那は実の兄弟で、遺産相続で揉めに揉めたあげくに決定的に決裂し、特に今まで分家の嫁として虐められてきたことで鬱憤が溜まっていた本橋のオバちゃんは頭に来て正子ちゃんの家に火をつけてしまったのだが、自宅に逃げ帰った後で「とんでも無い事をしてしまった」と悟り、今度は自分でガソリンを被って焼身自殺を図ったのだ。





「おい!来たぞ!」という掛け声とともにタンカに載せられた何かが運ばれてくるところまでは見たのだが、父親が筆者の目を手で覆ってしまったため「それ」を見ることは叶わなかったのだ。しかしあの時のサイレンの光の渦と周囲のザワッっというざわめきに囲まれた筆者は恐怖に震えながらも得体の知れない何かを心理の奥底に植え付けられたのである。

後日「熱いから畑の土を掻き毟って体にかけたらしいんだよ・・」などとお茶を飲み飲み噂話に興じる隣人たちの話を一言残らず耳にしては背筋がゾーッ!「病院についた時はもう手遅れだったみたいで、体の半分くらい炭になって・・」と聞いてはゾーッ!を繰り返すうちに・・・、オカルトマニアになる土壌が形成されたのである。

それで今でもウウーッ!ウウウーッ!というサイレンが聞こえるとスクッと立ち上がって狼男みたいに目をらんらんと輝かせてしまうのだ。だけどねえ・・、近所を通り過ぎるだけじゃちょっと物足りないから、出来れば同じアパートで一家心中とか、猟奇殺人犯が実は階下に住んでいて、そこにはホルマリン漬けの・・なんて事にならないかなぁ・・などと日々考えておる次第です。






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こわいもの見たさの心理は、程度の差こそあれ誰にでも備わっているものでしょう。

そう考えると、人間誰しもオカルト好きの一面は持ち合わせているのかも……。

 

フィリピン人って、野次馬根性すごいですよね。

最近、余りにも殺人が多く報道されるので、慣れっこになりましたね。

昨晩も、田舎の親戚の何とかが、(普段からしゃぶの売人、兼使用者)停電のわずかなすきを狙われて、しゃぶ仲間と共に、射殺されたとか。あいつは、マヤバンだから、遂にやられたか。って、ただそれだけです。

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