〇〇〇産の裏側

2017/01/17 13:26:37 | 昔話 | コメント:1件

ワイン好きなイギリス人の知人が目の前のボトルを指さして「このワインは何処の国で採れたブドウを原料にしていると思う?」と変な事を聞いてきた事がある。その時いたのは香港のパパラッチというイタリア料理店で、飲んでいたのはそれなりの値段がする赤ワインであり、ラベルにはフランス産と書かれていた。

筆者は酒の中ではワインが一番苦手であり(理由はブドウが嫌いだから)、どの銘柄がどういった由来で・・などと言われても全銘柄押しなべて不味いだけだからハナから興味が無いのだ。だから何も考えずに「フランス」と答えたのだが、このイギリス人は人差し指をボトルの半分の所にあてて「ここまでがフランスで残りは他の国だよ」と嬉しそうに答えたのである。

フランス産として国内消費と海外輸出されるワインの合計が年間〇〇リットルだとすると、その量を賄うためのブドウ畑は△△ヘクタールとなるが、これだと実際の農地面積をはるかに超えてしまうというのである。と言う事はニセモノなのか?と聞いたら、いやいや法律上はフランス製で間違いないんだけどブドウとしてはね・・・と言ってイギリス人は楽しそうにウンチクを語り始めたのである。

世界のワイン貿易には、誰にもお馴染みの瓶詰めされたワインの他に未熟成のブドウ原液と言う業界関係者しか知らない別のカテゴリーがあって、フランスの結構名の知られた大手ワイナリーでもこの原液を外国から輸入して自農場産のブドウ原液と混ぜ合わせ(或いはフランス産の樽に丸ごと詰めて)、何年か経ったら樽を開けて「フランス産ワイン」として売り出しているというのである。

ワイン原液の輸出国は南米のチリとアルゼンチン、それとスペインとブルガリアの4か国だそうで(これはイギリス人の知人から聞いた話なので正しいかどうかは?である)、近年のチリワインの隆盛が示す様にこの4か国で採れるブドウはかなりの逸品だから、これからワイン農場に投資をするなら一番知名度が低いブルガリアが買いなのだ!と力説していたのだ。





なるほどワインも工業製品と同じなんだな・・などとその時は妙に納得したのだが、しかし最終的には品質で決定的な差が出る工業製品と違ってワインの場合はフランスという国のプレミア感で相当マークアップしているのが実情だし、そのために国として色んな規格を作っていたはずなのだが、こんなんでいいのかね?と考えれば考えるほど首をかしげてしまう。

しかしこういう誤魔化しというのは何もワインだけでなく、食品業界ではスコッチウィスキーやプロシュートなどのハム、それにキャビアなども同じらしいのだが、しかし筆者が垣間見て来た業界には同じくらいなのがあるのだ。ちょっと小じゃれたスーツに値の張る革靴とカバンなど身に着けた方なら興味があるだろう商品である。

以前にも書いたけれども筆者はもともと液晶関連の設計屋で、後に液晶パネルやフラッシュメモリー等の電子部品の営業職になったのだが、まだパソコンや携帯、タブレットが主流になる前の時代に顧客の中で大きなウェイトを占めていたのは時計業界であった。もちろん◎ショックで有名な日本の会社も顧客であったけれども、数量ベースでは香港や中国・台湾人資本の独立系中小メーカー群が世界の80%を占めているのである。

例えばユニクロやギャップが多角化のため時計も商品ラインに加えたい!と思ったら、彼らのために独自のデザインを開発し、部品調達から生産まで何もかも賄ってくれるOEM時計メーカーが香港・台湾・中国には数千社いるのである。その中でも年間売上高20億円、工場も含めた従業員が千人を超えれば大手と見なされ(日本よりケタ一つ少ないが、その一方利益率は1ケタ多いのだ)、ミンフンメタル社(仮名)はその一社だった。

この会社は香港人がオーナーで、ごく少量の液晶パネルと膨大な量の水晶振動子を注文してくれるお得意さんなのだが、筆者はここの営業担当では無かったものの上司に対して商談に参加させてほしい!と申し出たのだ。どうして自分の業績にもならないことをするのか?と言うと、この香港人の会社がなんとも得体の知れない不気味な存在だったからである(続く)。






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コメント

2017/01/18(水) 11:42:52 | URL | prince #XeNBjOg6
日本でも結構ありますよね。
松坂市場を通しただけの、松坂牛とか。
オーストラリアで育てた、和牛とか。

スイス時計、香港・中国 OEM生産なんて、結構あるのでしょうね。

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